読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

薄桜記 <今日は一日薄桜記三昧>

2012-11-25 23:28:30 | 観た、聴いた
NHKのドラマ「薄桜記」は、BSで7月から9月まで全11回放送された。それをDVDに録っていたのだが、なかなか観る機会がなかった。

そうこうしているうちに、今は地上波で放送されている。
地上波でやっているということは『面白い』のだろうと思い、本日午前中から観始めたのである。
まあ、何日かに分けて観ようと最初は思っていた。
しかし、なかなかに面白いし『次回』がやたらと気になるではないか、というわけで、もろもろ予定していたものをすべて取りやめて、今日は一日中「薄桜記」を見ていたのであった。

時代は、江戸時代。第5代将軍の時代。

主人公は丹下典膳(山本耕史)、ヒロインは長尾千春(柴本幸)である。
この二人、偶然桜の木の下で出会い、薦められて結婚。
結婚したその夜、典膳は桜の木の下で出会った人だと知る。

千春にとっては初めての出会いで好きになった人であったから、幸せいっぱいの結婚であったし、夫の丹下典膳は将来有望の旗本。姑との関係も良い。
明るい未来が待っている。

事件の発端は、典膳が旗本としてのキャリアを積む大阪勤番になっていなくなった留守宅で起こる。
千春は、幼馴染で実家(上杉米沢藩の江戸家老:長尾家)に仕える武士に犯されてしまう。

典膳と千春にはあまりにもむごい出来ごとであった。

そして物語は、さらに二人に過酷な人生を送らせていくのである。
一つの救いは、彼らを取り巻く人々が暖かく優しく厳しいことである。

典膳は、一刀流の遣い手で、堀内道場でのちの赤穂藩:堀部安兵衛と知り合い、深い友情で結ばれる。

となると、赤穂浪士の討ち入りに物語は進んでいく。
もちろん、堀部は赤穂藩。丹下典膳は、千春との縁談を勧めたのが吉良上野介、そして千春は吉良上野介の息子を藩主に迎えた上杉米沢藩の出身というようなことから、吉良家の側につくこととなる。

最後はどうなるかは、NHKのホームページやこれから放映されるのを見ていただければいいのだが、つまりは通常考えられているような「ハッピーエンド」にはならない。
もしかしたら、典膳と千春にとってはハッピーエンドだったのかもしれないが・・・

NHKのホームページを見ると、脚本のジェームス三木さんが『この物語には悪人はいない』といったとのこと。

丹下典膳がいろいろな事件に巻き込まれ、通常の視点から見れば「不幸」になっていくのも、他の視点からみれば多くの幸せを得るための犠牲になっているという幸せ、だったりもする。

赤穂も吉良もどちらも幸せや正義を求めた結果、あのような討ち入りになった。
で、どちらも死んだのである。でもそれは正義を発揮し幸せを求めた結果である。

つまり、人間社会というのは理不尽で不条理なのである。
その中で、どう生きていくのか。
そんなことを考えさせれた。

いま、選挙を戦っている人たちに、自分の側から見た幸せや正義をもう一度別の視点で見直していただきたい、という番組関係者からのメッセージなのではないか、だから地上波でも放送しているのではないか、なんて勘ぐったりした。

千春を演じた柴本幸、これまであまり注目をしていなかったのであるが(NHKの風林火山がひどかった)、なかなかやるじゃないと思った。バラエティになどでないで頑張ってほしいものだ。

というわけで、今日は一日薄桜記三昧、であった。
原作は、あの五味康祐。本屋に行くと文庫本があったりする。今度読んでみようか。

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