団体追い抜き、何とばらばらな走りを見せる和歌山北高校。
これは3位4位決定戦の走りだが、凄かったのは予選。
まず4分40秒を切れれば良いな、〔監督とコーチの会話〕近畿の予選でも他の近畿勢には勝てないタイムで迎えたインターハイだった。しかしわずか1ヶ月少々、少年達の成長は思ったより早かった。
メンバーは3年生一人以外は1年生の動物園チーム、つい数ヶ月前まで自転車に乗った事が無い、スタートが出来ない、先頭交替が出来ない素人集団。
それがだ、最初の突っ込み、1kmを通過した時、もしかしてと思わせるアナウンス。
2km通過、やばい分解寸前、3kmここまで来れば後先の事考えるな、全開で走れとただ応援のみ。そしてたたき出したタイムは4分35秒、ベスト記録を大幅に更新した。
一瞬間違いでは思わせたが現実のタイム、これも厳しい練習に耐えてきたお陰だ。
団体追い抜を走った事がある人にはわかるだろうが、素人集団が35秒をたたき出す、そんな速さで走るチーム今まで俺は見たことが無い。
しかし3位、4位決定戦では相手の強さに敗れ去った。
基本に忠実では無い走り、課題は多いが進化する速度はそれ以上に早いだろう。時が経ち、機関車が電車になり、新幹線になる日は近い、その為にはもう一人の1年生が要になるだろう。