読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

プレゼント 依頼人は死んだ <羽村晶シリーズ>  若竹七海 

2020-06-02 17:32:44 | 読んだ




最初に、NHKのドラマを見た。
羽村晶をシシド・カフカが演じていた。

なんだこれ?
というのが印象であった。
というのは、近頃のドラマというかテレビ番組は、すごく説明が多いのだ(別な言い方では親切が過ぎる)。このドラマは説明が不足なのではないかと思うくらい、観ているこちら側に委ねている部分が多いと思ったからである。

それが、いやだとかは思わなかった。
むしろ、困難でいいんじゃないの、と思っていたのである。

それで、小説に挑んだのである。

そうしたら、小説のほうがまだまだ不親切なのである。

私はどちらかといえば、スイスイ読んでいく、一言一句の意味などそっちのけで、ひたすら「スジ」を追うタイプの読み方である。
その読み方で進めると、特に、読んでいる途中で時間が空くと、あれ?なんでこういう展開になっているんだっけ?
と、思うことが多いのである、

とうとう俺も相当いっちまったナ!
と思ったくらいである。

で、物語の最後は、落語でいえば「考えオチ」のようなので、たまには「エッ、エッ、どうなってるの?」と思うのである。

だからといって、面白くない、とは言えない。
面白いのである。

だって、主人公である羽村晶が女探偵というところが面白いではないか。そして舞い込む事件もナカナカ複雑である。
羽村晶その人も、ナカナカ不思議。
こういう人は、遠くで見ているに限る。
絶対、親しくなってはいけない。

そういう人は物語の主人公足りうるのである。

まだシリーズはあるのだが、こちらの気持ちが落ち着いたら読んでみよう。

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