チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

色づいた

2011年11月03日 11時20分46秒 | 日記
公園の木々が色づいてきた
ここのところ温かなのだが
植物は季節がちゃんと分かる
つくづく豪いなあと思う

季節に合わせて生きている
先日来から桜が咲いたと騒いでいるが
昔から櫻って狂い咲きをするのですよね

なんか間違っちゃうらしい
季節の捉え方が
でも不断桜というのがあって
春と秋冬と咲く桜がある

この桜の葉っぱから江戸小紋の型紙が生まれた
葉っぱが型紙になったのではなく
葉っぱの虫食い状態を見た知恵者が
この虫食いの葉を紙に置き上から墨をぬってみたら
まことに面白い柄になり
其れをみやげ物として売りはじめたという

この不断桜のあるところは伊勢の白子神社
お伊勢様に詣でる全国の善男善女は競って買ったであろう

其れがダンダン進化して柿渋で塗り固めた和紙を彫り
其れが裃の柄の型紙となって
今日江戸小紋といわれる極細かい小紋の型紙となった

こういうの日本人の知恵ですよね

さらにすごい知恵は
伊勢といえば紀州藩徳川御三家の一つ
この型紙が徳川幕府を守った

というのは型紙を全国に売り歩く商人は
関所を素通りできどこの藩にも通用する通行手形をもたされた
そこで何をしたかといえば
型紙を売りながら諸藩の動きを調べていたわけ

伊賀は黒子として
型紙商人は表の情報

伊勢の型紙の取材をしたとき
その型紙職人達が情報の交換をして其れを整理する会を
集まって開いたときの食事やその作法
情報の取り方の順序などを書き記したものを見て
徳川幕府の用意周到さに驚かされた

チャコちゃん先生のおバカなところは
こういうときの取材ノートを何処かに紛失してしまっていること

きものに関わる取材より
その裏の話のほうがもっと大きかったことを覚えている
きものの取材と言うことで
色んな影を見せてもらえたのが今になっては貴重

そこに本当の日本があった

いつも虫食いの桜の葉を見るとそのころのことを思い出す
桜の葉の紅葉は美しくて味がある






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