読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

南沙織がいたころ 永井良和 朝日新書

2013-02-11 22:01:49 | 読んだ
2011年9月に第1刷の本である。

著者は、1960年生まれ。
私が1956年生まれであるから、4つ下。
それなのに、こんなに南沙織に夢中だったのか!と驚いた。

南沙織が「17才」でデビューしたのは、1971年である。
ワタシ中学3年生。
この年、小柳ルミ子、天地真理がデビューしている。

そのなかで、南沙織は「異質」と感じた。

小柳ルミ子は正統派の歌手で、アイドルという感じはしなかったし、お姉さんすぎた、というか優等生であった。

天地真理は正統派のアイドル。作られたアイドルであった。

南沙織は正統派のアイドルのようだったが、歌以外のものはしなかった。
それにどこか翳があった。

私は、この3人では天地真理だったなあ。
しかし、次の年には「麻丘めぐみ」がデビュー、それからは、アグネス・チャン、浅田美代子、桜田淳子、山口百恵、岩崎宏美、キャンディーズなどなど、次から次へとアイドルが登場し、目移りばっかりだった。

つまり、私はこの本の著者のように一人をずっと追いかけるということはしなかった。或いはできなかったのである。

で、この本を読むまではある程度南沙織を知っていると思っていたのだけれど、次から次へと驚き、感心したのである。

出生のことやら、沖縄時代のことやら、へえーそうだったのか、と思ってしまった。
また、シンシアという名前も何故シンシアなのかも知らなかった。
それに、デビュー間もないころのスキャンダル、更に引退宣言。

あー、私はこういうことに全然興味がなかったんだなあと思った。

読んでいる途中から、南沙織のCD(iPod)を聞きはじめた。
デビューから概ね4年、16曲目のシングル「人恋しくて」くらいまでなら、なんとかわかる。(途中ちょっとわかないのもあるけれど)

で、改めて南沙織の歌を聞くと、当時あまり思わなかったのだが「すごい」と思った。
ちゃんと「聞かせる」のである。

つまり、私が当時思っていた「南沙織はアイドル」というのは、浅い理解だったんだと、今、この本を読んで思わされたのである。

で、この本は南沙織論であるが、アイドル論であり、沖縄論でもあるし、我々世代の青春論でもある。

南沙織に興味のない人でも、アイドルや1970年代に興味のある人にはぜひおすすめである。

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