登別に着いたのは夕方の6時を過ぎていた。
予定では5時半頃に着くはずだったが、油断して電車に乗り遅れてしまった。
駅前は灯が落ちてすっかり暗くなっていた。
大温泉地でも熱海とは違い、駅前は閑散としている。
宿泊は第一滝本館、登別を代表する大旅館である。
駅からタクシーで10分、料金は2000円、想像していたよりも近かった。
部屋は本館の6階、和室の10畳でトイレはあるが風呂はない。
どうってことのない普通の部屋である。
夕食は「湯の里」という食事処で取った。
にごり酒を注文したのだが、どうやらこれが強烈だったらしく、食事の内容が思い出せない。
HPの食事の写真を見ても、食べた記憶が蘇らない。
食後、部屋に戻るとそのまま爆睡してしまった。
深夜3時頃に目が覚め、それから温泉に行った。
大浴場はかなり遠い。
部屋に戻るまでに湯冷めしてしまうのではないかと思えるほど距離がある。
さすがに深夜なので誰もいない。
浴室の窓からは地獄谷が見えるはずだが、深夜では望むべくもない。
源泉は7つあり、そのすべてに浸かるつもりだったが、4つぐらいでめげてしまった。
まだ、酒が残っていて、長湯がきつくなってきたためだ。
登別まできたというのに、温泉を満喫できぬまま終わってしまった。
朝早くチェックアウトして、地獄谷を散策した。
遊歩道が整備されており、鉄泉池まで歩いて行くことができる。
異様な光景である。
戻ろうとすると、大集団がこちらに向かってやってきた。
中国人の団体だった。
今年の中国の春節は、1月27日(金)から2月2(木)までの1週間である。
2月3日(金)も休めば、その後の土日を入れて9連休になる。
おそらく、そのような予定を組んだ人が多かったのだろう。
旅行先の定番だった韓国は中国人旅行客が激減しているという。
THAAD配備による報復措置によるものだが、それだけではないらしい。
観光地がソウルと済州島ぐらいしかない上に、横行する旅行者を狙ったぼったくりが嫌われているという。
その反動で、日本にくる中国人が急増している。
登別駅行きのバスは我々以外はすべて中国人だった。
料金は340円。
小銭のない客に対して、運転手が両替の投入口を指さし、「チェンジね、チェンジね」を連発していた。
我々のことも中国人と思ったらしい。
怒ったような口調で「チェンジね」を繰り返す運転手に、「両替だろ」と言うと、日本人だと分かったらしく苦笑していた。
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