読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

お鳥見女房 諸田玲子 新潮文庫

2006-01-09 17:12:07 | 読んだ
主人公「珠世」は御鳥見役・矢島家<八十表五人扶持に十八両の伝馬金をいただく>の女房である。
といっても、夫・伴之助は婿である。
家族は父・久右衛門<隠居>、夫、嫡男・久太郎<御鳥見役見習い>、次男・久之助<剣術修行中>、次女・君江。長女・幸江は百三十石の旗本に嫁ぎ新太郎という5歳の息子がいる。したがって、珠世はお祖母さまなのである。

この矢島家をめぐって事件がおきる。
というのがパターンであるが、いろいろと仕掛がある。

前半の大きな柱は、20年前ひょんなことから、久右衛門と知り合いになった「石塚源太夫」が矢島家を訪ね、子供5人ともども厄介になる。
そこへ、久之助が道場で知り合った沢村多津をつれ、居候させようと帰ってくる。
実は多津の父を源太夫は果し合いで討ち果たしており、多津は源太夫を狙っている。さて・・・

どの物語でも、珠世は気強く・優しく・暖かい。
これが読んでいるこちらをすごく安心させる。どんな事件がおきようとも、珠世がうまーく穏やかに解決してくれるだろう。
その方法とは?
を楽しめばよいのである。

文庫本はまだ一冊しか出ていないが、単行本では3冊まで行っているようである。
文庫本が出る間は、小説新潮で楽しむしかない。
今回は物語の発端を知ることができ、先ずはホッとしているのであった。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 女子大生会計士の事件簿 D... | トップ | 無言歌 赤川次郎 小説新潮連載 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
諸田玲子2 (北上 祐)
2006-01-10 19:03:48
こちらは「幽恋舟」(新潮文庫)から入りました。47歳の旗本。7年前に妻を亡くして、現在は閑職に追いやられている。そんな男が、30も年下の女を助けて…。



かなり書ける人ですね、もっと早くから読んでればよかったと思いました。



次、何にしようかなと思案中です。「お鳥見女房」は文庫がまだ1冊なので。



連休中はこれ1冊でした。時間が欲しい。
返信する
同感 (嘉壽家堂)
2006-01-11 18:20:45
諸田玲子、もっと早くから読んでいればよかったです。

とはいえ、作品や作家と出会うのは、やっぱり何かの「縁」なのでしょう。

今出会ってよかった、と思うことにします。



私は、オール読物、小説新潮の読み残しをいまフォローしているところで、そのあとは、文芸春秋の三国志(宮城谷昌光)と思っています。



とは言うものの、文庫本もそれなりに・・・
返信する

コメントを投稿

読んだ」カテゴリの最新記事