きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2016年度予算案焦点⑨ 軍事費 史上初の5兆円超える

2016-01-30 22:02:31 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点⑨ 軍事費 史上初の5兆円超える

2016年度予算案の軍事費(防衛関係費)の総額は、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)、米軍再編関係経費を含めて5兆541億円となりました。補正予算や特別会計を除いた当初予算のみで史上初めて5兆円を突破しました。15年度から740億円(1・5%)増となり、軍事費の増額は4年連続となりました。



新基地建設や米製高額兵器
軍事費増(1・5%)の内訳は、その0・8%分(386億円)が自衛隊自身の軍拡などによるもの。残りの0・7%分(354億円)が米軍再編関係経費増などによるもので、このうち351億円は、名護市辺野古への新基地建設費の増大による増額です。
政府関係者は15年度補正予算案でも米軍再編経費を措置して当初予算の膨張を抑えたと指摘。「米軍再編は止めてはいけないお金だ」と述べ、これを聖域扱いしたことを認めています。
自衛隊自身の軍拡分では、「周辺海空域の安全確保」や「島しょ部に対する攻撃への対応」「弾道ミサイル攻撃への対応」などを口実に、昨年9月に安倍自公政権が強行した戦争法の実行を図るための米国製の高額兵器の導入が主要因です。
垂直離着陸機オスプレイ4機(447億円)、戦闘機F35A(6機1084億円)、早期警戒機E2D(1機260億円)、滞空型無人機グローバルホーク(146億円)など、16年度予算に盛り込まれた主要兵器の調達先のほとんどは米国の軍需産業です。
17年度以降に支払いが生じる新たなツケ払い(新規後年度負担)額は2兆2875億円と依然高水準となっています。



防衛省が作成した2016年度予算資料の表紙

思いやり予算米要求で増額
米軍への思いやり予算は1920億円となり、15年度比21億円増となりました。
日米両政府は昨年12月16日に、16~20年度まで5年間の在日米軍「思いやり予算」に関する新協定で基本合意しました。11~15年度分よりも約130億円増の総額9465億円となる見込みです。
当初、日本政府は戦争法成立や沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設費などの日本側の負担増から、「思いやり予算」の減額を求めていましたが、米側はアジア太平洋地域に戦略の重心を置く「リバランス」(再配置)に伴う在日米軍の増強などを理由に大幅増額を要求。結局、日本側が屈しました。
16年度の軍事費は、軍拡の内容でも新基地建設関係費や「思いやり」予算の増額でも、対米優遇ぶりを鮮明にしたものとなりました。(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月30日付掲載


兵器をつけ払いで購入する(複数年度に渡って支払う)事は状態化していますが、その購入兵器が最新鋭化。
垂直離着陸機オスプレイ、戦闘機F35A、早期警戒機E2D、滞空型無人機グローバルホークなど。
それを紹介した防衛省のパンフレット。新しい車やパソコンを購入する際のパンフレットならワクワクとして見ますが、この手のパンフは見る気がしません。
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2016年度予算案焦点⑧ 地方自治 自治体に民間委託促進迫る

2016-01-29 21:28:43 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点⑧ 地方自治 自治体に民間委託促進迫る

2016年度予算案で地方財政対策は、全国知事会など地方6団体が確保を求めていた一般財源総額(地方税と地方交付税など使途が特定されない財源)を15年度比1307億円(0・2%)増の61兆6792億円としました。東京都など交付税を受け取らない自治体分を除くと、増額分は半分の600億円(0・1%)程度です。
地方税の増収によって、交付税は546億円減の16兆7003億円。交付税の不足分を補う臨時財政対策債は7370億円減の3兆7880億円です。
15年度に創設した「まち・ひと・しごと創生事業費」は引き続き1兆円を計上。うち6000億円の「人口減少等特別対策事業費」は、自治体の取り組みの「成果」に応じた算定部分(1000億円)を大きくする議論もありましたが、条件不利地域や財政力の弱い団体へ配慮を求める地方の声を受け、16年度は現行割合を維持します。




リーマン時の別枠加算廃止
リーマン・ショックを機に設けた「別枠加算」(15年度2300億円)は、「平時モードへの切り替え」という理由で廃止します。
地方創生加速化交付金(15年度補正予算)に続き、新たに地方創生推進交付金(16年度予算案)を設け、1000億円を計上。地方負担を含む事業費は約2000億円で、地方負担分には交付税や地方債などが措置されます。自治体の申請を受け、「先駆的」な事業計画を国が審査・選定。16年度は15年度までの地域再生事業の継続分を優先するため、ハード(建設)事業とソフト事業の配分はほぼ半々の見通しです。自治体が行う子ども医療費助成の拡充など給付事業には使えないとしています。



地方交付税の増額や交付税率の引き上げなどを求めた全国町村長大会=2015年11月、東京都内

算定基準設け削減の仕組み
一方で総務省は、民間委託などで歳出削減した自治体を「トップランナー」として関係事業経費の交付税算定の基準にする仕組みを導入します。この水準を下回る事業については交付税の削減につながります。地方の反発を受け、対象23業務のうち学校給食の調理・運搬や学校用務員事務、本庁舎清掃など16業務に16年度から3~5年かけて適用するとしています。地方税の徴収率の標準は、現在の全国中位の自治体を標準にしていたのを上位3分の1にあたる自治体の徴収率に引き上げるよう5年かけて見直します。自治体リストラと徴収強化を押しつけるものです。
中心都市や中心部への施設・サービス集約化に向け、総務省は「連携中枢都市圏の形成」など「新たな圏域づくり」に5・3億円、国交省は「コンパクトシティの推進」に136億円を計上。周辺地域が切り捨てられる危険性を抱えています。
1月から国の機関で運用開始したマイナンバー(共通番号)制の推進に189・9億円の補助金。うち7割は任意の個人番号カード500万枚分で、計3000万枚を発行する計画。個人情報保護のまともな対策もないまま、地方自治体は税・保険料の徴収強化と社会保障費抑制に駆り立てられます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月29日付掲載


民間委託というと税金の節約で良い様に見えますが…。
本来なら直接雇用で行うべき学校給食や用務員などを民間委託。
結果的には自治体がワーキングプアを育成することに…。
安全・安心にも責任を負えなくなる。
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2016年度予算案焦点⑦ 文教 教職員数は3年連続減

2016-01-27 23:17:20 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点⑦ 文教 教職員数は3年連続減

文教関係予算は4兆651億円(前年比0・2%減)、科学技術振興費を加えると5兆3580億円です。義務教育の教職員定数(給与の3分の1を国庫負担)は、いじめや授業改善など教育課題別に毎年度予算で配置する定数を525人増員しました。しかし、学級担任などの基礎定数は少子化による自然減を除いても差し引き375人減で3年連続の純減です。教職員数の定数改善計画を中止し、加配定数による条件整備すら行わないものです。


全国から寄せられた「ゆきとどいた教育を求める全国署名」の数を掲げる高校生=2015年12月、東京都内

少人数学級の拡大を棚上げ
安倍晋三首相が表明した少人数学級(現在、法律で小学1年生のみ)拡大は最大139億円の国庫負担で可能なのに棚上げされています。
いじめや不登校などへの対応としてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー配置などに8億円増の57億円を計上しました。ソーシャルワーカーは週1日3時間のみで全中学校区配置は3年後と拡充に程遠い状況です。
競争主義に拍車をかける全国学力テストは53億円を盛り込みました。一方、教育内容の統制をねらう道徳の教科化に向け、「親子道徳の日」を設けるなど、家庭教育にまで踏み込もうとしています。
高校無償化を廃止して導入した低所得世帯への奨学給付金は、非課税世帯の第1子を年約4万円から2万円増額。昨年の国会質疑で日本共産党の田村智子参院議員が拡充を求めていたものです。




国立大交付金削り重点配分
国立大学運営費交付金は、1兆945億円と15年度と同額を確保しましたが、若手教員の人件費などに充てていた補助金を88億円削減。国立大学を「卓越した教育研究」など3種類に区分して重点配分する仕組みを導入します。17年度から交付金の約1%分を毎年100億円を削減して財源をつくり、うち50億円を文科省の方針に沿う「機能強化」に取り組む大学に再配分します。残る財源を教育研究活動のための設備投資の新しい補助金に充てます。
私立大学に対する経常費補助は前年比同額3153億円を維持しましたが、国立大学と同様に「経営力の強化」に向けた改革を進める大学に重点配分します。
大学生等の無利子奨学金は新規貸与者6000人増にとどまり、無利子奨学金を受ける要件を満たしているのに、受けられない人(残存適格者)は4万人も残されます。政府は、先進国で当たり前となっている給付型奨学金は検討を表明しています。しかし、まずは所得に応じて返済額が変わる所得連動返済型奨学金制度を17年度から導入予定で、学費負担軽減の切実な声に背を向けた姿勢を示しています。
東京オリンピックは、新国立競技場建設費の4分の1をサッカーくじでまかなうため売り上げの10%(総額880億円、現行5%)を充てられるよう法改定し、ギャンブルを財源に開催しようとしています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月27日付掲載


せめて小学校の小人数学級の拡充は進めて欲しいですね。法律で1年生だけっていうのでは、教員も親御さんも戸惑います。
競争力の論理での、国立大学への交付金配分はやめるべき。
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2016年度予算案焦点の焦点⑥ 社会保障 自然増分を大幅に圧縮

2016-01-26 22:45:06 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案焦点の焦点⑥ 社会保障 自然増分を大幅に圧縮

2016年度予算案の社会保障関係費は、15年度比4412億円増に押しとどめ、31兆9738億円(1・4%増)です。毎年1兆円程度となる自然増分を、3年間で1・5兆円に抑える「骨太方針」を受け、6700億円に抑え込んだ概算要求よりさらに削って4997億円としました。安倍政権になってからの4年間の自然増分は毎年5000億円以下に抑えられています。毎年2200億円の削減を押し付けて「医療崩壊」を招いた小泉「構造改革」路線を上回る社会保障の切り捨てです。



診療報酬削減1%を超える
国民が受ける医療内容を決める診療報酬は、小泉内閣以来10年ぶりに実質1%を超える削減(1・03%減)で、患者追い出しや医師・看護師不足に拍車をかけるものです。
14年度から始まった70~74歳の医療費負担増は、今年度に新たに70歳になる人の窓口負担が1割から2割に引き上げられます。現役世代(65歳未満)の入院給食費の値上げ(1食100円増。月9000円増)が開始され、紹介状なしの大病院受診にも5000円以上の追加負担を求めます。
介護では、15年度から始まった要支援者向けサービスを切り捨てる自治体が広がり、昨年来の利用料の2割負担(一定所得以上)など負担増が高齢者を直撃します。



社会保障の充実などを求めて開かれた集会の参加者=2015年10月22日、東京都千代田区

年金据え置き物価上昇でも
年金は、物価上昇にもかかわらず給付を据え置き、実質削減です。15年度補正予算で低年金者に3万円の臨時給付金を計上していますが、来年4月からの消費税の10%増税など負担増が待ち受けています。
「一億総活躍」の名で女性や高齢者らを安価な労働力として活用するため、介護や保育で受け皿を増やすとしています。介護では2020年代初頭までに50万人分を整備するとして現在の計画に10万人分を上乗せ(補正予算含めて)。しかし、特別養護老人ホームだけでも待機者が52万人おり、必要量にほど遠い内容です。
保育でも、50万人分を整備するとして補正予算を含めて12・8万人分を計上するにとどまり、必要量には遠く及びません。しかも、50万人のうち5万人分は「企業主導型保育事業」(796億円)で実施し、市町村関与のない認可外施設を増やします。具体的基準は今後の検討だとしています。株式会社の全面参入に道を開くもので、認可保育所増設がわきに置かれています。
ひとり親への児童扶養手当の第2子以降を増額(5000円→1万円、第3子以降は3000円→6000円)します。しかし、対象となるひとり親世帯の6割をしめる第1子は対象外で、1万円あった子育て世帯臨時特例給付金を廃止するなど極めて不十分です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月26日付掲載


社会保障の負担増と支給減のメニューは目白押し。
お金に余裕があるから予算をつけるのではなく、国民の健康と生活の維持のために必要だから予算をつけることが社会保障の理念。
それが、まるで逆立ちしている。


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2016年度予算案の焦点⑤ 公共事業 高速道路や港湾を優先

2016-01-25 18:04:57 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2016年度予算案の焦点⑤ 公共事業 高速道路や港湾を優先

2016年度予算案の公共事業関係費は、15年度当初予算比26億円増の5兆9737億円です。4年連続の増加。12年に自民・公明政権が復活して以降、増える傾向にあります。
近年の局地豪雨災害などを踏まえた、「防災・減災」や社会資本の「老朽化」対策の強化をうたう一方で、成長著しいアジア諸国との都市間競争に打ち勝つためとして、新規の大型開発事業や環状道路、空港・港湾機能の強化などを重点化し、増額しています。
大部分が地下トンネル工事となる東京外かく環状道路(練馬―世田谷間)を含む三大都市圏環状道路や空港・港湾などへのアクセス道路を重点整備するとして、15年度比6・0%増の3170億円を計上。建設を急ピッチで進めています。国際コンテナ戦略港湾(京浜港・阪神港)の機能強化に8・8%増の747億円を充てました。




経済効果疑問採算ぎりぎり
整備新幹線は新規着工3区間、北海道新幹線(新函館―札幌間)、北陸新幹線(金沢―敦賀間)、九州新幹線(諫早―長崎間)の前倒し開業を掲げ、15年度と同額の755億円を計上しました。前倒し区間は民主党政権時代に採算が疑問視され、いったん凍結された路線であり、経済効果は国土交通省の試算でも採算ラインぎりぎりです。
都市再生関連では、大都市の「国際競争力」向上をはかる大型開発、再開発事業への支援が目立ちます。民間による都市開発を推進するとして143億円(13%増)を付けました。



東京外かく環状道路(外環道)の工事現場=東京都世田谷区

地域間の格差衰退を加速も
「地域活性化」のための「コンパクトシティ」の推進を掲げ、136億円を計上。「選択と集中」という政策原理のもとで、地方都市圏で住宅、医療・介護、商業施設などを中心部に集約するものですが、地域間格差と衰退を加速させる危険があります。
防災関連では水害・土砂災害などの対策推進に4434億円(3%増)をつけましたが、そのうち、1757億円はダム建設の費用(直轄・補助合計)で、9%も増額しています。
国土交通省は「インフラ老朽化対策等のための戦略的な維持管理・更新の推進」として、4・0%増の4100億円を計上しています。インフラ長寿化計画(行動計画)に基づき、将来にわたって必要なインフラの機能を発揮し続けるための取り組みを推進するとしています。しかし新規事業に比べてインフラの維持・更新などの進ちょく状況は遅れています。
公共事業政策でいま最優先しなければならないのは、国民の命と安全、暮らしを守るために不可欠である耐震化対策や老朽化対策など既存の社会資本の維持管理・更新です。重点化する新規の高速道路や大規模再開発、巨大港湾整備の優先度は高くありません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月23日付掲載


「コンパクトシティ」と言うと聞こえがいいが、過疎地域には住まないで中心地に出てきなさいって事。
でも、今は過疎地域になっているところに住んで、住宅や道路・河川などの管理をすることは、防災の観点からも大事なこと。
単なる人の住まいやコミュニティの問題だけではない。
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