読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

みなとみらいで捕まえて 鯨統一郎 光文社文庫

2007-08-06 22:24:23 | 読んだ
またしても、鯨統一郎である。
「おもしろい」ということにかけては、今いちばんのお気に入りの作家である。

今回は、訳あって警視庁から神奈川県警に出向してきた警部「半任優里(はんにん・ゆうり)」が主人公である。
その相棒は、神奈川県警の女性刑事「南登野洋子(みなとの・ようこ」である。

この名前からしてすでに「面白いムード」を出しているではないか。

事件は8話。
全て論語の題名がついている。
第1話 利によりて行えば怨み多し
第2話 三十にして立つ

といった具合で、この論語がキーワード、かといえばそうでもなく、なにやら「こじつけ」のようでもあるのだ。

そして概ねこれら事件を解決するのは「めいたんてい」である。
これもややこしくて、横浜中華街にある「酩淡亭(めいたんてい)」の地下にある「明探偵事務所」の117歳の明丹廷(めいたんてい)という探偵(この老人は論語の研究家でもあるという)が論語を語りながら、血を吐きながら、御簾の内側にあるベットの上でなぞを解くのである。

また、殺人事件の被害者たちは「ダイイング・メッセージ」を残すのであるが、それがまた、ややこしい、どうせ残すならもっと分かりやすいものにしたらいいのに、と思う変なメッセージなのである。

しかも台所で「ダイニング・メッセージ」「ダイビング・メッセージ」「ダイイング・マッサージ」など、やたら訳のわからない「メッセージ」がある。

そして、半任警部と南登野刑事との、かみ合わない会話。

真面目に推理小説を読みたい方にはゼッタイにお勧めできない。
「許す」という寛大な心を持った方、ふざけたことがこの上もなく好きな方(私はこの分類に入る)にお勧めである。

但し、私のように二日間の資格試験にこの本を持っていき、読んでいるのは感心できない。
当然のごとく、私は7科目中1科目しか合格点を取れなかったのでした。
(ハハハ・・・)

というわけで、お勧めの小説です。

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