「マナー頼み」には限界が

　涼しくなって散歩には都合がいいのですが、毎日歩いていてどうにかならないのかと腹の立つことがあります。歩道を我が物顔に走る自転車と歩きスマホです。自転車は車両ですから本来は車道を走らなければならないのですが、通行可の歩道があることから問題が起きます。現実にはどんな歩道にも自転車があふれています。ストリートウォーカーとして、またある時はドライバーの立場として言わせてもらうと本当に危険極まりないのが自転車で、すれちがうのがやっとの狭い歩道にも遠慮なく入ってきて、決して速度を落とさない自転車が多く、大げさに言うならヒヤリ、ハットの毎日です。

　そもそも歩道を自転車が通行することを（もちろん、一定の条件のもとでのことなのですが）認められたのは昭和４０年代前半に交通戦争と呼ばれた頃に自転車の保護のため緊急避難としてのことなのですが、緊急避難が４０年もそのままになっているというのはおかしなことと言うべきです。自転車と歩行者の事故も年々増えていますが、抜本的な対策もなく自転車に乗る人のマナーに依存しているのが現状です。いろんなところにマナーを促す看板などが見られますが、守っている人はほとんどいませんね。傘をさしての運転などは違反なのに、警察官が注意しているのは見たことすらありません。自転車をクマから守るためというなら、もっと弱い立場の歩行者は誰が守るのですか。

　歩きスマホも同様、しないように気を付けてくださいと呼びかけるだけでこちらも対策はゼロ。中には自転車に乗ってスマホ操作をしている連中もちっとも減りません。大事な用事があるのならともかく（それでもダメですが）歩きながら、自転車に乗りながらいじる必要があるわけがないでしょう。結局、マナー向上を呼び掛けるだけでは何の効果もなく、限界があるということです。馬の耳に念仏で、まだ歩きスマホをしている人たち、歩きスマホはダメヨ、ダメダメ～。