きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

宇宙技術の“光と影” イプシロン~政・財界が狙う軍事転用

2013-09-30 13:43:51 | 科学だいすき
宇宙技術の“光と影” イプシロン~政・財界が狙う軍事転用

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した固体燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げが今月14日、成功しました。国産の固体燃料ロケット打ち上げは7年ぶり。低コスト・高性能化で新しい宇宙輸送の時代を開く挑戦は、大きな喝采をあびました。しかし、日本の宇宙政策は軍事・産業優先へ大きくかじを切っており、手放しでは喜べない状況があります。イプシロンをとりまく宇宙技術の光と影とは―。
仲村秀生

「これまでの日本のロケット開発の集大成として、きれいに飛んで行った」。打ち上げ後の会見で、開発チームの森田泰弘教授は会心の笑みをみせました。
イプシロンは、小惑星探査機「はやぶさ」など数々の探査機・科学衛星を打ち上げてきた世界最高性能の固体燃料ロケット「M(ミュー)5」の後継機です。命題だったコスト削減を達成、これまで数十人で行っていた打ち上げ管制をパソコン2台を数人で操作するだけの“モバイル管制”に変え、ロケット打ち上げに革命をもたらしました。
今回打ち上げた小型天文衛星は太陽系惑星の進化を解明します。2015年には、太陽活動によって地球周辺の宇宙環境が変化し通信障害や人工衛星の故障を引き起こす宇宙嵐の謎を探る「ジオスペース探査衛星」を打ち上げるなど、今後、宇宙のより深い理解に貢献すると期待されます。



打ち上げられた新型固体燃料ロケット「イプシロン」1号機=9月14日、鹿児島県肝付町(JAXA提供)

1週間で発射可
しかし、開発チームの意図とは別に即応性に優れた固体燃料ロケット技術の軍事転用が懸念されます。
自衛隊の準広報紙「朝雲」は6月、防衛技術としてイプシロンを特集。「発射準備1週間でOK」だと着目し、「安全保障面からも大きなメリット」(27日付)と報じました。
「産経」は、固体燃料ロケットが弾道ミサイルの中核的技術だと指摘。日本の核武装の選択の自由という角度から、核兵器国や非友好国に「侮られないための保険」として打ち上げ成功を歓迎(9月21日付ネットニュース「安倍政権考」)。
自民党政務調査会の国防部会は2010年の提言で「日米安保体制下の敵ミサイル基地攻撃能力の保有」のため、固体燃料ロケット岡技術の活用にも言及。「わが国の宇宙科学技術力を総合的に結集」し、巡航ミサイルや小型固体燃料ロケット技術を組み合わせた飛翔体を正確に弾着させる攻撃能力をもつことが必要だとしています。
産業界も安全保障利用の推進要求を強めています。日本航空宇宙工業会は、固体燃料ロケットが得意とする小型偵察衛星の量産・打ち上げを提言しています。背景には、研究開発以外の衛星の政府調達を国際公開調達で行うと定めた、1990年の「日米衛星調達合意」があります。国際公開調達の“抜け道”となる「安全保障」用途の政府需要を増やすことで、着実なもうけを得る狙いです。
日本の宇宙開発利用は、1969年の国会決議で「非軍事」に限定されてきました。しかし2008年、自民・公明・民主の各党が、宇宙開発利用の目的に「安全保障」を掲げた宇宙基本法を強行。さらに12年のJAXA法改悪で「平和の目的に限り」業務を行うという規定を削除。今年1月改定の宇宙基本計画にはJAXAの「安全保障分野における貢献が重要」と明記し、軍事動員の意図をあらわにしました。
4月にはJAXAと防衛省技術研究本部が研究協力協定を結ぶなど、科学者・技術者を無理やり軍事研究に追い立てる動きが加速しています。

平和憲法の国で
災害対応と安全保障を導入目的に掲げた情報収集衛星(軍事スパイ衛星)の撮影画像が東日本大震災の被災状況を含めていっさい公開されないように、宇宙技術が軍事機密のべールに包まれてしまえば、平和利用分野での停滞をもたらすことは明らかです。折しも政府は秘密保護法案の提出を狙っています。
半世紀の日本の宇宙開発史は、科学・技術が、軍事ではなく、天文や惑星探査などの平和的な動機を原動力に発展することを証明しています。平和憲法をもつ日本は「非軍事」に徹するべきです。
(社会部宇宙担当)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月30日付掲載



サイエイスZEROでもイプシロンは取り上げられました。
◆名前の由来~ギリシャ文字(「E(イプシロン)」)を使ったことと、Evolution & Excellence(技術の革新・発展)という思いを込めている
◆固体燃料の燃焼効率を格段にアップ
◆ロケット本体が正確に組みあがっているか、点検をロケット本体に内蔵されたコンピューターでできるようにしたこと。
◆宇宙の敷居を低くすること。
◆衛星の投入軌道への姿勢制御の機能をロケット本体に持たせたこと。
などなど…

大学や高校の研究者、町工場などの技術者などが小型衛星を格安の資金で発射できるようになることはうれしい事です。
軍事ではなく、その方向で発展していってほしいものですね。
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ISD条項批判など次々 多国籍企業の規制必要

2013-09-27 22:27:05 | 国際政治
ISD条項批判など次々 多国籍企業の規制必要

【ニューヨーク=島田峰隆】
第68回国連総会の関連企画として24日、多国籍企業による人権侵害や環境汚染をどう防ぐかをテーマにした討論会が国連本部で開かれました。拘束力のある国際的な規制を実施し、多国籍企業に有利な「投資家対国家紛争(ISD)条項」の見直しや拒否を呼び掛ける声があがりました。



多国籍企業による人権侵害や環境汚染の防止策を議論した討論会=9月24日、ニューヨーク・国連本部(島田峰隆撮影)

国連本部で討論会
討論会は南米のエクアドル政府代表団が主催。国連関係者や中南米諸国の外相、政府関係者など100人以上が参加しました。
そのなかで、米石油大手シェブロンがエクアドル北東部で引き起こした環境汚染の問題が取り上げられました。被害住民団体の提訴に対し、同国の地方裁判所は2011年、同社に賠償金支払いを命じましたが、同社が国際調停機関に訴え、今年2月には支払い必要なしと結論付けられています。
エクアドルのパティニョ外相は「企業の利益追求欲にはきりがない。政府が国民生活を守る責任を果たそうとすると、国際機関の調停で企業が勝つ仕組みになっている」と批判しました。
途上国間の協力を進める政府間組織サウス・センターのマーティン・コー事務局長は「企業の横暴が罪に問われにくい原因は投資協定のISD条項にある。“平等”“調整”といった言葉に惑わされず、この条項を拒否することが大切だ」と述べました。
国連開発計画(UNDP)のラテンアメリカ・カリブ海諸国担当局長のエラルド・ムニョス氏は「多国籍企業は雇用を生み出し、中南米諸国では経済成長や貧困削減に役割を果たしてきた。だからこそ社会に責任を負った行動が求められる」と指摘しました。
多国籍企業の社会的責任に関して討論で注目されたのは、今月13日に国連人権理事会で中南米、アフリカ、アラブ諸国が共同で行った意見表明です。声明は「多国籍企業の活動を規制する法的拘束力のある枠組み」の策定を求めました。
経済社会問題を扱う世界の約200団体が加わる「経済、社会、文化の権利国際ネットワーク」のドミニク・レンフリー氏は「国際レベルで拘束力のある規制は各国政府の主権を企業から取り戻すうえで不可欠だ」として声明を歓迎しました。

投資家対国家紛争(ISD)条項
投資先の制度や施策によって損害を受けたとする外国企業が、その国を相手取って、制度や施策の変更や廃止、損害賠償を求める訴えを起こすことができるという規定。多くの投資協定に盛り込まれており、環太平洋連携協定(TPP)にもこの条項があります。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月27日付掲載


TPPの交渉が本格化する中で、その中の重要な項目であるISD条項で「異議あり」の声が上がっている。それも、国連本部で討論会が開かれている。
面白い情勢ですね。
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米軍展開のフィリピン③ 解決策は平和的交渉

2013-09-24 20:34:31 | 国際政治
米軍展開のフィリピン③ 解決策は平和的交渉

フィリピンは1月、中国を相手に国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所への提訴に踏み切りました。中国が主張する南シナ海のほぼ全域での管轄権が無効なことを確認し、フィリピンの海洋活動に対する妨害活動を中止させるよう求めています。オランダのハーグで進行中の裁判は、判決までに3~4年かかる見通しです。
提訴に踏み切った理由は「平和的な交渉で中国と海洋問題で合意するためのほとんどの政治的・外交的手段を使い果たした」(デルロサリオ外相)。
南シナ海の島しょの領有権を主張している国のうち、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイは東南アジア諸国連合(ASEAN)の構成国。ASEANと中国は2002年に「南シナ海行動宣言(DOC)」を署名し、南シナ海の平和維持に努力すること、領有権・管轄権の紛争は直接の当事国同士の交渉で平和的に解決することに合意しました。



「南シナ海行動規範」策定に向けた初協議後、記者会見する中国の劉振民外務次官(右)とタイのシーハサック外務次官=15日、中国江蘇省蘇州(小林拓也撮影)

公式協議を開く
今月14、15の両日にはDOCを格上げして法的拘束力のある文書にするために、ASEANと中国が初めての公式協議を中国の江蘇省蘇州で開きました。
この協議でフィリピンのガルシア外務次官は「とりわけ武力と強制の不行使という行動宣言の原則を尊重すべきだ」と強調しました。
行動規範の策定協議のように、ASEANとして団結すれば「政治的・外交的手段」はあるのではないか。中国を念頭に置いた米軍増強計画はASEANの努力に否定的な影響を与えるのではないか―。
こうした疑問をカランダン比大統領秘書官に尋ねると、「米軍増強は、あくまでも自国を守る『最低限の信頼できる防衛力』という基本概念に基づくものだ」と強調した上で、こう付け加えました



リム教授(面川誠撮影)

友好関係深める
「南シナ海の問題だけがフィリピンと中国の関係を決めるのではない。他の多くの分野では良好な関係だ。友好関係を深めたいという方針に変わりない」
ASEANについては、「われわれはASEANの中心的役割を重視する。団結したASEANが中国に対応できる。中国もベトナムもフィリピンも、誰も紛争が武力衝突になることを望んでいない。外交的努力を続ける」と言明しました。
中国研究者として知られるアテネオ・デ・マニラ大学のリム教授は、「フィリピンは米国の『アジア回帰』政策を後ろ盾にして、中国に強い態度に出るようになった。岩礁のために戦争も辞さないという誤解を中国にも、フィリピン国民にも与えかねない」と懸念します。
リム氏は「解決策は戦争ではなく平和的交渉だ。外国の軍事力への依存は、交渉に臨む戦略を練る力すら奪ってしまう」と警告しました。
(マニラ=面川誠)(おわり)


「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月20日付掲載


一方で裁判に訴えても、やはり一方では外交交渉をしているんですね。「紛争を戦争に発展させない」というASEANの原則はASEANの国同士の間だけで有効と言われます。しかし、その当事国の一方にASEANの国が含まれている場合は、片方がASEANの国でなくてもASEAN原則を尊重するとも言われます。
リム氏の警告は当然だと思います。
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米軍展開のフィリピン② スービック「再基地化」

2013-09-23 20:07:11 | 国際政治
米軍展開のフィリピン② スービック「再基地化」

米軍ローテーション展開で最も利用価値が高いとされているのが、ルソン島西部で南シナ海に面した元米海軍基地のスービック港です。13日に訪れてみると、2隻の米軍艦船が補給、修繕のため停泊中でした。




補給のためスービック湾に停泊中の米軍艦船=9月13日

9万人が働く場
フィリピン上院は1991年に米軍基地使用の新協定を否決し、スービック湾の米海軍基地が翌年、返還されました。跡地は経済特別区に指定。フィリピン政府は「観光、工業、商業、金融、投資のセンター」を目指す開発を進め、現在、約1500の企業が進出し、9万人のフィリピン労働者が働く経済特区に成長しています。
スービック行政長官のガルシア氏は「軍事施設から経済地区へ転換した成功例だ」と胸を張ります。世界各国からの視察も絶えず、沖縄の視察団も何度か訪れました。
世界的に注目されている経済特区が再び事実上の軍事基地になれば、スービックの「成功」に傷が付くのではないか―。


【米軍基地なくして雇用倍増 フィリピン・スービック米軍基地】2010.7.9記事参照


ガルシア行政長官

ガルシア氏は「そうは考えない。訪問米軍地位協定に基づいて、すでに米軍艦船の寄港はあるが、経済特区は順調に発展してきた。地元の経済界も米軍の寄港が増えれば経済活性化につながると期待している」と言い切りました。
地位協定の規定により、米軍は港湾の利用料をいっさい支払いません。それでもガルシア氏は「米軍からお金は落ちないが、特区の道路、電気、水道などのインフラは米国の支援で整った。米軍の寄港は特区に寄与している」と米軍増強を歓迎する姿勢です。
スービック湾ではフィリピン空軍と海軍の増強計画も進んでいます。湾の深さは大型艦船の停泊が可能で、経済特区内にある国際空港は商業利用が途絶えた状態。南シナ海をにらんだ位置にあるだけに、「国防力の強化」にとって格好の条件が整っています。
フィリピン軍のガルベス報道官は7月29日、現地メディアの記者会見で、「スービックにある既存の施設を考えれば、それほど手間はかからない。さらに戦略的に極めて重要な位置にある。空軍と海軍にとって完壁な地域といえる」と述べました。

米軍増強の一部
元フィリピン国防大学教授のバンライオイ氏は.「米国はアジア重視政策として兵力配置の『再均衡(リバランス)』を進めている。米軍増強によってフィリピンはその一部を成すことになる。両国とも対中国だとは言わないが、中国は真に受けないだろう」と述べ、米中のあつれきがアジア地域に与える悪影響を懸念しています。
(スービック=面川誠 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月19日付掲載


かつては、アキノ大統領(女性の方)の人民革命で手放さざるを得なかった米軍スービック基地。でも、アメリカは喉から手が出るぐらい欲しいのでしょうね。
米艦船の寄港を認めることで、事実上の基地化につながることを危惧します。
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米軍展開のフィリピン① 軍施設ぜんぶ使える

2013-09-22 19:21:45 | 国際政治
米軍展開のフィリピン① 軍施設ぜんぶ使える

フィリピンと米国が、フィリピン全土の軍施設で米軍が展開できるようにする軍事協定をことし8月から協議中です。9月末か10月上旬にも締結の見通し。南シナ海で中国と領有権や管轄権を争う現状を念頭に「最低限の防衛力」確保の一環だとするフィリピン政府に対して、国内からは「全土の米軍基地化は地域の緊張を高める」との批判が出ています。
(マニラ=面川誠)

ガズミン国防相は8月30日、マニラを訪れたヘーゲル米国防長官との共同記者会見で、「われわれはすべてのフィリピン軍施設を(米軍の)利用に提供する」と言明。へーゲル氏は米比相互防衛条約に基づくフィリピン防衛義務を確約しました。



米比合同軍事演習「バリカタン」開幕式で訓練旗を開く両軍司令官=4月5日、マニラ(比国軍提供)

憲法は駐留禁止
両国は1998年に「訪問米軍地位協定」を締結済み。約600人の米軍部隊がミンダナオ島でフィリピン国軍の武装勢力掃討作戦に協力しています。
フィリピン国防省によると、「いま展開中の米軍活動は国内のテロ対策支援に限られているが、増強される米軍は対外的な防衛への協力を目的としている。この協力活動を明記する協定を地位協定の一部として締結する」といいます。
1991年に米軍基地協定の延長を否決して米軍を撤退させたフィリピンの現憲法は、外国軍の基地設置と部隊駐留を禁じています。新協定の名称は「増強ローテーション駐留(IRP)枠組み合意」。ローテーション形式の一時的な駐留なので常駐ではない、というのが政府の立場です。
大統領秘書官のカランダン氏は、米軍によるフィリピン軍訓練の機会が増えるとして、「新協定はフィリピンの国防力を高める」と指摘。南シナ海で中国がフィリピンの管轄権を侵害していると批判する一方で、「中国を封じ込めるというような考えは一切ない」と強調しました。
カランダン氏は「米軍のローテーション展開強化は、東南アジアの他の海洋国家にも利益になる」と言います。その理由として「米国のプレゼンスの強化は、この地域の均衡を取る要素」という点をあげます。
米国はローテーション展開をアジア・太平洋地域で拡大しています。へーゲル国防長官は8月30日の記者会見で、「すでにシンガポールとオーストラリアで行っているように、ここ(フィリピン)でもローテーション展開を増やしたい」と述べました。



カランダン氏(左)、シンブラン氏(右)(面川誠撮影)

数千人に膨らむ
新協定が締結されれば米軍の規模は数千人に膨れ上がると見込まれています。
「非核フィリピン連合」議長でフィリピン大学教授のシンブラン氏は「アフガニスタンやイラクを見れば分かるように、米軍が関与すれば新たな混乱と敵を生み出す」と批判します。
シンブラン氏は、米軍増強はフィリピンの国益とは関係ないとして次のように指摘します。
「南シナ海は米軍の世界展開にとって戦略的価値の高い海域であり、米軍増強は米国の国益のためにやっていることだ。領有権争いは米軍増強に絶好の口実を与えている」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年9月17日付掲載


スービックから米軍を撤退させた経験のあるフィリピン。東南アジアでもとりわけ米軍からの距離を置くようになっているフィリピンとの思いがあったのですが、中国との関係を利用してアメリカが急接近してきているようですね。
「紛争を戦争に発展させない」としているASEANの理念からして、危ない感じですね。
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