周回を始めると、競輪学校から冬休みで帰ってきている生徒達も混ぜてくださいと練習に入って来た。
現役の国体代表、元チームパーシュート全日本チャンピオン、競輪学校生徒、来期競輪試験を受ける選手、インターハイチャンピオン、に大学生、初老の親父(経歴は誰より上)で400m30周回、20週回、20周回、10周回。
アップの速度がアップじゃない、周回が進むにつれて速度がまし、大学生が切れて行った。
空気抵抗が少ない後ろでもキツイ速度、何とか最後まで我慢したが、メンバーが良いと速度維持も半端じゃない。
この1本で森口の足が一気に止まった。
一番強い森口、格下相手との練習なら楽かと思ったが、速度を上げる機関車役だから疲労が蓄積していたのだ。
洗礼を受けた大学生、まさかアップで切れるとは思って無かったみたい。
聞くと昨日100kmロード練習したんですよと言うが、ふーんーーーーと聞き流した。
その前に基本的な練習が足りてない、走りを見ればすぐにわかる、頑張りなさい。(現役選手がオッサンに負けたらいかんやろ)
2か月前に練習を再開した時、まさかオッサンが、れほど走るようになるとは思っても居なかった青年達。
ひたすら基本練習で弱い部分を補う練習、古臭い練習法に一見みえるが超科学的、理論に元づき自分が学んできた世界のトレーニング学と経験を存分に使って能力を伸ばしていく。
森口は俺が練習してることを知り、自分もお願いしますと来るようになり、一度辞めて訛った身体を戻していくが、時間の問題で一気に強くなるな。
これを見て、植益も練習に参加させて下さいと言い出し、最近よく一緒に練習をするようになり、皆の力が付き始めた。(植益はその効果に驚き)
休憩時間は非常に重要な話をた沢山してる、何故基礎練習が大事なのか、講釈をたれて、行くぞと行く気持ちで練習に入る。
後もう少し、俺の花粉症が始まる前にある程度速力を上げようぜ。