読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

サンライズ出雲殺人事件  西村京太郎 小説新潮

2013-02-18 22:09:18 | 読んだ
震災以降、読書のスランプに陥っていて、毎月購入している「小説新潮」「オール読物」「文芸春秋」をほぼ読まずにいた。
近頃、スランプから徐々に抜け出しつつある。

ということで、先ずは小説新潮を2011年ころまで遡って読み始めた。

大崎善生の「赦しの鬼」は2011年7月号から連載が始まり、少しは読んでいたのだが途中で挫折していたので、それを読もうと思って引っ張り出して来たら、丁度、このサンライズ出雲殺人事件があったので、リハビリがてら読み始めたのだ。

まあ気楽に読めるというのが、西村京太郎のいいところであり、気楽ということは、あまり深く考えなくてもよい、ということでもあり・・・
まっ、兎も角、読み始めたのである。

これは十津川警部シリーズである。
で、例によって、事件は壮大な仕組みである。

ある人物(これがいわゆる犯人ともいえるので、最後まで伏せてある)が伊藤という男に殺人を依頼するところから始まる。

伊藤はプロの殺し屋である。
指定された場所で指定された方法で依頼を果たすが、人違いの殺人であった。

伊藤は、指定されたとおり、寝台特急サンライズ出雲に乗り逃走を図る。車内で殺人依頼の残金を受け取るが、その後、妙な感じがするので、途中下車。
案の定、彼の乗っていた個室が爆破される。

その後、伊藤はまたも殺人依頼を受ける。
2度目は失敗、そして3度目は時の総理大臣の殺人を依頼される。

徐々に事件は大きくなっていく。

キタ、キタ、キタと思う。
近頃の、西村京太郎のこのシリーズは、話がだんだん大きくなっていって「これから、どうなるの?」「どう決着をつけるのか?」という思いが膨らんでいくのである。
そして、なんだか『しぼんだ感じ』で完結してしまうのである。

で、そのあたりが、私としては楽しみなのである。
丁度、嘘つきが大風呂敷を広げて広げて、収拾がつかなくなってしまうのに似ていると思う。

今回も、どんな陰謀があって、どんなドロドロした心の動きがあるのか、誰が大きな黒幕なのか、という疑問について、ごくあっさりとした結末であった。
まあ、予想どおりの期待はずれであった。

でも最後までよくわからなかったのは、この題名である。
サンライズ出雲殺人事件となっているが、サンライズ出雲の車中では誰も死んでいないのである。それに、サンライズ出雲は事件との関係も希薄であった。

で、単行本では題名が「寝台特急『サンライズ出雲』の殺意」に変わっていた。

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