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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

小惑星衝突 どう備える プラネタリー・ディフェンス

2025-05-27 20:28:47 | 科学だいすき
小惑星衝突 どう備える プラネタリー・ディフェンス
今年初め、ある小惑星が8年後に地球に衝突するかもしれないというニュースが世界を駆け巡りました。その心配はないとわかりましたが、小惑星衝突から地球を守る「プラネタリー・ディフェンス」の重要性が浮き彫りになりました。そうした中、日米欧の専門家による講演会が東京大学で開かれ、現在の取り組みの状況などを議論しました。(間宮利夫)


東京大学で開かれた公開講演会

専門家取り組み議論
衝突するかもしれないと言われた「2024YR4」は、昨年末、「小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)」の南米チリにある望遠鏡が発見。「国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)」が翌月、1・3%の確率で約8年後に地球に衝突すると発表したのです。
この天体は大きさが推定40~90メートル。IAWNは、大きさ10メートル以上で衝突確率が1%以上と見積もられた場合に発表します。
観測が進むにつれ、衝突確率は一時3・1%まで上昇し、その後急速に低下。IAWNは2月、衝突確率は0・004%で、今後100年間地球に衝突する恐れなしと発表しました。ただ、月への衝突確率が3・8%となっています。



米アリゾナ州にあるバリンジャークレーター。5万年前に小惑星が衝突してできたとみられています(©USGS)

過去に何度も
地球への天体衝突は、過去何度もありました。
約6600万年前、現在のメキシコ・ユカタン半島に大きさ10キロメートル以上の天体が衝突し、恐竜が絶滅したとする説が有力です。
2013年2月にロシア・チェリャビンスク州に落下した天体は大きさが約17メートルあったと推定され、上空で爆発した際の衝撃波で多くの建物を壊し、その破片で人々に重軽傷を負わせました。
1908年6月にロシア・中央シベリアで東京都に匹敵する森林の木がなぎ倒されたツングースカ大爆発は大きさが50~60メートルの天体衝突だったとみられています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の吉川真准教授はじめ、専門家は地球に衝突する小惑星を早く発見することの重要性を強調しました。
ATLASのほか日本スペースガード協会美星スペースガードセンター(岡山県井原市)など世界各地の地上望遠鏡、宇宙望遠鏡の観測で、これまでに約144万個の小惑星が確認されています。
このうち約3万8000個が地球接近小惑星(NEO)で、2008年以降、予測された11個が実際に衝突しています。いずれも1~数メートルと小さく被害の報告はありませんでしたが、発見から衝突までの時間が長くて20時間程度でした。
2024YR4のように60メートル級の小惑星が衝突すれば大きな被害が出る可能性があります。恐竜絶滅の原因となったとされる10キロメートル級の小惑星はすでに発見され、近い将来の衝突はないとみられていますが、未発見が多数と考えられている数十~数百メートル級小惑星の早期発見が大きな課題です。
米航空宇宙局(NASA)は27年にプラネタリー・ディフェンス専用宇宙望遠鏡「NEOサーベイヤー」の打ち上げを計画しています。これまで難しかった、太陽方向から接近する小惑星の発見がしやすくなるといいます。



今年4月6日の小惑星の分布。+が太陽、青い点は内側から水星、金星、地球、火星、木星で赤い点が地球接近小惑星で、灰色がそれ以外の小惑星(©JAXA)


二重小惑星「ディディモス」に衝突直前の探査機の想像図(©NASA)

どんな性質か
地球接近小惑星は一つひとつ大きさや形状、構成する物質や密度などさまざまあり、探査も重要です。
JAXAの小惑星探査機はやぶさ、はやぶさ2などは地球接近小惑星を間近で観測し、その試料を持ち帰ってきました。それにより、その正体がさまざまな大きさの岩石の集合体であることなどを明らかにしました。はやぶさ2は、現在、二つの地球接近小惑星の観測を目指して飛行を続けています。
29年4月に大きさ約340メートルの小惑星「アポフィス」が地球から約3万2000キロメートルのところを通過します。間近で観測する絶好の機会に、欧州宇宙機関(ESA)は探査機ラムセスを打ち上げる計画で、JAXAもそれへの参加を検討しています。

軌道変え防ぐ
発見したとして、衝突を避ける方法はあるでしょうか。
探査機を衝突させて小惑星の軌道を変えるというのがその一つ。NASAは22年、大きさ約780メートルの二重小惑星「ディディモス」に探査機を衝突させる実験を行いました。その周りを回っているもう一方の小惑星の動きから、ディディモスに何らかの変化があったことが確認されました。24年に打ち上げられたESAの小惑星探査機「Hera」が26年に接近し、追観測を行う計画です。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2025年5月25日付掲載


発見したとして、衝突を避ける方法はあるでしょうか。
探査機を衝突させて小惑星の軌道を変えるというのがその一つ。NASAは22年、大きさ約780メートルの二重小惑星「ディディモス」に探査機を衝突させる実験を行いました。その周りを回っているもう一方の小惑星の動きから、ディディモスに何らかの変化があったことが確認されました。24年に打ち上げられたESAの小惑星探査機「Hera」が26年に接近し、追観測を行う計画。
小惑星衝突を避ける取り組みも現実味を帯びていますね。
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メートル条約締結から150年 キログラム・メートル原器 報道公開 産総研

2025-05-23 16:44:47 | 科学だいすき
メートル条約締結から150年 キログラム・メートル原器 報道公開 産総研
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)はこのほど、度量衡の単位を国際的に統一したメートル条約の締結(1875年)から150年を迎えるのを前に、日本国内の「1キログラム」や「1メートル」の基準となっていた「キログラム原器」と「メートル原器」を報道陣向けに公開しました。
1メートルは18世紀末、北極から赤道までの子午線の長さの1000万分の1と定義。同時期に1キログラムも、水1リットルの質量と定義されました。条約締結後に白金イリジウム合金製の原器が作られ、日本には1890年に複製が届きました。



メートル条約締結150年を前に、産業技術総合研究所で公開された日本のキログラム原器(上段右)=12日、茨城県つくば市

技術の進歩で、原器の経年変化が誤差として無視できなくなる中、1メートルの定義は1960年に原器から光の波長を用いた基準に変更。83年からは一定時間に光が進む距離に変わりました。1キログラムの定義も2019年から光が持つエネルギーの最小単位「プランク定数」を使った新定義へと移行し、原器は「基準」としての役割を終えました。
産総研のキログラム原器は、温度や湿度が管理された鉄製金庫内で今も厳重に保管。過去100年間の質量変化は、各国に配布された原器の中で最も小さいといいます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2025年5月20日付掲載


技術の進歩で、原器の経年変化が誤差として無視できなくなる中、1メートルの定義は1960年に原器から光の波長を用いた基準に変更。83年からは一定時間に光が進む距離に変わりました。1キログラムの定義も2019年から光が持つエネルギーの最小単位「プランク定数」を使った新定義へと移行し、原器は「基準」としての役割を終えました。
長さや重さの基準としての役割を終えたとしても、歴史的価値のあるものですね。
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知りたい聞きたい チャットGPTとは?

2023-12-16 07:15:56 | 科学だいすき
知りたい聞きたい チャットGPTとは?


Q チャットGPTとはなんですか?

対話型AIブランドの一つ
 チャットGPTは米・サンフランシスコに本拠地を置く非営利法人オープンAIが開発した対話型AI(人工知能)サービスのブランド名です。GPTはGenerative Pretrained Transformer(ジェネレーティブ プリトレーンド トランスフォーマー)の略で、直訳すると「生成的事前学習変成器」といった意味になります。
利用者が入力した質問に対し、もっともらしい文章で回答します。対話型AIにはチャットGPTのほかグーグル社が開発した「バード」などもあります。対話型AIは生成AIの一種です。生成AIは利用者の指示で文章や画像などを生み出すAIです。ただし、インターネット上にある断片的な情報を収集し、活用するため、必ずしも回答が真実とは限りません。また、個人情報の流出や著作権侵害なども問題になっています。たとえばチャットGPTに「チャットGPT利用の危険性を教えてください」と尋ねたところ、「誤った情報の提供」「個人情報の漏えい」「偏見の増幅」「過度な依存」の4点を指摘。「誤った情報の提供」については「チャットGPTは大量のテキストデータから学習しますが、その情報が常に正確であるとは限りません」と述べていました。
日本を含む主要7力国(G7)は1日、AIシステムについてのデジタル・技術閣僚声明を採択。AIの開発者や利用者らの責務をまとめた12項目の「国際指針」を盛り込みました。生成AIを対象とした国際的ルールが定められたのは初めてのことです。生成AIには課題が山積しており、個人の権利や尊厳を最優先とした国際ルールを策定し、不断に見直すことが欠かせません。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月15日付掲載


利用者が入力した質問に対し、もっともらしい文章で回答します。インターネット上にある断片的な情報を収集し、活用するため、必ずしも回答が真実とは限りません。
チャットGPTに「チャットGPT利用の危険性を教えてください」と尋ねたところ、「誤った情報の提供」「個人情報の漏えい」「偏見の増幅」「過度な依存」の4点を指摘。「誤った情報の提供」については「チャットGPTは大量のテキストデータから学習しますが、その情報が常に正確であるとは限りません」と。
笑ってしまうような事態にも。
活用の国際的なルール作りが必要ですね。
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探査機「SLIM」月面へ 日本初の着陸目指す 来月20日

2023-12-10 07:11:33 | 科学だいすき
探査機「SLIM」月面へ 日本初の着陸目指す 来月20日
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、小型探査機「SLIM(スリム)」の月面着陸を来月20日に実施すると発表しました。成功すれば、日本初。世界でも、米国、ロシア、中国、インドに続き、5番目の月面着陸です。
SLIMは、月の狙った場ピンポイント着陸や、月面着陸に必要な装置の軽量化、月の起源探査などの目的を実証するための小型探査機。9月に鹿児島県の種子島ンターから打ち上げられ、月に向かって飛行を続けています。



月面着陸したSLIMの想像図(JAXA提供)

今月末に月の周回軌道に投入され、日本時間の来年1月20日午前0時ごろから着陸降下を開始し、同0時20分ごろ月面着陸する予定です。目指す着陸地点は月の表側、赤道近くの「神酒(みき)の海」にある小さなクレーターです。従来の月着陸精度である数キロメートル~十数キロメートルに対して誤差100メートル以内の高精度着陸に挑みます。
月上空で撮影した月表面の画像からクレーターを認識し、あらかじめ内蔵された月面地図と照合することで、SLIMは機体の位置と速度を精度よく測定。自動制御しながら目標地点に接近し、危険な岩などを避けて着陸します。
会見したSLIMプロジェクトマネージャの坂井真一郎教授は「着陸には、航空機の何倍もの速度を減速させなければならないなどさまざまな困難が待ち受けているが、なんとしても成功させ、日本ならではの技術で今後のさまざまな宇宙探査に貢献したい」と語りました

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月6日付掲載


今月末に月の周回軌道に投入され、日本時間の来年1月20日午前0時ごろから着陸降下を開始し、同0時20分ごろ月面着陸する予定。
月上空で撮影した月表面の画像からクレーターを認識し、あらかじめ内蔵された月面地図と照合することで、SLIMは機体の位置と速度を精度よく測定。自動制御しながら目標地点に接近し、危険な岩などを避けて着陸。
今までは、「着陸できるところに着陸する」だったが、今度は「着陸したいところに着陸する」に発展。2回に渡る小惑星探査の技術が生かされています。

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「雪玉地球」の証拠あった ヒマラヤ山脈の岩石から海水

2023-08-08 07:01:11 | 科学だいすき
「雪玉地球」の証拠あった ヒマラヤ山脈の岩石から海水
インド科学研究所

7億5000万年前ごろから6億年前ごろにかけて地球全体が凍り付いていたことを示す証拠がヒマラヤ山脈の岩石から見つかったと、インド科学研究所が27日、発表しました。岩石をより詳しく調べれば、よくわかっていない当時の地球の環境などを知る手がかりが得られる可能性があるといいます。
かつて地球は、赤道付近も含めて氷で覆われていた時期が何回かあったとする説があります。「スノーボールアース(雪玉地球)仮説」といい、7億5000万年前ごろから6億年前ごろもそうした時期の一つとされています。
同研究所などのグループは、インド北部のヒマラヤ山脈の広い範囲で、そのころの海で堆積した岩石を採取して詳しく調べ、当時の海水が岩石に閉じ込められているのを発見しました。海水の成分を分析した結果、カルシウムの含有量が長期間少なくなる一方、マグネシウムの含有量が多くなっていたことがわかりました。



上はインド・ヒマラヤ山脈の堆積岩。下は岩石の顕微鏡写真で、小さな泡は堆積岩に閉じ込められた海水(©Prakash Chandra Arya)

海水中のカルシウムは、川の流れを通じて陸から供給されます。同研究所のサジーブ・クリシュナン教授は「この期間中、海へのカルシウムの流入がなかったことを示す」と説明。これらの分析結果は、地球全体が凍り付いていたことを示すと考えています。
研究結果は、国際的な地質学誌『プレカンブリアン・リサーチ』(17日付)に掲載されました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年8月3日付掲載


かつて地球は、赤道付近も含めて氷で覆われていた時期が何回かあったとする説があります。「スノーボールアース(雪玉地球)仮説」といい、7億5000万年前ごろから6億年前ごろもそうした時期の一つ。
同研究所などのグループは、インド北部のヒマラヤ山脈の広い範囲で、そのころの海で堆積した岩石を採取して詳しく調べ、当時の海水が岩石に閉じ込められているのを発見しました。海水の成分を分析した結果、カルシウムの含有量が長期間少なくなる一方、マグネシウムの含有量が多くなっていたことが。
海水中のカルシウムは、川の流れを通じて陸から供給されます。同研究所のサジーブ・クリシュナン教授は「この期間中、海へのカルシウムの流入がなかったことを示す」と説明。これらの分析結果は、地球全体が凍り付いていたことを示すと。
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