読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

最愛 真保裕一 小説新潮 連載完結

2006-07-27 22:48:18 | 読んだ
小説新潮4月号から連載され今月号(8月号)で完結した。

著者の作品は、週刊朝日に連載された「繋がれた明日」を読んだだけである。
あと映画「ホワイトアウト」を見た。

さて、この「最愛」は、姉が事件に遭ったという連絡を受けたところあたりから始まる。
主人公「押村悟郎」は医者である。
幼いころに両親をなくし、姉「千賀子」とは別々に育った。
姉は伯父の家、悟郎は伯母の家で育った。しかし、姉はなぜか道をそれていく。

そうして、久しぶりに姉と会ったとき、姉は事件に巻き込まれ頭蓋に銃弾を受け意識不明であった。

なぜ姉は事件に巻き込まれたのか、ずっと音信不通の間、姉はどう生きてきたのか。
悟郎は一人で調査・捜査を行う。
そして、これまでの姉の人生を知り、自分の生き方とリンクさせようとする。

姉が事件の前の日に入籍した「伊吹正典」が行方不明であることを知り、さらに調査を行ううちに、姉の人生と事件の真相を知ることとなる。

事件そのものが解決しても、実は、さらに隠されていた事実が最後に明らかになり、物語を包んでいた「やるせなさ」と悟郎がなぜそんなにも執拗な調査を行っていたのかも明らかになり、更に・・・・。

後味というか読後感は、胸が押しつぶされるようになってしまう。
あまりといえばあまりである。

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