藤子不二雄Aによる自伝的マンガである。
ビックコミックオリジナルの増刊号に連載されている。
この増刊号は年に6回ぐらいしかでないので、単行本になるのも時間がかかる。
今回の10巻は、2008年が3本、2009年5本、2010年1本の計10本が収められている。
そして、巻末特別付録として昭和39年1月1日号の別冊少年サンデーに掲載された「どれい狩り」を「ザ・ハンター」と改題して掲載している。
そうなのだ、「まんが道」以来、この自伝的マンガにはそのころ書いたマンガが掲載される。
それがまた面白い。
さて、この「愛・・・しりそめし頃に・・・」の舞台は、主に、というか「ほとんど」あの有名な椎名町のトキワ荘である。
このトキワ荘に、漫画家を志す若者が集まり、住み、切磋琢磨していく。
こんな嘘のような現実があったということは、もう物語の世界である。
だから、日常の些細なことさえも素晴らしいお話になってしまう。
この物語の進む時間は非常にゆっくりである。
こんなに時間が進まないのもない。
日記をじっくり読んでいるようなのである。
今回の9編で、最も印象深かったのは「テラさんの決断!」である。
トキワ荘の最初からの住人で、新漫画党の総裁である寺田ヒロオは、みんなから頼られ愛されていた。
マンガであっても生活であっても彼はみんなの柱であった。
その寺田ヒロオが、マンガ雑誌が増えることによってマンガが堕落している。
「子供たちに夢を与える漫画」でなければならない、と、寺田ヒロオは心の底から思っている。
で、自分の漫画が堕落した漫画と同じ雑誌に載るのは耐え難く、その作品の掲載をやめるよう編集長に要請する。
しかし、マンガ雑誌は堕落した漫画も必要である。
結局、寺田ヒロオは筆を折る。
師匠である手塚治虫の説得も振り切ってである。
人とは何か、信念とは何か、そして信念を貫く人とは・・・ということを考えさせられる。
また「赤塚不二夫 大ブレーク」も、チャンスとか辛抱とか才能とかについて考えさせられる。
石森章太郎のアシスタントのような漫画家生活をしながら辛抱し、そして1回のチャンスをものにし、大ブレークする。
ずっと、赤塚不二夫を見続けてきた我々は、うれしく思いほっとするのである。
(もうブレークすることは分かっているにもかかわらず)
「空手修行」では、大山倍達らしき(イヤ大山倍達本人である)人物が登場し、そういうこともあったのか、と改めて感心したりした。
近頃は、ビックコミックオリジナル増刊号も手に入るようになったので、最新版も読んではいるのだが、こうして単行本になっているものをじっくり読むのが、やっぱり楽しい。
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ビックコミックオリジナルの増刊号に連載されている。
この増刊号は年に6回ぐらいしかでないので、単行本になるのも時間がかかる。
今回の10巻は、2008年が3本、2009年5本、2010年1本の計10本が収められている。
そして、巻末特別付録として昭和39年1月1日号の別冊少年サンデーに掲載された「どれい狩り」を「ザ・ハンター」と改題して掲載している。
そうなのだ、「まんが道」以来、この自伝的マンガにはそのころ書いたマンガが掲載される。
それがまた面白い。
さて、この「愛・・・しりそめし頃に・・・」の舞台は、主に、というか「ほとんど」あの有名な椎名町のトキワ荘である。
このトキワ荘に、漫画家を志す若者が集まり、住み、切磋琢磨していく。
こんな嘘のような現実があったということは、もう物語の世界である。
だから、日常の些細なことさえも素晴らしいお話になってしまう。
この物語の進む時間は非常にゆっくりである。
こんなに時間が進まないのもない。
日記をじっくり読んでいるようなのである。
今回の9編で、最も印象深かったのは「テラさんの決断!」である。
トキワ荘の最初からの住人で、新漫画党の総裁である寺田ヒロオは、みんなから頼られ愛されていた。
マンガであっても生活であっても彼はみんなの柱であった。
その寺田ヒロオが、マンガ雑誌が増えることによってマンガが堕落している。
「子供たちに夢を与える漫画」でなければならない、と、寺田ヒロオは心の底から思っている。
で、自分の漫画が堕落した漫画と同じ雑誌に載るのは耐え難く、その作品の掲載をやめるよう編集長に要請する。
しかし、マンガ雑誌は堕落した漫画も必要である。
結局、寺田ヒロオは筆を折る。
師匠である手塚治虫の説得も振り切ってである。
人とは何か、信念とは何か、そして信念を貫く人とは・・・ということを考えさせられる。
また「赤塚不二夫 大ブレーク」も、チャンスとか辛抱とか才能とかについて考えさせられる。
石森章太郎のアシスタントのような漫画家生活をしながら辛抱し、そして1回のチャンスをものにし、大ブレークする。
ずっと、赤塚不二夫を見続けてきた我々は、うれしく思いほっとするのである。
(もうブレークすることは分かっているにもかかわらず)
「空手修行」では、大山倍達らしき(イヤ大山倍達本人である)人物が登場し、そういうこともあったのか、と改めて感心したりした。
近頃は、ビックコミックオリジナル増刊号も手に入るようになったので、最新版も読んではいるのだが、こうして単行本になっているものをじっくり読むのが、やっぱり楽しい。
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