けいざい四季報④ 消費税増税 暮らしも経済も破壊
ポイント
①消費税増税前の「駆け込み需要」が予想ほど伸びず。家計の冷え込みが原因
②自動車や住宅に「駆け込み需要」一服感も。反動減、消費者心理低下が心配
③消費税転嫁の妨害が後を絶たず。特別措置法による指導も5カ月に853件
消費税が8%に上がると家計への負担が重くなると考えている人が、「ある程度」を含めて計79%(「朝日」18日付)にのぼります。しかし、安倍晋三内閣は4月1日からの消費税増税を強行しようとしています。
家計冷え込み
企業は「まとめ買いがお得」「ラストチャンス」と「駆け込み需要」をあおっていますが、思惑通りには「駆け込み」が起きていません。
内閣府が10日発表した2013年10~12月期の国内総生産(GDP)に表れた個人消費は、前期比0・4%増にとどまりました。13年1~3月期の0・9%増、4~6月期の0・7%増に比べ低迷しています。自動車、家具などがわずかに伸びたものの、食料品や衣服が振るいませんでした。
「駆け込み需要」が予想されるほど伸びないのは、所得が減り、年金受給額が削られるなど、国民の懐が冷え込んでいるからです。国民の多くが「駆け込み」たくても、その余裕がないのが実情です。
消費税増税を見越した「駆け込み需要」をあおるチラシ
反動減を懸念
内閣府が17日発表した3月の月例経済報告は、「個人消費は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要もあって、増加している」と述べました。一方で、新車販売台数については「増加してきたが、このところ一服感がみられる」、住宅建設についても「消費税引上げに伴う駆け込み需要の反動もあって、増勢が鈍化している」と指摘しました。
不動産経済研究所が19日発表した2月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション発売戸数は、前年同月比24・1%減の2651戸で、13年4月以来10カ月ぶりの前年割れになりました。近畿圏(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)は21・2%減の1668戸。3カ月連続のマイナスでした。
日本自動車工業会は20日、14年度の国内新車販売(軽自動車を含む)が13年度比15・6%減の475万台になるとの見通しを発表。「13年度の後半に発生した駆け込み需要の反動減が予想され、山税率引き上げ後の消費者マインドの低下が懸念される」と指摘しました。
転嫁の妨害も
他方、買いたたきなどの消費税の転嫁を妨害する違法行為が後を絶ちません。
公正取引委員会と中小企業庁の12日の発表によると、消費税転嫁対策特別措置法に基づく事業者への指導が13年10月~14年2月の間に853件。立ち入り検査は302件に上っています。
消費税大増税は国民の暮らしも経済も破壊します。国民の怒りが増税を前にして高まっています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年3月28日付掲載
ポイント
①消費税増税前の「駆け込み需要」が予想ほど伸びず。家計の冷え込みが原因
②自動車や住宅に「駆け込み需要」一服感も。反動減、消費者心理低下が心配
③消費税転嫁の妨害が後を絶たず。特別措置法による指導も5カ月に853件
消費税が8%に上がると家計への負担が重くなると考えている人が、「ある程度」を含めて計79%(「朝日」18日付)にのぼります。しかし、安倍晋三内閣は4月1日からの消費税増税を強行しようとしています。
家計冷え込み
企業は「まとめ買いがお得」「ラストチャンス」と「駆け込み需要」をあおっていますが、思惑通りには「駆け込み」が起きていません。
内閣府が10日発表した2013年10~12月期の国内総生産(GDP)に表れた個人消費は、前期比0・4%増にとどまりました。13年1~3月期の0・9%増、4~6月期の0・7%増に比べ低迷しています。自動車、家具などがわずかに伸びたものの、食料品や衣服が振るいませんでした。
「駆け込み需要」が予想されるほど伸びないのは、所得が減り、年金受給額が削られるなど、国民の懐が冷え込んでいるからです。国民の多くが「駆け込み」たくても、その余裕がないのが実情です。
消費税増税を見越した「駆け込み需要」をあおるチラシ
反動減を懸念
内閣府が17日発表した3月の月例経済報告は、「個人消費は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要もあって、増加している」と述べました。一方で、新車販売台数については「増加してきたが、このところ一服感がみられる」、住宅建設についても「消費税引上げに伴う駆け込み需要の反動もあって、増勢が鈍化している」と指摘しました。
不動産経済研究所が19日発表した2月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション発売戸数は、前年同月比24・1%減の2651戸で、13年4月以来10カ月ぶりの前年割れになりました。近畿圏(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)は21・2%減の1668戸。3カ月連続のマイナスでした。
日本自動車工業会は20日、14年度の国内新車販売(軽自動車を含む)が13年度比15・6%減の475万台になるとの見通しを発表。「13年度の後半に発生した駆け込み需要の反動減が予想され、山税率引き上げ後の消費者マインドの低下が懸念される」と指摘しました。
転嫁の妨害も
他方、買いたたきなどの消費税の転嫁を妨害する違法行為が後を絶ちません。
公正取引委員会と中小企業庁の12日の発表によると、消費税転嫁対策特別措置法に基づく事業者への指導が13年10月~14年2月の間に853件。立ち入り検査は302件に上っています。
消費税大増税は国民の暮らしも経済も破壊します。国民の怒りが増税を前にして高まっています。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年3月28日付掲載