「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。
第13回兵庫県平和美術協会会員展のご案内
平和美術協会会員展 posted by
(C)きんちゃん
と き:2014年3月5日(水)~10日(月)
10時~19時(最終日は17時まで)
ところ:ギャラリーメトロ(高速神戸駅西改札・西南角)
兵庫県平和美術協会は、流派・会派を超えた美術家たちが集まり、『平和の壁に花一輪』を合言葉に、総合的な美術展を開催しています。
第13回会員展にぜひお出かけください。
私も写真を出品します。ぜひ、観に来てください。
主催:兵庫県平和美術協会
連絡先:〒657-0011 神戸市灘区鶴甲4丁目4-14-508、宇山英樹方
電 話:090-3629-3641
メール:yari58hotaka53@song.ocn.ne.jp
※メールアドレスは迷惑メール防止のため@を全角にしていますので、半角に変更して送信してください。
核兵器の残虐性を問う① 人類と共存は不可能~“拘束力ある合意”呼びかけ
【メキシコ国際会議】
13、14の両日、メキシコで開かれた同国政府主催の「第2回核兵器の人道上の影響に関する国際会議」は、核兵器の非人道性、残虐性をさまざまな角度から議論しました。会議の焦点を振り返りました。(メキシコ西部ヌエポバジャルタ=島田峰隆写真も)
今回の会議で最も参加者の感動を呼んだ催しは被爆者の証言セッションです。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中煕巳(てるみ)事務局長ら5人の被爆者が発言しました。
「強大な爆風、熱線、放射線は、そこで生き、働き、学び、遊びに興じていた子どもたちの全てに容赦なく突然襲いかかりました。放射線は、細胞、遺伝情報、免疫機能を破壊しました。原爆は被爆から68年たった今日も被爆者に不安と苦しみを与え続けています」
粉々に吹き飛んだ家屋、焼け死んだ人や大やけどを負った人…。被爆直後の写真が映し出されるなか、会場全体が田中氏の長崎での体験に耳を傾けました。
被爆者の証言セッションで発言する日本被団協の田中煕巳(てるみ)事務局長(右)=2月18日、メキシコ西部ヌエボバジャルタ
市民守れない
多くの政府代表が被爆者の証言に感謝し、連帯を表明しました。アイルランド政府代表は「これらの証言から結論的に言えるのは、どんな政府も核爆発から市民を守ることはできないということだ」と述べ、核兵器は廃絶すべきだと語りました。
“現在ある核兵器の1%足らずを使っただけで、舞い上がった煙雲により前例のない気候変動が発生する。10年にわたり食料生産が20~40%減少し、深刻な飢餓に直面する”(核戦争防止国際医師会議=IPPNW)会議では研究者、国連機関、国際援助団体、非政府組織(NGO)の代表者が次々とこうした報告を行いました。
IPPNWのアラン・ロボック教授は「核攻撃をした国は、攻撃された国が反撃しなくても地球規模の気候変動で滅んでしまう。核兵器の使用は自殺行為だ。いかなる形でも使われてはならない」と訴えました。
146カ国が参加
2日間の議論を踏まえてメキシコ政府が発表した議長総括は「いかなる国家も国際機関も核兵器の爆発の際に短期、長期の人道的援助を行う能力を持たない。そのような能力を培うことは不可能だ」と指摘。国際社会が核兵器の禁止へ「法的拘束力のある文書を通じて新しい国際的な基準や規範に合意すること」を呼び掛け、「その外交交渉を始める時だ」と述べました。
会議参加国は昨年3月の第1回会議(ノルウェー・オスロ)より19カ国多い146カ国。国連加盟国の約76%です。参加国数でも内容でも「核兵器の人道的な影響の認識が世界の人々の心と考えを変えつつある」(議長総括)ことを示した会議となりました。(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月24日付掲載
核兵器が使用されると、多くの人々に無差別な殺りくと健康被害を起こすだけでなく、長期にわたって気候変動を起してしまうのですね。
落日のアベノミクス④ 世界は質の高い雇用へ
低迷する経済状況からどうしたら抜け出すことができるのでしょうか。
世界は今、雇用を重視して持続的成長を実現する道を探求しています。
対照的なドイツ
ドイツは他の欧州主要国とは違い、欧州債務危機の中にあっても中小企業が雇用を伸ばし、低失業率に貢献しています。そのドイツ経済のけん引役が、ミッテルシュタンドと呼ばれる中堅企業です。
このミッテルシュタンドに、経済産業省の2013年版通商白書が注目。その特徴について次のように指摘しました。
「従業員の技術と経験が企業の重要な基盤であり、そのタレント(能力)は一度失ったら二度と手に入らないと考える企業が多く、欧州経済危機の間も、従業員の雇用が維持された」
さらに白書は「価格競争を行わず、製品の品質で勝負することを特徴」としているといいます。コスト引き下げのために正規社員を非正規に置き換え、派遣切りを繰り返し、短期的利益を追求してきた日本の大企業とは対照的です。
国際的な経済協力のもっとも重要な協議体として位置づけられている20力国・地域首脳会議(G20サミット)は13年9月に開かれたロシアのサンクトペテルブルクで「多くの国における、特に若者の、失業および不完全雇用は、引き続き、世界経済が直面する主な課題の一つであり、G20の最優先事項である」とする首脳宣言を採択しました。
宣言は言います。
「生産的でより質の高い雇用を創出することは、強固で持続可能かつ均衡ある成長、貧困削減および社会的一体性の向上を目指す各国の政策の核である」
その上で宣言は「失業、不完全雇用および非正規雇用を持続的に減少させるとともに、より高い雇用水準の確保に貢献する」と強調しました。
最低賃金の引き上げを求めてデモ行進する人たち=2013年7月29日、米ニューヨーク(島田峰隆撮影)
安倍政権は逆行
リーマン・ショック後の世界的金融緩和は、雇用問題に悪影響を及ぼすにいたっています。国際労働機関(ILO)が発表した14年版の「世界雇用動向」は、緩和マネーの大部分が実体経済に向かうより資産市場に流入していると指摘。将来、株式市場や住宅価格のバブルを生み出す危険がある一方、持続可能な仕事の回復にのしかかるリスクを生んでいる、と警鐘を鳴らします。
この報告書は、「雇用と社会的格差是正には、仕事重視のマクロ経済政策が必要」としています。ライダーILO事務局長は、「増加した賃金は需要を生み出す。解決策の重要点は、適切な最低賃金を設定することである」と強調します。
世界的傾向となっている格差の拡大には、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事も深刻な懸念を表明。「極端にゆがんだ所得の分配は、長期にわたって成長のペースと持続可能性を損なう。疎外の経済、ひいては可能性を廃棄した廃虚を生み出す」と断言します。
ところが、世界の流れの逆コースをひた走っているのが安倍晋三内閣です。日銀は、18日の金融政策決定会合で異次元の金融緩和をさらに強化。「世界で一番企業が活動しやすい国」を目指す安倍政権は、大企業のために労働法制の改悪を狙っています。
「廃虚を生み出す」経済政策からの決別が求められています。(おわり)
(この連載は金子豊弘、清水渡が担当しました)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月22日付掲載
世界的には安定した雇用と賃金アップを追及する方向にある。特にドイツは「価格競争を行わず、製品の品質で勝負」という事です。かつて、日本でもそうだったのに、今は価格破壊とまで言われるような競争をしています。
不安定な雇用と低賃金で、いい品質の製品が作れるはずがありません。
落日のアベノミクス③ 国民から奪い、大企業へ
2013年10~12月期の国内総生産(GDP)で企業の設備投資は前期比1・3%の増加にとどまりました。暦年でみると、12年の69兆1649億円から13年の68兆2195億円へ、1・4%の減少です。
設備投資伸びず
企業に対しては、12年4月から復興特別法人税が課せられています。しかし、同時に恒久的な法人税減税が行われ、企業の税負担はむしろ減りました。企業の税負担が減少したにもかかわらず、設備投資の拡大には結びついていません。
今、大企業は大もうけをあげていますoSMBC日興証券のまとめによると、東証1部上場企業の13年4~12月期の純利益の合計額は、リーマン・ショック前の07年4~12月期を上回りました。円安・株高を背景に輸出関連企業を中心に業績が回復したからです。
一方、この1年で労働者の状況はさらに悪化しました。労働力調査詳細集計によると、13年の雇用者数は調査開始以来、最多となりました。しかし、正規雇用労働者は46万人減少し、非正規雇用労働者が93万人増加したのが実態です。正規雇用1人を解雇して、非正規雇用2人と置き換えた計算になります。
毎月勤労統計調査によると、13年平均の月額現金給与総額は31万4054円で前年より73円減少し、1990年の調査開始以来、最低額となりました。
安倍晋三政権は、「企業が最も活動しやすい国を目指す」としています。「大企業がもうかれば、その利益が国民にしたたり落ちる」というトリクルダウンの考え方に基づくものです。しかし、この考え方で進めてきたアベノミクスの1年で、確かに大企業はもうけを拡大しました。しかし、正規雇用が非正規雇用に置き換えられ、賃金も下落した1年だったのです。
その上、安倍政権は、復興特別法人税の廃止時期を当初の15年度末から14年度末へ1年繰り上げることを決定しました。大企業にとっては1兆円の負担減です。一方で4月からは消費税率の8%への引き上げを強行しようとしています。8兆円の大増税です。アベノミクスは、トリクルダウンどころか逆に、国民の懐から所得を奪い、大企業にばら撒くというものです。
職場に向かう労働者=東京都内
「好循環」いうが
1月24日に始まった通常国会の冒頭、安倍首相は施政方針演説で「企業の収益を、雇用の拡大や所得の上昇につなげる。それが、消費の増加を通じて、更なる景気回復につながる」と「経済の好循環」の実現を強調。さらに「規制改革を始め成長戦略を進化」させるとしています。
成長戦略の目玉である「雇用改革」は、労働者派遣を無制限に拡大し、「みなし残業代」以上の残業をタダ働きにする裁量労働制の対象労働者の拡大などを内容としています。また、勤務地や職務、労働時間を限定する一方、通常の正社員よりも低賃金で、解雇しやすい「限定正社員」制度の導入も狙われています。
労働運動総合研究所の試算では、これらの「雇用改革」が実施されたとすれば、労働者の貨金は1年で41兆9000億円も減少します。減少額は日本のGDPの約9%に相当します。これだけの額が国民から奪われれば、生活の困窮はますますひどくなり、景気の落ち込みは日本経済に深刻な影響を与えることは間違いありません。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月21日付掲載
使い古された「トリクルダウン」の経済理論は、消費税増税を前に誰の目にもウソだとわかりつつあります。
また、「自由な働き方」ともてはやされた、裁量労働制や限定正社員制度などは、自由とは名ばかりで、労働強化を推し進めるものとなっています。
落日のアベノミクス② 円安でも増えない輸出
2013年10~12月期の国内総生産(GDP)では輸出の弱さが目立ちました。実質GDPの内外需別の寄与度でみると、内需がプラス0・8%だったのに対し、財貨・サービスの純輸出はマイナス0・5%でした。
純輸出がマイナスになったのは輸出が伸びず、輸入が増加したからです。10~12月期の輸出が実質前期比0・4%増にとどまったのに対し、輸入は同3・5%増でした。
金融緩和したが
安倍晋三政権は「アベノミクス」の一環として「異次元の金融緩和」を推進。その影響で為替相場の円安が加速しました。一般的に円安になれば、日本からの輸出が有利になるとされています。
しかし、円安の進行にもかかわらず日本からの輸出量は増えませんでした。財務省の貿易統計によると、13年は輸出額こそ69兆7877億円と12年比9・5%増となりましたが、輸出の量を示す輸出数量指数は前年比1・5%減でした。
円安でも輸出が増えないことについてみずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは「日本の輸出低迷・貿易赤字拡大は転換に」とするリポートで「自動車を中心とした海外生産比率の上昇、IT(情報技術)分野で日本メーカーの競争力低下といった構造問題もある」と指摘しています。
輸出量が減少しても大企業は大もうけをあげています。トヨタ自動車は輸出を12年の194万5688台から、13年は189万9648台へと4万6040台も減少させました。それにもかかわらず、13年4~12月期の連結決算で、本業のもうけを示す営業利益は前年同期の約2・3倍となる1兆8559億円でした。
輸出量を減らしながら大もうけをあげられるのには二つの要因があります。その一つは、円安の進行です。輸出を行った販売代金をドルで受け取り、円に換算すると円安が進行した分だけ金額がふくらむからです。
もう一つは海外進出がすすんだためです。トヨタ自動車は日本からの輸出台数を4万台以上減らす一方で、海外生産台数を12年比29万1580台増となる553万5196台に増やしました。日産やホンダも輸出台数を減らす一方で、海外生産台数を増やしています。
インドに進出したホンダの四輪工場=ウッタルプラデシュ州
国内生産の減少
いくら大企業が海外で大もうけをしても、国内での生産が減少すれば、仕事は増えません。雇用は増えず、労働者の賃金も上がりません。いわゆる「産業空洞化」です。
内閣府の「今週の指標国内供給能力の制約と鉱工業生産」は一部の製造業で「急速な海外生産移管により、生産能力が減少して、供給制約が生じている可能性がある」と指摘します。
大企業による海外進出の傾向はますます強まっています。日本政策投資銀行がおこなっている全国設備投資計画調査によると、12年度の海外における設備投資は全産業で27・0%と3年連続で2桁増となりました。製造業の国内設備投資が12年度実績で2・7%増にとどまったのと対照的です。
安倍政権はアベノミクスの成長戦略の一環として、企業の海外進出を促進しようとしています。昨年6月に閣議決定された「日本再興戦略」は企業が「積極的に世界市場に展開を図っていく」としています。
一方、円安の進行に伴い、輸入品価格は高騰しました。輸出量の減少と輸入額の急増で貿易赤字は過去最大となり、GDPを下振れさせました。
しかも、円安によって食料品やエネルギーなど輸入に頼る部分の大きい品目は急上昇し、暮らしを直撃しています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月20日付掲載
円高の時に、大企業などはすでに海外生産体制に移行してしまっているので、円安になったからと言って急に国内生産を増やすわけにはいかないのでしょう。また、国内は労働者の賃金が下がり続け、売り上げが期待できないのでしょうね。
大企業はどこで生産してもしっかりと利益をあげています。