きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ドイツにみる米軍基地と自治体③ 事故処理は警察・消防、米軍で

2019-07-30 14:19:43 | 平和・憲法・歴史問題について
ドイツにみる米軍基地と自治体③ 事故処理は警察・消防、米軍で
現在米軍の戦闘機F16が配備されているドイツ南西部のシュパングダーレム米空軍基地から約25キロにあるのどかな村、ラウフェルト。
2011年4月1日、ここに米軍の攻撃機A10が墜落しました。住宅地に落ちていれば大惨事でしたが、パイロットがかろうじて回避し、畑に墜落。パイロットは緊急脱出しました。




事故当時のことを、カールヨーゼフ・ユンク村長(59)に聞きました。
ドイツ連邦軍の軍人でもあるユンク氏は、職場から戻り、制服姿のまま自宅で食事を済ませたところでした。事故の知らせを聞き、そのまま現場に走りました。
ドイツの警察や消防が、現場周辺や墜落現場につながる道路を封鎖。米軍の消防隊や憲兵も到着して、ドイツ側と協力して現場処理に当たりました。
シュパングダーレム基地に駐留する第52戦闘航空団の司令官(当時)は「救援活動は、独米協力の模範だった」などと軍の広報に語っています。
ユンク氏によると、封鎖線は二重になっていて、外側はドイツ軍、内側のエリアは米軍が封鎖し、事故機の残骸の回収は米軍が行いました。



ラウフェルトのユンク村長=6月29日(伊藤寿庸撮影)


ラウフェルトに米軍のA10攻撃機が墜落し、消火に当たるドイツの消防隊=2011年4月1日(ラウフェルト消防団提供)

補償も共同して
事故によって、燃料や油圧計のオイルが土壌を汚染。その除去と補償については、ドイツ連邦政府のインフラ環境保護サービス庁、米軍の苦情処理機関が共同で当たりました。土の撤去は、ドイツ企業が行い、費用はドイツと米国が共同で負担しました。
ユンク氏によると、北大西洋条約機構(NATO)の「STANAG3531」という同盟国闇で事故処理をするための統一対応を定めた標準化協定で事故処理がなされたといいます。同協定によると、事故処理は事故機を所有する国が調査を行う権限があります。
「米空軍が調査を行いましたが、捜査段階でドイツの交通安全局の担当官が1人加わった。私は村長として、ドイツの代表から逐次捜査状況を知ることができた」とユンク氏。

日本では占領軍
沖縄県の地位協定調査団とも面談したことのあるユンク氏は「日本の話を聞くと、米軍はパートナーというよりは占領軍のようですね」と感想を漏らします。
「私は村長として、米軍基地に連絡すればいつでも担当者と話ができるし、問題があれば向こうが努力してくれていると感じている」というユンク氏。自治体関係者が事故現場から排除されるような日本の現実を聞いても「理解できなかった」といいます。「もしここで自分が村長として排除されるようなことがあったら、とてもいい気分ではいられませんね」
(独南西部ラウフェルト=伊藤寿庸)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年7月27日付掲載


日本とドイツ。ともにアメリカの同盟国ですが、アメリカに対する立場は全く違う。ドイツは米軍に対して対等の立場でものを言っている。
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ドイツにみる米軍基地と自治体② 常に立ち入り可能

2019-07-29 14:22:53 | 平和・憲法・歴史問題について
ドイツにみる米軍基地と自治体② 常に立ち入り可能

自治体による米軍基地への立ち入り権限はどうなっているのか―。ドイツ南西部ラムシュタイン・ミーゼンバッハ市のクライン副市長が、米軍の発行する通行証を見せてくれました。
そこには「0000-2400 MON-SUN」の文字が並んでいました。昼夜を問わず365日、いつでも基地へ立ち入ることが可能だという意味です。「市長や副市長に通行証が発行されており、公務上、最大4人を同行して基地に入ることができる」(クライン氏)といいます。警察や消防にも同様の通行証が渡されており、もし墓地内の病院で火事があれば「消防はすぐに入ることができる」と話します。



独南西部ラムシュタイン・ミーゼンバッハ市の航空写真を前に説明するマーカス・クライン副市長

国内法適用する
ただ、この立ち入りの権限は、戦争状態になると状況が変わります。米軍の警戒態勢は「アルファ」「ブラボー」「チャーリー」の3段階で、「2001年9月11日の同時多発テロ事件の後は『チャーリー』になって、この通行証でも入れなかった」といいます。
さらに、基地内に小さなレストランを建設する場合でも、米軍側が認可を地元自治体に申請する決まりになっています。最終判断はドイツ政府が行うことになります。
ドイツは1990年に東西統一を実現。93年に北大西洋条約機構(NATO)軍地位協定の補足協定大幅に改定し、駐留軍地にドイツ国内法を適することなどをより明確に規定しました。

戦車でも止める
昨年1月、ポーランド・ドイツ国境で、米軍の戦車を輸送していたトラックの車列をドイツの警察が停止させました。荷台から戦車がはみ出し、重量オーバーしていたからでした。
戦車の輸送は、直接米軍がかかわるものではなく、ポーランドの運送業者が請け負ったものでした。警察は、運転手が法律で定められていた休息をとらず、運転時間を超過していたこと、車列を安全に通行させるために同伴する車両が足りなかったことも法律違反としました。
警察のフェイスブックでこのことを知った人たちは、ドイツ国内の公道で戦車輸送などが行われていることに驚く一方、「勇気をもってよくやった」と警察を称賛しました。
このニュースを報道した新聞(電子版)のコメント欄には、「米軍もドイツの法律を守らなければならない」「だれもが法の下には平等だ」といった意見が書き込まれました。
ドイツでは「そこのけそこのけ戦車が通る」というわけにはいかないことを示したエピソードでした。
(独南西部ラムシュタイン・ミーゼンバッハ-=伊藤寿庸写真も)
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年7月26日付掲載


米軍がドイツ国内を移動する場合も、米軍基地内に小さなレストランを作る場合も、ドイツ国内の法律を厳守しないといけない。
当然と言えばそうですが、日本の場合は守られていない。
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ドイツにみる米軍基地と自治体① 騒音調べ民間空港並みに

2019-07-28 19:45:25 | 平和・憲法・歴史問題について
ドイツにみる米軍基地と自治体① 騒音調べ民間空港並みに

日本では、在日米軍に国内法が適用されず、基地への立ち入り権もありません。事故がおきても捜査権を行使することもできません。これに対してドイツの米軍基地では、騒音規制、地元自治体の立ち入り、事故対応などで日本とは大きな違いがあります。ドイツ南西部にある米空軍基地の地元自治体で、その実態を聞きました。
(ラムシュタイン・ミーゼンバッハ=伊藤寿庸 写真も)




ラムシュタイン基地近くの丘の上に立つと、3000メートル級滑走路を2本見ることができます。ときおり胴体の太い軍用輸送機がゆっくりと離着陸していきます。
同基地には、欧州アフリカ全域をカバーする在欧米空軍・アフリカ米空軍の司令部や、北大西洋条約機構(NATO)の連合空軍司令部が置かれています。近隣の陸軍病院などの軍施設と合わせた巨大な「米軍コミュニティー」は、米国外で最大。5万人の米兵、軍属、家族が居住しています。
地元自治体のラムシュタイン・ミーゼンバッハ市のマーカス・クライン副市長に話を聞きました。
「ラムシュタイン基地は第2次大戦後にドイツを占領したフランス軍が1950年代に建設した後、米軍に引き継がれた。当時は占領下だったので、空港をつくる許認可も、騒音規制も何もなかった」と振り返ります。



基地近くの丘の上から見た在独ラムシュタイン米空軍基地

住宅地を避けて
2000年代にフランクフルト空港にあった米軍基地が閉鎖され、部隊の一部がラムシュタインに移駐することが決まりました。新たな滑走路を増設することになり、「その時初めて、基地の新設と同様の許認可手続きを始めた」と言います。
ドイツ側が民間空港と同じ騒音の影響調査を実施し、飛行ルートが住宅地の上をできるだけ避けられるように滑走路の位置を決めました。建設後も午後10時から翌朝6時までは例外を除き飛行禁止となりました。
当時、民間会社に委託して作成した騒音予測図などが壁に張られた市議会議場で、市の取り組みについて、熱く語ってくれました。
また周辺自治体の代表や希望する市民団体が出席、米軍側も参加する「騒音防止委員会」も置かれています。クライン氏は「定期的に情報交換できる大切な機関」だといいます。マスコミは入れませんが、「議事録が毎回作成され、公開はされないが、市議会などには重要な情報が提供される」。
今後、米軍の「欧州インフラ強化」計画の一環で、英国のミルデンホール米軍基地が閉鎖され、KC135空中給油機15機と700人の部隊が移駐してくる予定です。これについても騒音の調査を行うことになります。

住民利益を意識
ドイツ与党のキリスト教民主同盟(CDU)に所属するクライン氏は、「700人の移駐による経済効果とのバランスを考える」との立場です。
5万人の米軍関係者が地元に落とす金額は、2014年で年間210億ユーロ(1ユーロは現在、約121円)と巨額で、経済的な依存度が高いことも背景にあります。
1988年、ラムシュタイン基地で行われた航空ショーでイタリアの曲技飛行チームの航空機が墜落炎上し、70人の死者と300人以上のけが人がでた大事故がありました。かつては基地に駐留する戦闘機による低空飛行訓練も行われており、市民の反対運動が強まった歴史もあります。
それだけに市が米軍と折衝する場合に、常に住民の利益を意識して当たっていることが感じられました。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年7月25日付掲載


ドイツの場合でも基地の新設はあるのだが、騒音の調査や飛行制限も厳密に行われている。基地の経済効果はあるが、住民利益を犠牲にはできないという。
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今年も秋にはしんぶん赤旗囲碁将棋大会が開催される

2019-07-26 13:13:13 | いろんな取組み
今年も秋にはしんぶん赤旗囲碁将棋大会が開催される

しんぶん赤旗囲碁将棋神戸地区大会
しんぶん赤旗囲碁将棋神戸地区大会 posted by (C)きんちゃん

参議院選挙があって宣伝が遅れていましたが、ポスターの貼りだしも始まっています。
地区大会名開催日会場名
神戸地区大会9月15日(日)午前10時~
受付は9時30分~
神戸市立新長田勤労市民センター
阪神地区大会9月28日(土)午前10時~
受付は9時30分~
西宮市立若竹生活文化会館
東播地区大会9月22日(日)午前10時~
受付は9時30分~
加古川市立勤労会館
西播地区大会9月23日(月・祝)午前10時~
受付は9時30分~
姫路市総合福祉会館
但馬地区大会9月22日(日)午前10時~
受付は9時30分~
五荘コミュニティーセンター
淡路地区大会8月18日(日)午前9時30分~
受付は9時~
松帆活性化センター
兵庫県大会10月13日(日)午前10時~
受付は9時30分~
神戸市立新長田勤労市民センター


各地区大会とも、事前申し込み不要・当日受付です。
参加資格等はありません。どなたでも参加できます。
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新版 資本論の発行 「しんぶん赤旗」日刊紙に全面広告

2019-07-25 20:18:49 | 赤旗記事特集
新版 資本論の発行 「しんぶん赤旗」日刊紙に全面広告
新版資本論 全面広告
新版資本論 全面広告 posted by (C)きんちゃん

「しんぶん赤旗」日刊紙7月25日付に『新版 資本論』が全面広告。
2019年9月より、隔月刊。予約受付中。


新版資本論 宣伝_01
新版資本論 宣伝_01 posted by (C)きんちゃん
見本です。以前の新書版よりかなり大判になります。
その代わり、字が大きくなって見やすい。
13分冊から12分冊になります。

以前の新書版は13冊セットで16,357円(税込み)。今回の新版は12冊セットで21,600円(税別)。

新版資本論 宣伝_02
新版資本論 宣伝_02 posted by (C)きんちゃん
パンフレットで『新版 資本論』の6つの特徴を紹介。
新書版完結から30年。この間の研究の発展、エンゲルスの編集上の問題点も検討して全体にわたる改定。


新版資本論 宣伝_03
新版資本論 宣伝_03 posted by (C)きんちゃん
資本論第1部第1分冊の目次。
「機械設備と大工業」が第1分冊に入っているが、これは宣伝版の誤植のようです。
恐慌論や未来社会論で、エンゲルスの編集の過程の限界を克服している事が大事です。


生まれ変わった『資本論』をあなたも…
コメント (2)
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