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読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

江戸300藩 殿様のその後 中山良昭 朝日新書

2007-08-29 22:42:55 | 読んだ
江戸時代の大名がその後どうなったか?
ということには大いに興味がある。

明治時代になって「華族」となり、まあある程度の家格を保っていたとは思うが、何しろ名前だけの「お殿様」であって、家臣がいるわけでもなく、名と実との間で色々あったのではないか、などと勝手に考えたりしていたのである。

そして、戦争が終わって華族制度が廃止されたあとなどは、なお大変だったんだろうなあ、と同情に近い思いもしていたのである。

「世が世ならば・・・」色々だったろうになあ。

とまあ漠然とずっと前から考えていたのである。
どうも私の興味というのは「物語のその後」にあるようで、何かの物語を読み終えても「このあとはどうなるんだろう?」と思ってしまうのである。

そういう私のリクエストにお応えするように、この本があったのである。

サブタイトルに「明治から平成まで、大名はこう生き抜いた」とある。
しかも幕末の大名家全部の「その後」を調べ書いているのである。

これを読まずして何を読むべきや、と私は世間に問いたい!

さて、こういうものにはいろいろと制約がある。たとえば「大名」とは何をさしていうものなのか、という大命題がある。あるいは石高、藩が位置した旧国や郡の名前など・・・
私はあまり気にしないのだが、ゼッタイにこのあたりを気にする人が存在し、何かとおっしゃるに違いない。
そいうことへの気遣いからスタートしなければならないのである。

で、読後であるが、一言で言えば「期待したほどではない」のである。
このあたりは著者も「はじめに」の中で『おことわり』をしている。

曰く
「本書は日本の近現代史に与えた旧大名家の影響を検証したものである。したがって、旧藩主家、旧華族として何らかの社会的に有意な活動をした方についてのみ記述している。」
「直系が断絶していることが判明している場合にはその旨を記載したので、記載のない方については、ほとんどの場合、家は存続し当主も健在だが、あえて確認・記載するほどの社会的事績が見いだせなかったということと解釈していただきたい」

つまりほとんどの大名家は、いまや市井に埋没してしまったということなのだ。

まあそういう方針であるからして、本書はそういうもので仕方ないが、私の期待・知りたいこととからはかけ離れている。
市井に埋没した大名家の子孫たちは今どのように生きているのか、どんな考えを持っているのか、「世が世ならば」という気持ちは少しくらいあるのか、などなど・・・本当に「卑しい」疑問で申し訳ないのだが・・・こういう疑問には本書は答えていないのである。

ただそれにしても、江戸300藩の大名たちの子孫のその後を垣間見ることだけでもスゴイとは思ったのであった。

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