My Audio Life (趣味のオーディオ)

真空管オーディオを中心に、私のオーディオチューンアップについて書いています。最近はPCオーディオにも取り組んでいます。

レコードとCD、やっぱり何か違う。。。

2018-08-26 12:49:43 | CDプレーヤー

REVOX B226の改良が終わり、このところ1週間位はCDばかり聴いていましたが、久しぶりにレコードを聴いてみたら、やはり何かが違います。

レコードを聴く時の盤の掃除や盤に針を落とす儀式、或いはこれから音楽を聴くぞと言った心構えの様なものに依るのかも知れませんが。。。

そこから奏でられる音は、やはり味わい深さと言うか、音の密度、濃さが違います。

例えるなら、CDが発泡酒なら、レコードは麦芽100%のビール。(CD崇拝の方、申し訳けありません)

私のシステムがCDに収められている情報を100%拾い出し切れていないのかも知れませんが、技術的に考えると、CDは通常のCD-DA規格ではサンプリング周波数44.1kHz、量子化(音圧)16bitなので、リニアPCM標本化の定義に従い周波数は22.05kHz、ビット深度は65,536ステップとなり、その間のデータは切り捨てられて録音されているのです。

どうあがいてもその間の捨てられたデータは元の音源では埋める事は出来ないのです。アップサンプリング手法がありますが、それは前後のデータを比較して疑似データで補完しているだけです。

※ハイレゾで録音された音源であれば、サンプリング周波数、量子化ビットが大きくなればなるほど、それはアナログの音に近くなります。音の密度が上がり濃く滑らな音になります。

一方、アナログ音源の再生は、プレーヤーや針の性能に大きく依存します。盤に刻まれた情報量は無限ですので、そこから如何に忠実に沢山の情報を引き出すかになります。そこにオーディオの面白さがあります。

CDに収められた情報は有限ですが、レコードのそれは無限です。確かに周波数が高域になるに従い緩やかに減衰してゆきますが、CDの様に22.05kHzより上の周波数が突然「無」になる事は無いのです。音圧の変化も連続的で滑らかです。 

所詮、22.05kHz以上は人間の耳には聴こえないから要らないじゃないかという考え方も有りますが、脳医学的にはそうでも無いようです。これは、今までも再三書いてますが、ここに書いてあります(アンダーバー文字クリック)。

 

関連書を読んで得た私の浅い知識では、古いアナログ音源をCD化したものは、SN比を向上させるためノイズシェービングの処理を施し、さらにコンプやイコライジング等の処理をしてメリハリをつけているそうです。

ご存じの方は少ないと思いますが、CDには「ターゲットCD」なる物があります。勿論、一般市場には出回っていません。

これはアナログ音源を何も加工しないでそのままデジタル化したディスク(CD)です。

私も試しに購入した1枚を持っていますが、とても聴けたものではありません。

音圧が低く、帯域も狭く、音がスカスカで、メリハリが無くて、つまらない音です。

左が一般的なCD(日本盤)、右がターゲットCD(ドイツ盤/Elektra):ターゲット状の横ラインが入っている事からそう呼ぶらしいです。

参考までに、CDの歴史を遡ってみると、「AAD」や「ADD」「DDD」の表記の有るものがあります。

一番左が音源、真ん中が編集処理したマスター音源、右側が最終的なメディア音源となります。

例えば、アナログ音源をデジタルでリマスター(再編集)すると、「ADD」の表記になります。

「ADD」の場合は、一般的にはマルチトラックのマスター音源からトラック毎に音源(パート)をデジタル化した後に再度ミキシングしていると思われます。


先日のNHKアナザーストーリーをご覧になられた方も多いと思いますが、その番組の中でも、松任谷正隆さんがCD創成期における音造りの苦労話を語られていました。この時期はアナログ機器とデジタル機器が混在していたと思われます。

最近のCDは、演奏される楽器、歌声が直接デジタル録音(ハイレゾ、マルチ)され、それをスタジオ・モニターで調整、確認して元の音源とするので、録音現場の音になります。これをさらにマスタリング等を施しスタジオのモニターから出てくる最終的な音をプロデューサー、アーティストらで確認して市場に出てきますので、プロデューサー、アーティストの意に沿った音を劣化することなく手に入れる事が出来ます。

しかも最近では、万人がどの様な機器、どの様な方法で入手した音源でも良い音、楽しめる音となる様にマスタリングされています。カーオーディオ、スマホ、イヤホン、ストリーミング再生、ダウンロード、CDメディア等。J-POPは特にその傾向が強い様です。

私は、最近録音、発売されたデジタル音源で良いと思ったものは少なく、聴くと高音と低音が強調して有り、ドンシャリ傾向の音になっていて、オーディオの評価を難しくしています。

 

J-POP?の中でもテレサ・テンの「ラスト・コンサート」は音が良いと思います。

私は邦楽のモニターにはこれを使っています。

ラスト・コンサート
←Amazonに移動が出来ます。
ポリドール

特に、開演前の会場のアナウンス~「空港」が始まるところ。会場内の人の話し声や実際の空港での搭乗開始アナウンスが流れ「モスクワ経由パリ行き・・・・」のところがはっきりと聴きとれるか?

演奏が始まってからは、テレサテンの唄声はもちろん、一流ミュージシャンの演奏、Koba(小林靖宏)さんのアコーディオンの艶やかさなど。。

良好なオーディオ環境で聴くと、自分が会場中央の一番良い席にいる様な気分になります。お勧めです。

 

レコードとCDは、その時の気分で楽しめれば良いかな?と思っています。

CDは手軽に聴けるので、どちらかと言うと聴き流す時に聴いています。

気合を入れて聴く時はレコードです。気持ちの高揚、高ぶりも違います。気持ちよく音楽を聴く事が出来ます。

軽い音楽は心地よく、重い音楽は心が引きずり込まれます。

元音源がアナログ盤で存在するものはアナログ・レコードで、デジタル録音したものはCDなどのデジタルで聴くのが基本でしょうかね。

 


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4 コメント

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Unknown (金ちゃん)
2018-08-26 13:23:33
テレサ・テンのラストコンサートの
はじめの部分の空港はリアル感ありますね!
よく聴くのはラストの夜来香は実に上手く歌いますね!
偶に聴くテレサ・テンの歌声には
なにか感ずる物があります。
久しぶりにラストコンサートを聴きました。
返信する
テレサ・テン (ブログ主)
2018-08-26 16:15:15
金ちゃん さん

コメントありがとうございます。

私は台湾赴任の頃に、テレサテンのお墓に何度か行きました。高台の景色の良い所にあります。
https://blog.goo.ne.jp/kontakun_2010/e/82f4546d8407b27cc55a87309e9b4919

彼女の人生を顧みながら聴くと、感慨深いものがあります。目の前で謳っている様で、時には目に涙が、、、。歳ですかね。
私は、どの曲も好きですが「ジェルソミーナの歩いた道」が特に好きです。
「夜来香」「何日君再来」は有名ですね。台湾人もよく歌っていました。
会場からのリクエストに応えて歌う中国語の唄も流石ですね。
返信する
Unknown (nobu)
2018-08-26 22:50:46
>CDは通常のCD-DA規格ではサンプリング周波数44.1kHz、量子化(音圧)16bitでLRch分なので、片ch当た22.05kHz、8bit(256ステップ)となり、

CDは量子化LRchとも16bitですよ。
8bitではありません。
返信する
間違いでした。 (ブログ主)
2018-08-26 23:44:22
nobuさん

早々のご指摘有難うございます。
間違えていました。
正しくは16bitで65,536深度でした。
さらに、周波数の考え方も、リニアPCMが理論上サンプリング周波数の2分の1までの周波数の音を標本化可能であるために22.05kHzでした。
本文も訂正しておきます。
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