テレビのニュースは「ワクチン」一色と言って良い状態になっている。日本ではワクチンの輸入が進まない上に、接種態勢もなかなか整わなかった。入ってきたワクチンも医療従事者が優先だったので、一般の高齢者への案内も遅れた。ようやく4月末頃から接種券が送られつつあるが、調べてみると自治体ごとにやり方がかなり違う。大きな接種会場を作るところ、小さな接種会場を幾つも作るところ、地域の病院での接種が中心のところなどがある。
さらに高齢者をいくつかの段階に分けるところも多い。「75歳以上」(後期高齢者)と「65歳から74歳」(前期高齢者)に分けるところがかなりある。(年齢は2022年3月31日が基準となる。)一方、「65歳以上」に一括して案内を送るところもある。自分の住んでいるところはそっちだったので、5月当初に予約を済ませてあって、もうすぐ1回目の接種の予定。
その予約だが、パソコン、スマホ、電話によるところが多い。しかし、ニュースで見た新潟県上越市では最初から日時と会場を指定して送っているという。そういうのもあるかと思ったが、地方ではその方がいいかもしれない。(地方では家族が車で送迎することが可能だが、大都市では公共交通機関で来るように指示される。行きにくい会場が指定されると困ってしまう。)
その予約が出来ない、スマホもパソコンも使えないという声がいっぱいある。そうなると電話を掛け続けることになるが、全然つながらない。もう諦めたという人もいるらしい。取れた人の中でも、子どもに手伝ってもらった人が多いらしい。現時点ではやむを得ないかと思うが、今後はどうするんだろうか。(子どもに手伝ってもらうというのは、子ども世代とつながりがあるということだから、先にワクチンを接種する意義がある。)そのうち接種も進んで行くだろうが、現在の時点では大量の「ワクチン弱者」が生み出されている。
政権側も危機感を持って、自治体に圧力を掛けているようだ。神奈川県は首相とワクチン接種担当相の選挙区なので、遅れることは許されないという。そうは言っても自治体の能力を超えることは不可能だ。ワクチン確保も重要だが、それ以上に人手や態勢の不備が大きいようだ。政府は東京と大阪に対しては、新規に承認したモデルナ社のワクチンを使って「大規模接種会場」を作って自衛隊が大量に摂取を行うという。24日から始まるが、果たしてスムーズに進むかどうか。それもあるけれど、なんで自衛隊が全面に出てくるのかも不審に思う。
(自衛隊が進める大量摂取の予約画面)
高齢者と言っても、21世紀に働いていた世代ではパソコンやスマホを使わざるを得ない職場が多かった。しかし、それ以上の世代では「機械嫌い」も多くて、銀行のATMの操作も出来ない、交通系ICカードのチャージも出来ないことを「デジタル無能自慢」のように語る人もいる。現役時代は部下にやらせていたんだろう。ニュースを見たら「インターネットは難しい」と言ってる高齢者がいた。インターネットの初期設定をゼロからやるのは確かに大変だけど、スマホでもパソコンでも「デジタルネイティヴ世代」には「難しい」という感覚自体が理解出来ないのではないか。
しかし、加齢に伴って視角も聴覚も衰えていく。触覚も衰えていくのであって、タッチパネルが苦手なのは現実に「画面が動きにくい」という現象があるからだ。スマホは肌の表面にある静電気を感知して作動するが、高齢者になると「乾燥肌」になりやすい。角質層が厚くなって乾きやすいのである。案内の字が見えにくい上に、触っても画面がスムーズに動かない。圧力で作動すると思って、何度も強く押すけどダメ。だから「難しい」と思ってしまう人が出て来るのは当然だろう。
(ファイザーのワクチン)
役所に行くと助けてくれるところもあるようだが、そういうポジティヴな人ばかりではない。ちょっと電話を掛けて、つながらないからそのままにしている人が大量にいると思う。社会的に「孤立」している人は、自ら助けを求めない。また情報リテラシーにも偏りがあることが多く、「注射は怖い」「ワクチンは危ない」と思い込んでいる場合もある。何もしなければワクチンを接種しないままの高齢者が生まれるだろう。どうすればいいのだろうか。当面は予約した人の大量摂取に力を取られる。秋までには衆院選もあるし、自治体の能力を超えるのではないか。
国が中心になって予算を組んで、今から予測して特別の態勢を作らないと高齢者の感染が続くことになりかねない。「孤立」した高齢者と言っても、食べなければいけない。自炊が難しいので、そういう人ほど外食に頼るだろう。皆がマスクを取れるようになったとき、ワクチンを売ってない高齢者だけが感染リスクが高いままになる。福祉の問題として、地道な働きかけをする以外に解決方法はない。また「接種券」が届かない「ホームレス」の人の接種はどうするんだろうか。希望者には接種する道を用意しなければいけないと思う。
さらに高齢者をいくつかの段階に分けるところも多い。「75歳以上」(後期高齢者)と「65歳から74歳」(前期高齢者)に分けるところがかなりある。(年齢は2022年3月31日が基準となる。)一方、「65歳以上」に一括して案内を送るところもある。自分の住んでいるところはそっちだったので、5月当初に予約を済ませてあって、もうすぐ1回目の接種の予定。
その予約だが、パソコン、スマホ、電話によるところが多い。しかし、ニュースで見た新潟県上越市では最初から日時と会場を指定して送っているという。そういうのもあるかと思ったが、地方ではその方がいいかもしれない。(地方では家族が車で送迎することが可能だが、大都市では公共交通機関で来るように指示される。行きにくい会場が指定されると困ってしまう。)
その予約が出来ない、スマホもパソコンも使えないという声がいっぱいある。そうなると電話を掛け続けることになるが、全然つながらない。もう諦めたという人もいるらしい。取れた人の中でも、子どもに手伝ってもらった人が多いらしい。現時点ではやむを得ないかと思うが、今後はどうするんだろうか。(子どもに手伝ってもらうというのは、子ども世代とつながりがあるということだから、先にワクチンを接種する意義がある。)そのうち接種も進んで行くだろうが、現在の時点では大量の「ワクチン弱者」が生み出されている。
政権側も危機感を持って、自治体に圧力を掛けているようだ。神奈川県は首相とワクチン接種担当相の選挙区なので、遅れることは許されないという。そうは言っても自治体の能力を超えることは不可能だ。ワクチン確保も重要だが、それ以上に人手や態勢の不備が大きいようだ。政府は東京と大阪に対しては、新規に承認したモデルナ社のワクチンを使って「大規模接種会場」を作って自衛隊が大量に摂取を行うという。24日から始まるが、果たしてスムーズに進むかどうか。それもあるけれど、なんで自衛隊が全面に出てくるのかも不審に思う。
(自衛隊が進める大量摂取の予約画面)
高齢者と言っても、21世紀に働いていた世代ではパソコンやスマホを使わざるを得ない職場が多かった。しかし、それ以上の世代では「機械嫌い」も多くて、銀行のATMの操作も出来ない、交通系ICカードのチャージも出来ないことを「デジタル無能自慢」のように語る人もいる。現役時代は部下にやらせていたんだろう。ニュースを見たら「インターネットは難しい」と言ってる高齢者がいた。インターネットの初期設定をゼロからやるのは確かに大変だけど、スマホでもパソコンでも「デジタルネイティヴ世代」には「難しい」という感覚自体が理解出来ないのではないか。
しかし、加齢に伴って視角も聴覚も衰えていく。触覚も衰えていくのであって、タッチパネルが苦手なのは現実に「画面が動きにくい」という現象があるからだ。スマホは肌の表面にある静電気を感知して作動するが、高齢者になると「乾燥肌」になりやすい。角質層が厚くなって乾きやすいのである。案内の字が見えにくい上に、触っても画面がスムーズに動かない。圧力で作動すると思って、何度も強く押すけどダメ。だから「難しい」と思ってしまう人が出て来るのは当然だろう。
(ファイザーのワクチン)
役所に行くと助けてくれるところもあるようだが、そういうポジティヴな人ばかりではない。ちょっと電話を掛けて、つながらないからそのままにしている人が大量にいると思う。社会的に「孤立」している人は、自ら助けを求めない。また情報リテラシーにも偏りがあることが多く、「注射は怖い」「ワクチンは危ない」と思い込んでいる場合もある。何もしなければワクチンを接種しないままの高齢者が生まれるだろう。どうすればいいのだろうか。当面は予約した人の大量摂取に力を取られる。秋までには衆院選もあるし、自治体の能力を超えるのではないか。
国が中心になって予算を組んで、今から予測して特別の態勢を作らないと高齢者の感染が続くことになりかねない。「孤立」した高齢者と言っても、食べなければいけない。自炊が難しいので、そういう人ほど外食に頼るだろう。皆がマスクを取れるようになったとき、ワクチンを売ってない高齢者だけが感染リスクが高いままになる。福祉の問題として、地道な働きかけをする以外に解決方法はない。また「接種券」が届かない「ホームレス」の人の接種はどうするんだろうか。希望者には接種する道を用意しなければいけないと思う。