読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

小説新潮9月号から

2006-08-28 23:25:53 | 読んだ
今月の小説新潮は
-特集-「技あり!時代小説」と「しゃばけワールド図鑑が」メインである。
メインであるが、私としては連載ものをまず読んでしまいたい。

というわけで、連載もののを列記

乙川優三郎 「晩秋」-露の玉垣-

いわゆる定年になった武士のこれからの生き方を考える。
うーん身につまされる。

諸田玲子 「ぎぎゅう」-お鳥見女房-
毎月連載ではないが、楽しみにしているシリーズもの。
いよいよ次男が婿に行く日が近づいて、家族たちは・・・・
いやいやいーんでないかい。事件もあるがそれよりも心の通い合いというか・・・

佐々木譲 「警官の血」

派出所勤務になった清二は、火事のとき怪しい男を見つけ追ったが・・・
清二の長男民雄は警察官になることを決め警察学校に入るが・・・
徐々に謎が深まるとともに、戦後警察の下積みの人びとの生き方、正義とはなんぞや、ということが問いかけられている。

宮部みゆき 「ソロモンの偽証」

いよいよ明子は真相を究明するために活動を始める。
それを母も、元校長も元担任も支えていくこととする。
どのように決着がつくのか、まだまだ続くのか楽しみである。

篠田節子 「仮想儀礼」

戯れにそして金儲けのために始めた宗教法人。
そんな目的も、集まった人びとのパワーに押され、徐々に宗教家としての人格が形成されてくる。
越えても越えてもやってくる苦難をどう乗り切っていくのか。

藤原正彦 「知りすぎた男たち」

日清・日露戦争当時までの日本人には「武士道」の精神があった。
面白い小説なんだけれど、時々見え隠れする「武士道」のおしつけが、ちょいと目障り


小説雑誌に連載されているものを紹介しても、今からでは遅すぎる、ということもあり「なんだかなあ」と思うのであるが、これらの小説は連載で読んでいるときから、文庫になったらまた読もう(単行本でないところが私らしい)とおもっているもので、もし文庫本(単行本でもかまわないが)で見かけたら、お勧めです。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする