きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「維新」政治どうみる Q&A⑧ ダブル選挙での「野合」攻撃

2016-09-30 13:36:07 | 政治・社会問題について
「維新」政治どうみる Q&A⑧ ダブル選挙での「野合」攻撃 「異質の危険」に共同

Q 自民と共産・民進が組むのは野合では?

昨年(2015年)11月の大阪府知事・大阪市長ダブル選挙で、「維新」は「野合」攻撃に狂奔しました。
「国政で対立する自民党と共産党が大阪で手を組むのはおかしい」
しかし、大阪での「反維新」の共同は、国政では異なる政策を持つ政党、団体であっても、大阪で「異質の危険」を持つ「維新政治」はノー、「まともな府政・大阪市政を築く」という一点で力を合わせたものです。その背景には、広範な市民や各党の支持基盤の団体・個人の間に、「維新」への不安と批判が広がっていたことがあります。自民党大阪府連もダブル選挙前には「維新政治を終わらせる」というスローガンを掲げました。
日本共産党大阪府委員会は、党利党略でなく、府民の利益を守る立場から、「反維新」の立場を表明した栗原貴子知事候補、柳本顕大阪市長候補をそれぞれ自主的に支援する態度をとりました。



日本共産党大阪府委員会の地方議員研修会で「大阪の共同の到達点と前途について」報告する柳利昭・党府副委員長=8月25日、大阪市

「野合」とは、「バラバラなものが手を組む」「ひそかに通じる」ことです。それは首相官邸と密談し、公明党とも衆院選小選挙区での取引を進めた「維新」にこそ当てはまります。
大阪における「反維新」の共同の大義と根拠は明瞭であり、さまざまな曲折をはらみながらも、堺市長選挙や大阪市の住民投票を経て、この一点では互いの信頼や共感も生まれており、さらに政策的な一致点を積み上げることは可能でした。
しかし、ダブル選挙では、この大義に立って、「大阪をこう変える」という旗印を鮮明にすること、また「反維新」の共同を住民投票のときのように府民の前に鮮明に打ち出すことはできませんでした。
首相官邸による「維新」へのテコ入れ、「維新」による「野合」批判、そのもとでの自民党大阪府連の「共同」排除などが作用しました。そして、これらを打ち破れなかった大阪の日本共産党と共同勢力の力不足がありました。
堺市長選、住民投票の勝利とダブル選の敗北。大阪ではここから、「さらにしっかりした『反維新』の共同を」と新たな決意のもとでの取り組みが始まっています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月25日付掲載


「維新」の「野合」攻撃を打ち破って、「大阪をこう変える」と対決点を鮮明に打ち出せなかった。「共同」の力の弱さと、共産党の力不足。
新たなたたかいが始まっています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2017年予算概算要求の焦点⑨ 軍事費 陸自改造で戦闘準備

2016-09-29 15:12:31 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2017年予算概算要求の焦点⑨ 軍事費 陸自改造で戦闘準備

軍事費の2017年度概算要求の総額は、5兆1685億円(SACO=沖縄に関する日米特別行動委員会、米軍再編関係経費含む)です。史上初めて5兆円台を突破した16年度当初予算から1143億円(2・3%)の増で、過去最大です。
戦争法=安保法制と新日米ガイドライン(軍事協力の指針)の実行に向け、安倍政権は5年連続の軍拡を狙っています。




新事業目白押し
17年度には、陸上自衛隊で部隊の新編・改編や、新兵器の導入が「目白押し」(陸幕関係者)です。「実際にたたかえる態勢に脱皮する」ための「創隊以来の大改革」が狙われています。
全国の陸自部隊を一元指揮する「陸上総隊」(司令部・朝霞駐屯地=東京都・埼玉県)を創設。海自・空自はすでに日米の司令部一体化が完成しており、「陸上総隊」でも座間駐屯地で日米が“同居”します。
日本版海兵隊となる「水陸機動団」(司令部・相浦駐屯地=長崎県)を約2100人規模で発足させます。中央即応集団は廃止され、第1ヘリ団などの傘下部隊や「水陸機動団」は、「陸上総隊」の傘下に入ります。
これまで陸自の空白地域だった南西諸島には、警備部隊や対艦・対空ミサイル部隊を新たに配置するため、奄美大島に395億円、宮古島に351億円の基地整備費を計上しました。
さらに、第8師団(司令部・北熊本駐屯地=熊本県)と第14旅団(司令部・善通寺駐屯地=香川県)を空輸派兵可能な機動師団・旅団へと改編。無人機などによる偵察・情報収集機能と戦闘機能の融合化を図るため、富士駐屯地に「情報学校」も160人規模で新設します。
航空自衛隊は南西航空混成団を南西航空方面隊(司令部・那覇基地)へ格上げし、三沢基地にはF35ステルス戦闘機の臨時飛行隊を新編します。



「水陸機動団」新編に向け米海兵隊の水陸両用車AAV7と共同訓練する陸上自衛隊員ら=2月、米カリフォルニア州(米軍HPから)

米製高額兵器も
兵器購入でも北朝鮮と中国の「脅威」を口実に、相変わらずの大盤振る舞いです。
探知性能や被探知防止性が向上した新型潜水艦(3000トン)を1隻・760億円で建造します。
SM3ブロック2A(147億円)や、PAC3MSE(1056億円)といった能力向上型の迎撃ミサイル取得費を初計上。また、地上配備型イージスシステムや、「高高度防衛ミサイル(THAAD)」といった新装備の導入も念頭に置いた、ミサイル迎撃体制の調査研究費6000万円も盛り込んでいます。
F35(6機946億円)や垂直離着陸機V22オスプレイ(4機393億円)など、米国製高額兵器の購入も続けます。FMS(有償軍事援助)による米国からの兵器調達は3939億円と、引き続き高水準になっています。
沖縄県名護市辺野古への米軍新基地や、同県東村高江周辺のヘリパッドなどの建設費を含むSACO・米軍再編経費は16年度と同額を仮置きし、年末の予算編成まで調整を続けます。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月24日付掲載


聖域なき改革といって、社会保障などは削るが、軍事費はまさに聖域。
「専守防衛」を脱する兵器も購入しています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2017年予算概算要求の焦点⑧ 地方財政 集約化で切り捨ての危険

2016-09-28 15:33:50 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2017年予算概算要求の焦点⑧ 地方財政 集約化で切り捨ての危険

2017年度予算の概算要求で、地方の一般財源総額(地方税や地方交付税など自治体が自由に使える財源)は、「仮置き」の数字として「16年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」を前提に、16年度比0・7%(4000億円)の微増にとどめ、62・1兆円程度と見込んでいます。交付税は、地方税が増収するとして同4・4%減の16兆円、その不足を補う臨時財政対策債(赤字地方債)は24・5%増の4・7兆円としています。「地方再生」というなら、国の責任で一般財源総額の抜本的増額が必要です。



現行割合を維持
交付税の総額算定の内訳となる「まち・ひと・しごと創生事業費」は、横ばいの1兆円。うち6000億円の「人口減少等特別対策事業費」は、国が自治体の取り組みの「成果」と「必要度」に応じて1対5の算定比率で配分するものです。成果算定の比率を引き上げ、必要度と同じにしようとしていますが、条件不利地域や財政力の弱い団体へ配慮を求める地方の声を受け、17年度は現行割合を維持するとしています。
16年度創設の地方創生推進交付金は、自治体の「先駆的」な事業計画を国が審査・認定するもので、16年度当初比170億円増の1170億円(事業費ベース2340億円)。16年度第2次補正予算案では、地方創生拠点整備交付金として900億円(同1800億円)を計上し、産業振興のための施設整備などハード事業を対象としています。
総務省は「集約化」の名で、中心都市に近隣市町村の施設・サービスを集約する「連携中枢都市圏」など「新たな圏域づくり」に同6・9億円増の12・2億円、国交省は「コンパクトシティ施策の推進」に95億円をそれぞれ求めています。サービス縮小と、周辺地域を切り捨てる危険性を抱えています。
総務省は「行政サービス改革」の名で、自治体の窓ロサービスの集約・外部委託や、人事・給与など庶務業務の集約化のモデル事業に1億円、全国50カ所の行政評価事務所の集約・整備に1・6億円を要求。「公共サービスの産業化」と称して、公共施設の民間企業によるビジネス拠点化に1・3億円を盛り込むなど、公共サービスを縮小し、産業化=営利化を進めます。



安定的財政運営に必要な地方一般財源総額の確保などを求めた全国知事会議=7月28日、福岡市

強まる国民管理
マイナンバー(共通番号)制では、自治体の情報連携の開始を17年7月に控え、番号力ードを国民に押し付けるため、交付事務を担う自治体への補助金などを323・6億円に倍増しています。
クレジット会社や航空会社のポイントを番号カードにまとめ、商店街などで使えるようにするシステムの導入(実証事業は来夏)など、個人情報の一元的把握による国民の管理や、情報漏えいの危険がいっそう強まります。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月23日付掲載


「地方再生」と言いながら、地方交付税は現状維持。コンパクトシティ化や住民サービスの民営化でなく、国土保全の面からも、津々浦々で住民サービスが受けられるようにすべき。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2017年予算概算要求の焦点⑦ 文教 教員増も35人学級進まず

2016-09-27 19:24:41 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2017年予算概算要求の焦点⑦ 文教 教員増も35人学級進まず

2017年度予算の文部科学関係概算要求額は、16年度予算比9・5%増の5兆8266億円。文教予算は7・6%増の4兆3638億円です。
公立小中学校の教職員定数については、10年間で子どもの自然減に伴う減少分4万5400人に対し、教職員の2万9760人増を求める中期見通しを策定。初年度となる17年度は自然減3100人に対し3060人の増を求めています。
発達障害児への「通級による指導」や外国人児童の教育にあたる教職員については、義務標準法を改正して基礎定数化を掲げる一方、35人学級など少人数学級の推進にはなっていません。
愛国心など特定の価値観を国家が押し付ける「道徳の教科化」の18年度実施を狙い、保護者全員に配布するパンフレットや小学校教科書の無償給与などに前年比13億円増の28億円を計上しました。
競争主義に拍車をかける全国学力テストは国語、算数・数学に加え、中学英語の予備調査のため7億円増の60億円を計上。




大学間競争強化
大学入試制度を見直す「高大接続改革」では、センター試験に代わる大学入学希望者学力評価テストの準備に向け、11億円を計上しました。
国立大運営費交付金は、425億円増の1兆1371億円としています。基盤的経費である運営費交付金を再配分し大学問競争を促す「国立大学法人機能強化促進補助金」(60億円)を創設するなど3類型化(①地域のニーズに応える②分野乙との教育研究拠点③世界トップ大学)に向けた重点支援に145億円増の453億円を要求。人文学部の来年度入学定員が1055人の削減となるなど、人文学部等の組織再編を促すものとなっています。
私大の経常費補助3278億円には、産業界との連携に取り組む大学への支援229億円などを盛り込んでいます。私立高校の経常費補助は35億円増の1059億円で、うち144億円はグローバル人材育成など特別補助です。
新たに私立中学の授業料負担軽減のため13億円を計上しました。幼児教育の無償化も予算編成で検討するとしています。



奨学金制度の改善、給付型奨学金の実現などをめざして開かれた院内集会=3月、参院議員会館

世論受け給付型
大学奨学金は、153億円増の1033億円を計上。無利子奨学金は、基準を満たす希望者全員への貸与を目指し、約2万4千人増やすとしています。
返済不要の給付型奨学金は、世論と運動に押されて導入するとしていますが、対象者や給付額などについては予算編成過程で検討するとしています。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月22日付掲載


義務教育の35人学級を支える教員増。でも実態は、増員数と自然減でトントン。これではダメです。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2017年度 予算概算要求の焦点⑥ 社会保障 改悪先取り 負担増・給付減

2016-09-27 19:04:19 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2017年度 予算概算要求の焦点⑥ 社会保障 改悪先取り 負担増・給付減

厚生労働省の2017年度概算要求は、一般会計の総額で31兆1217億円(16年度比8108億円増)です。通常1兆円~8000億円である社会保障の自然増(高齢化などに伴う増)分は、6400億円(前年比200億円減)に絞り込み、年末の予算編成で5000億円程度へ抑え込むことを狙っています。自然増を16年度からの3年間で1・5兆円に抑える安倍政権の方針に基づくものです。


「憲法25条を守れ」「社会保障の拡充を」と声をあげる憲法25条を守る共同集会の参加者たち=5月、東京・日比谷野外音楽堂

事項要求どまり
低年金者への給付金など消費税10%増税分を充てるとしていた「社会保障の拡充」は、増税先送りを口実に、予算編成過程で検討する事項要求にとどまっています。
介護では、要支援者の訪問・通所介護を保険給付から外し、市町村に丸投げする「総合事業」への移行が最終年度となり、サービス切り捨てや負担増が懸念されます。さらに厚労省は、要介護1・2についても保険給付外しを来年の通常国会に提案することを狙っています。急がれる介護人材の処遇改善は、「月額平均1万円相当の改善」を予算編成で検討するとしていますが、他産業より月額賃金が約10万円も低い処遇の改善には程遠いものです。
医療では、916万人が受ける75歳以上の保険料負担の特例軽減を段階的に廃止し、2~10倍もの負担増を強います。具体的中身は予算編成で決めるとしています。住民や自治体が強く求める子どもの医療費無料化も「検討し、年末までに結論を得る」と先送りしています。




年金は実質削減
年金は、1%の物価上昇にもかかわらず、賃金上昇が0%だとして改定せず実質削減です。また年金積立金の株式運用拡大で10兆円の赤字を出す失態を犯しています。年金を物価・賃金の上昇以下に抑える「マクロ経済スライド」は2年連続で発動されませんが、見送った分を後でまとめて実施できる改悪法案を国会に提出中です。年金受給資格期間の短縮(25年から10年へ)を行いますが、年金給付の底上げは棚上げにされ、消費税増税による負担増が狙われています。
保育は、4・6万人分の受け皿を整備するとしています。17年度は「待機児童解消加速化プラン」の最終年ですが、“隠れ待機児童”が待機児童の3倍にものぼり、行き詰まりは明りょうです。
今年から新たに導入した企業主導型保育は、521億円増の1318億円(内閣府計上)にのぼります。保育基準の緩い認可外施設に、認可保育所並みの補助金を注入し、強力に推進する構えです。
保育士や学童保育指導員の処遇改善は事項要求。保育士は2%相当(月額6000円)の引き上げを掲げていますが、全産業平均より約10万円低いため、処遇改善には遠く及びません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年9月21日付掲載


毎年1兆円から8000億円ある社会保障費の自然増を、6400億円に絞り込むなど冷たい政策。
それが、75歳以上の医療費負担を1割から2割に段階的に引き上げるなどに現れます。許されません。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする