わたしの『やめて』 京大有志の会声明書 子ども向け訳が好評
京都大学の教員らでつくる「自由と平和のための京大有志の会」が発表した安全保障関連法案(戦争法案)に反対する声明書がSNSなどで拡散する中、子ども向けの訳「わたしの『やめて』」にも「ぼくの気持ちにぴったり」「このまま絵本になりそう」と反響が広がっています。
訳したのは、埼玉県在住の予備校講師、山岡信幸さん(51)です。インターネットで声明を読み、感銘を受けたという山岡さん。「『安保』法制だけでなく、原発問題、特定秘密保護法、アジア外交、教育の保守化など、日本政治の危険な潮流全体を射程に入れた声明だと思います」と語ります。
全文ひらがなで、やさしい言葉に置き換えられた子ども語訳。自身の3人の子ども(8歳、5歳、3歳)を思い浮かべながら訳しました。賛同の声やツイッターなどでは「子ども(園児)も『こども版』を一生懸命読んでいました」「家庭や教室で、たくさん読まれてほしい」などの声が上がっています。
山岡さんは「思わぬ評価ですが、ひとえに原文の格調の高さによるものだと思います。声明書が広く伝わることに少しでもお手伝いできたのなら幸いです」と話しています。
わたしの『やめて』
くにと くにの けんかを せんそうと いいます
せんそうは 「ぼくが ころされないように さきに ころすんだ」
という だれかの いいわけで はじまります
せんそうは ひとごろしの どうぐを うる おみせを もうけさせます
せんそうは はじまると だれにも とめられません
せんそうは はじめるのは かんたんだけど おわるのは むずかしい
せんそうは へいたいさんも おとしよりも こどもも くるしめます
せんそうは てや あしを ちぎり こころも ひきさきます
わたしの こころは わたしのもの
だれかに あやつられたくない
わたしの いのちは わたしのもの
だれかの どうぐに なりたくない
うみが ひろいのは ひとをころす きちを つくるためじゃない
そらが たかいのは ひとをころす ひこうきが とぶためじゃない
げんこつで ひとを きずつけて えらそうに いばっているよりも
こころを はたらかせて きずつけられた ひとを はげましたい
がっこうで まなぶのは ひとろろしの どうぐを つくるためじゃない
がっこうで まなぶのは おかねもうけの ためじゃない
がっこうで まなぶのは だれかの いいなりに なるためじゃない
じぶんや みんなの いのちを だいじにして
いつも すきなことを かんがえたり おはなししたり したい
でも せんそうは それを じゃまするんだ
だから
せんそうを はじめようとする ひとたちに
わたしは おおきなこえで 「やめて」 というんだ
じゆうと へいわの ための きょうだい ゆうしの かい
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月29日付掲載
これは良いですね。
「原文の格調の高さ」と謙遜されていますが、「子ども語」訳のセンスもなかなかのものです。
京都大学の教員らでつくる「自由と平和のための京大有志の会」が発表した安全保障関連法案(戦争法案)に反対する声明書がSNSなどで拡散する中、子ども向けの訳「わたしの『やめて』」にも「ぼくの気持ちにぴったり」「このまま絵本になりそう」と反響が広がっています。
訳したのは、埼玉県在住の予備校講師、山岡信幸さん(51)です。インターネットで声明を読み、感銘を受けたという山岡さん。「『安保』法制だけでなく、原発問題、特定秘密保護法、アジア外交、教育の保守化など、日本政治の危険な潮流全体を射程に入れた声明だと思います」と語ります。
全文ひらがなで、やさしい言葉に置き換えられた子ども語訳。自身の3人の子ども(8歳、5歳、3歳)を思い浮かべながら訳しました。賛同の声やツイッターなどでは「子ども(園児)も『こども版』を一生懸命読んでいました」「家庭や教室で、たくさん読まれてほしい」などの声が上がっています。
山岡さんは「思わぬ評価ですが、ひとえに原文の格調の高さによるものだと思います。声明書が広く伝わることに少しでもお手伝いできたのなら幸いです」と話しています。
わたしの『やめて』
くにと くにの けんかを せんそうと いいます
せんそうは 「ぼくが ころされないように さきに ころすんだ」
という だれかの いいわけで はじまります
せんそうは ひとごろしの どうぐを うる おみせを もうけさせます
せんそうは はじまると だれにも とめられません
せんそうは はじめるのは かんたんだけど おわるのは むずかしい
せんそうは へいたいさんも おとしよりも こどもも くるしめます
せんそうは てや あしを ちぎり こころも ひきさきます
わたしの こころは わたしのもの
だれかに あやつられたくない
わたしの いのちは わたしのもの
だれかの どうぐに なりたくない
うみが ひろいのは ひとをころす きちを つくるためじゃない
そらが たかいのは ひとをころす ひこうきが とぶためじゃない
げんこつで ひとを きずつけて えらそうに いばっているよりも
こころを はたらかせて きずつけられた ひとを はげましたい
がっこうで まなぶのは ひとろろしの どうぐを つくるためじゃない
がっこうで まなぶのは おかねもうけの ためじゃない
がっこうで まなぶのは だれかの いいなりに なるためじゃない
じぶんや みんなの いのちを だいじにして
いつも すきなことを かんがえたり おはなししたり したい
でも せんそうは それを じゃまするんだ
だから
せんそうを はじめようとする ひとたちに
わたしは おおきなこえで 「やめて」 というんだ
じゆうと へいわの ための きょうだい ゆうしの かい
「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月29日付掲載
これは良いですね。
「原文の格調の高さ」と謙遜されていますが、「子ども語」訳のセンスもなかなかのものです。