読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

おゆき -東慶寺花だより- 井上ひさし オール読物4月号

2007-06-13 22:24:19 | 読んだ
6年ぶりに再開された、井上ひさしの「東慶寺花だより」である。
「東慶寺」とは鎌倉にある、「駆け込み寺」とか「縁切り寺」と呼ばれている寺である。

従って、このシリーズはこの東慶寺に駆け込む女たちのそれぞれの物語である。、その門前には、トウケイジの御用宿、柏屋、松本屋、仙台屋、が3軒あり、ここに駆け込む女たちの離婚話に関係のある人々が泊まり、寺役所の裁定を待つのである。

3軒のうちの柏屋に信次郎という医者のような居候がいる。この信次郎が物語を進めさせる役目を負っている。
従って、信次郎の視線による物語が展開されるわけである。

さて、今回の「おゆき」は<癪>の症状がでて、本当は円覚寺の医僧・清拙和尚がその手当てに当たらなければならないのだが、あいにく出張をしているということで信次郎が手当てをするのである。

そうすると<癪>の原因は、どうも「妊娠」にあるらしい、ということがわかる。しかし、おゆきは妊娠の原因となる出来事に覚えがない。尼寺に入っているのだから、まったくそのとおりなのである。
さて、本当の原因は?そしてその解決策は?というのがこの物語の骨子である。

もうすでにシリーズは終了していたと、いつのまにか終了していたと思っていたら「待望の再開」だそうで、なんと申し上げていいのやら・・・
以前もこのシリーズは好んで読んでいたので嬉しいのではあるが、なにしろ、井上ひさしである。
次回はいつなのか、まったく検討もつかず、待ち望んでいると待ちぼうけを食わされるので、表面上は冷静に振舞おうとしているのである。

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コメント
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