交換用ベルトが到着しましたので、調整を続けます。
〇ゴム・ベルトの交換
新品の相当品に交換しました。
長さの違い。ゴム表面が新しく、喰いつきが良さそう。
外側が旧品、内側が今回入手した新品。やはり伸びていた様です。
交換後は、外れる事が無くなりました。
〇裏蓋を外してみました。
こんな感じです。左上がトーンアーム。右上がモーターです。
サブフレームは、3箇所の金属板とバネで支えられています。
この金属板を調整する事でサブフレームの高さが調整できる様になっています。合理的ですね。
サブフレームのスピンドル受けから出たアース線がぶらりとしています。
分解した時に外れたか?元々外れていたなら、他端子の接触の可能性があり危険なところでした。
取り敢えず、形状的、距離的に金属シャーシの後面にあったグランド端子に挿入しておきました。
トーンアームの出力端子は SMEオリジナルの4ピン特殊プラグでした。
S2 improvedは、一般的なRCAプラグだったのでは?この形状のタイプもある?
ケーブルを交換しようとも思いましたが、ケーブル、配線もSMEの思想が入っていて、線径、線材も考慮されており、それぞれの信号ラインで異なっていたりするそうです。欧州人はちゃんと考えていて無駄な事はしないとか。
ケーブル交換は邪道と言う人もいますので、取り敢えずそのままとしました。
結局、端子磨きだけを行い、元通りに組み直しました。
ついでに、モーター部の写真も撮りました。W-GERMANYとなっています。
〇カートリッジの交換
今までのプレーヤーで使用していたSHURE V15typeⅢに交換しました。
リード線もZOOTの吟醸リードです。1940~60年代WE社製ブラックエナメル&シルク被覆AWG22単線。
このリードは、しっかりと芯のある音で生き生きと再現してくれます。
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端子の磨き上げも行いました。
カートリッジ交換後は、ラテラルバランスの再調整、針圧の再調整を行いました。
針圧は1.2g程度に調整しました。
インサイドフォースキャンセラーは、1.0gに設定。
さらに、オーバーハング、トラッキングエラーの調整もありますが、大きくはズレていない(OH約15mm有り)ものとして、一旦、ここで調整を終わりにして試聴してみます。
トラッキングエラーに関しては、SMEの技術解説によると、最内周6cmと最外周12cmでエラーが0になる様に合わせるとの事だとか?。少し勉強し後日やってみたいと思います。
<音質>
日本製のスタティックな性能を重視した音とは真反対で、実聴感上の音質、つまりダイナミック特性を重視した音です。
音が太く、情報量も多いです。楽器の分離、定位も良いです。ひとつひとつの楽器の音が聴き分けやすいです。
どう表現して良いのか、盤の溝に刻まれた音情報をきちんと音楽として聴かせてくれます。雑味な(耳障りな)音がありません。
柔らかくてふくよかな音です。
きっと、SNが良いのでしょう。音楽を上手く捉えて聴かせてくれます。
ターンテーブルが動きだす時は、ゆっくりと動き出し、ギュギュと軋み音(恐らくサブフレームのバネ音)と共に、徐々に回転あげて行き、サブフレームがブルっと動き、やがて回転が安定します。その間、約10秒くらい。
今にも壊れそうなところが、なんとアンティークで情緒があるのでしょう。
例えが良くないかも知れませんが、まるでプロペラ飛行機のプロペラが回転を始める時の様です。
最近ですが、「タモリ倶楽部」でゼンマイ式のLP用ターンテーブルが登場していた事を思い出しました。
この発想はモーターの電磁波を嫌ったとか。
また、ある人は、レコードを手回しした時が一番良い音がするとか。
ベルトドライブは、その考えに近いかもしれません。
今回、トーレンスTD320MK2に、SME 3009 S2 improved + SHURE V15typeⅢと言った、アナログファンの所謂、定番中の定番の組み合わせが完成しました。
これでアナログ再生マニアの仲間入りに一歩近づきました。
愛着を持って 大切に使って行こうと思います。
今も再生しながら、書いてますが、気が付いた事があります。
綺麗に掃除した筈のレコードなのに、針に塵カスが付きます。これは、トレース性能が良いからなのでしょうかね。