読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

手塚治虫「怪奇短編集」VS弘兼憲史「人間交差点」

2005-11-19 22:27:39 | 読んだ
どちらもコンビニで買ったもの。
手塚治虫のほうは「講談社」、弘兼憲史のほうは「小学館」である。

なぜ「VS]なのか。

「怪奇短編集」のほうには<維持原石あの恐怖編」とあり、
手塚治虫が描いた人智の及ばぬかいけな世界!!
13編ある。

これらは、ありえない設定、ありえない出来事、が描かれているが、そのなかで登場人物たちはまことに「人間的」なのである。
異常な人々が描かれているのではなく「普通の人」なのである。

一方、弘兼憲史の「人間交差点」<自選集-わかれ道>は、日常の世界、生活が舞台である。そして登場人物(主人公)はごく普通の人・・・のようであるが、わりと異常な経験をしていたりする。
つまり、舞台設定は「普通」なのであるが、そのなかで起こる出来事は「異常」であり、登場人物は一見普通であるが、実は異常という物語なのである。

ということは手塚治虫の怪奇短編集が「人間交差点」であっても、弘兼憲史の人間交差点が「怪奇短編集」であってもかまわないのではないか、なんて思ったりするのである。

いずれにしても「人」というものの普遍的な部分について描いているのではないだろうか、だから面白いのではないか。
特に手塚治虫の短編集についてはずいぶん昔にかかれたものであるが、今でも十分通用する(つまり<わかる>あるいは<同調できる>)ということは、普遍性が高いのではないかと・・・時代のなかで輝くだけでなく時代を超えられる、というのはやっぱり<天才>なのでしょう。
さて、弘兼作品は・・・楽しみですね。
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