きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック④ 開催時期 “放映料ファースト”の構図

2017-08-23 10:53:49 | スポーツ・運動について
酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック④ 開催時期 “放映料ファースト”の構図

「この時期は晴れる日が多く、温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」
東京五輪・パラリンピック招致委員会が、国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイル(2013年)にはこうあります。
しかし、これはあまりに実態とかけ離れています。
五輪開催となる7月24日から8月9日までの過去5年間の最高気温の平均は32・8度で、湿度の平均は70%。冷夏といわれる今年も、この期間に33度を超えた日が6日間を数え、男子マラソンが予定される9日は37度の猛暑日でした。
「理想的な気候」というのはあまりに無責任な記述です。実際には最も過酷でリスクを抱えた五輪になる可能性も否定できません。
体温・体液研究を専門とし、日本体育協会公認ドクターでもある早大の永島計(ながしま・けい)教授は、この時期の開催に強い危惧を抱いています。
「7月後半の開幕は最悪の時期といっていい。梅雨が明けて一気に気温が上がり、最も熱中症になりやすい。鍛えられた選手でも体が順化できない状況で、力が発揮できないばかりか、競技によっては熱中症のリスクが高まらざるを得ない」
現実にここ数年、都内の7、8月はそれぞれ1千人以上が熱中症で救急搬送されています。
東京の酷暑を避け、秋の開催は考えられないのか。
IOCは、2020年五輪開催時期について、立候補都市に対し、7月15日から8月31日までと定めました。



リオデジャネイロ五輪では世界中のメディアが国際放送センター(右)とメインプレスセンターに集まった(共同)

テレビの都合
なぜ、その時期に設定されているのか。
「それはIOCとテレビメディアの問題です」と首都大学東京の舛本直文特任教授は指摘します。
「IOCにとってテレビの放映権料は最大の収入源です。そのテレビメディアの最も都合のいい時期がこの時期なのです。夏場は人気のあるNFL(米ナショナル・フットポールリーグ)やアイスホッケー、欧州サッカーがありません。これらの年間の放送スケジュールはすでに決まっており、動かすことが難しいというわけです」
過去の五輪では、米国で注目の高い陸上や競泳の決勝を、米国のテレビ放映に都合のいい時間に変更する問題も起きています。
「IOCはテレビメディアの論理に乗っかっている構図。収入源ファーストになってしまっている」と舛本教授は言います。
テレビ局の都合を最優先する五輪。その弊害はあまりに大きい。

パラも影響大
酷暑は五輪選手だけではなく、パラリンピックにも大きな影響があります。パラの選手の中には、みずから体温の調整が難しい脊髄損傷の選手が多いこともその一つです。さらに、国内外からの観客やボランティアをはじめとした大会運営にかかわる人たちの暑さ対策も心配です。
永島教授は話します。
「せめて8月中旬の開幕であれば、順化はできます。でも、本当にアスリートや観客のことを考えるのなら、9月以降に時期をずらすべきではないか」
東京五輪が掲げるアスリートファースト。その根本姿勢が強く問われている事態でもあります。
(おわり)(この連載は和泉民郎、勝又秀人が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月22日付掲載


夏季五輪だからって8月開催にこだわる必要はない。テレビ放映の枠が空いている時期だからってとこなんて…
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酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック③ 事故対応 欧米との差 埋める好機に

2017-08-22 12:53:23 | スポーツ・運動について
酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック③ 事故対応 欧米との差 埋める好機に

「そもそも欧米と日本の安全対策には、雲泥の差があります」
熱中症などのスポーツ事故を防ぐ環境づくりに力を入れるスポーツセーフティージャパン代表理事の佐保豊さん(45)は、日本の現状を嘆きます。
米国でアスレチックトレーナー(AT)の資格を取得した佐保さん。海外のプロサッカークラブで、選手のけがの緊急対応や復帰までのトレーニング、障害を予防する環境づくりの専門家として奔走してきました。

なきに等しい
6年後、日本に戻って「ずさんな状況に愕然(がくぜん)とした」と話します。
「学校の部活からプロ野球、サッカーも含め安全対策がなきに等しい状況。この基準で東京五輪の準備をしたらどうなるのか」。強い危惧を抱いています。
欧米のスポーツ大会では、事故防止対策や事故が起きたときの対応が確立しています。医師の配置、救急車の確保も義務付けられています。一方、「日本ではまだ事故対応を考え始めた段階。五輪でどれだけの体制が整えられるか」。
2015年にラグビー・ワールドカップ(W杯)を開催したイングランド。同国では海外の医師による医療行為が法的に禁じられています。そこで法改正をし、大会中に海外のチームドクターが選手の医療行為をできるようにしました。
「日本はそこもグレー。19年のラグビーW杯でも五輪でもこれは絶対に必要です」と強調します。



2015年ラグビーW杯イングラド大会で日本選手のけがの状態をみるメディカルスタッフ(AFP時事)

米国の常識は
佐保さんが学んだ米国は、訴訟社会という側面はあるものの、選手の健康を第一にした運営が常識となっています。
多くのATがスポーツ現場に雇われ、全米大学体育協会(NCAA)もATがいないチームは安全確保が十分でないとして、大会に出場できません。公立高校の運動部には自治体が予算を出します。12年前は4割程度のATの配置率が現在は80%以上に広がっています。
またスポーツ事故はすべて報告義務があります。
「NCAAの各競技団体は毎年それらを分析し、傾向を探り、効果的な対策をたてます。それでスポーツのルールが変わることもあります」
たとえば一昨年、米国のサッカーでは10歳以下のヘディング禁止を打ち出しました。脳振とう防止のためです。脳振とうは検査の画像に写らないことが多く、時間が経って発症することもあり、スポーツ界で大きな問題となっています。同時にこのケースでは「ルール改正以上に、指導者や選手を含めた関係者に対する教育プログラムの徹底が改革のメインです」と佐保さんは語ります。
日本でも死亡・重度の障害は心臓疾患、頭部、さらには熱中症によるものが多くを占めます。しかし、その統計は不十分です。「日本はずっと正確な数さえつかめていない上、学校などは事故を隠そうとする。だから、いつまでたってもきちんと対策が立てられていません」
それだけに2020年は、海外の高い安全対策の基準を日本にもちこむ好機でもあります。
「スポーツは安全があって初めて成り立ちます。これをしっかり位置付ければ、日本のスポーツ界にとって一番のレガシー(遺産)になる」。佐保さんはそのために声をあげ続けるつもりです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月21日付掲載


スポーツは安全におこなってこそ、本来の力を発揮できるものです。東京五輪・パラリンピックを機に日本でも対策を強化してほしいものです。
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酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック② サッカー プレーの質低下に懸念

2017-08-20 10:16:23 | スポーツ・運動について
酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック② サッカー プレーの質低下に懸念

「こんな日程、気候の下で試合をするなんて、まったく人間的でない。クレイジー(狂ってる)だ」
2年前の7月、新潟で開かれた国際ユース大会で、セルビアの2選手が試合中に熱中症で救急搬送され、試合が途中で打ち切られる事態となりました。試合開始は午後2時すぎ、気温31度で3日間の大会の最終日。この前日、セルビアの監督が話していたことが現実のものとなった形でした。
日本の高温多湿のもと、サッカーをする東京五輪の選手たちが、どんな状況に置かれるか。

走りが20%減
日本の夏場は熱中症の危険が高いため、日本サッカー協会は1998年に「サッカーにおける暑さ対策マニュアル」を作成。昨年は「熱中症対策ガイドライン」も発表し、警鐘を鳴らしてきました。
暑さがプレーにどう影響するか。先のマニュアルを作成した一人、立教大学の安松幹展(やすまつ・みきのぶ)教授は指摘します。
「Jリーグ2部のあるチームを対象に気温16度と29度のとき、運動量がどう違うかを調査したことがあります。それによると試合での総移動距離はほぼ変わらないものの、暑いときはウオーキングやジョギングが増え、軽いダッシュ程度の走りが20%ほど減っていました」
暑さのため、スプリント系の走りが減少する。これがサッカーの内容や質の低下につながることは間違いありません。
なぜ、暑さが選手の動きを奪うのか。安松教授は「体温上昇と、発汗による脱水の二つが大きな要因」と指摘します。
体温は臨界点の40度を超えると体力の消耗が激しくなり、筋力を調整する脳機能が低下。判断力も下がり、熱中症の危険も出てくるといわれています。「脳が体温上昇を抑えるため制御をかけている状態ともいえる」(安松教授)のです。
また、脱水症状でも運動能力の発揮が妨げられます。一般的に脱水が体重の2%を超えると、運動量が約20%落ちるといわれています。
海外では、試合前から冷水の補給や冷却ベスト着用で、深部の体温を下げる対策を進めているといわれます。



北京五輪サッカー男子決勝でナイジェリア選手(左)と競り合うアルゼンチンのメッシ選手(共同)

給水タイムも
東京五輪の試合は早くて午後5時開始ながら、決勝は正午です。
実は、2008年北京五輪のサッカー決勝も8月の同じ時刻でした。
メッシ選手率いるアルゼンチンと暑さに慣れているはずのナイジェリア。気温は32度。直射日光が降り注ぐピッチは42度もありました。熱中症を引き起こす危険から、国際サッカー連盟の医療担当チームの助言で給水タイムを設けました。それでも選手たちの動きは鈍く、ひざに手をあてる場面も目につきました。
勝ったメッシ選手は「プレーするには暑すぎた」と語り、ナイジェリアの監督も「暑さで選手が十分に能力を出せない。正午開始はいい考えとは思えない」と苦言を呈していました。
東京五輪・パラリンピック組織委員会は「会場とともに、開始時間の変更の検討をしている」といいます。
五輪のサッカーはただでさえ、中2日の試合が連続する「殺人的な日程」です。高温多湿の気候の中で試合を重ねることが、どんな問題をはらむのか。海外から「クレイジーだ」といわれない大会を準備する必要があります。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月19日付掲載


サッカーの場合は北京五輪の経験があるんですね。「給水タイム」、確かに「ハーフタイム」などと同様に取り入れることが必要です。
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酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック① マラソン 高温多湿 生命の危険も

2017-08-19 08:15:07 | スポーツ・運動について
酷暑の祭典 東京五輪・パラリンピック① マラソン 高温多湿 生命の危険も

史上最も過酷な大会になるといわれる3年後の東京五輪・パラリンピック。真夏の酷暑・東京が競技にどのような影響を与えるのか。選手や観客のスポーツの健康と生命は大丈夫なのか。探りました。

9日午前7時半。東京都千代田区にある皇居周辺の気温は30度になろうとしていました。湿度は70%を超えました。
3年後の同日同時刻に、オリンピックの花形競技の一つである男子マラソンがスタートします。マラソンコースになる予定の皇居前は道路からの反射熱もあり、目もくらむような暑さです。国土交通省によると、炎天下の道路の表面温度は50~60度にまで達します。
過去10年、8月9日は猛暑に見舞われてきました。この10年の平均を見ると午前7時の時点で約27度になり、10時には約30度に。今年は10時で34度に達しました。
この日の午前、皇居周辺を走る市民ランナーに話を聞くと―。
新宿区の堀口卓裕さん(59)は「競技者は大変。真夏はあまりよくない」と話し、水道水を頭からかけて体を冷やしました。
埼玉県吉川市の男性(43)は不安を募らせます。
「この暑さでは生命の危険があります。この日のために4年間、約1460日をかけて練習してきたランナーたちは、簡単にレースをあきらめることができないだけに、なおさらです。東京の暑さを知ったら、出場を断念する選手も出てくるかもしれない」



高温多湿下のレースで3割超の選手が途中棄権した2007年陸上世界選手権(大阪)の男子マラソン

3割超が棄権
思い出すのが、10年前の07年8月下旬から大阪で開かれた陸上の世界選手権です。
男子マラソンの日は気温30度、湿度70%を超え、出場85人中、3割超の28人が途中棄権する事態に。優勝タイムは2時間15分59秒と低調でした。
そもそも、マラソンに適している季節は晩秋から早春にかけて。真夏の猛暑下のフルマラソンは異例中の異例です。
長距離ランナーとして3度の五輪に出場した弘山晴美さんは、この時期の体調管理の難しさをあげます。
「真夏のトレーニングは疲労度も大きく、コンディションの調整が難しい。夏場は睡眠も浅くなる。いかに万全な状態でスタートラインに立てるかが大事」
体調に不安を抱えたままの選手が高温多湿下のレースにのぞめば、変調をきたす確率はぐっと高まります。「選手はどうしても無理をするので、熱中症から生命の危険に至るケースがある」と警告する研究者もいます。沿道で長時間応援する観客にとっても危険です。

測れない“熱”
日本体育協会が定める「暑さ指数」によると、35度以上は「運動は原則中止」。31~35度は「厳重警戒(激しい運動は中止)」です。しかし、気温と湿度、日差しの強さなどをもとに算出する「暑さ指数」だけでは測れない“熱”もあります。
最近の研究では、厳しい暑さのもとで選手がさまざまな熱負荷(熱ストレス)にさらされることがわかっています。激しい運動をすると大量の熱が体内に発生して放熱するほか、地面や周辺の建物からの放射熱なども出ます。
そのうえ、運動の強度や着衣の量なども考慮する必要があります。選手が受ける熱負荷をより正確に測ることは、熱中症対策のうえで急務です。
弘山さんは「せめて早朝や夜など、少しでも涼しい時間帯にスタートさせてほしい」と話します。医科学面の支援の充実と、緑化による走りやすい環境づくりも求めます。
最高の舞台で、最高の力を発揮できるために。主催者に課せられた責任は重大です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月18日付掲載


1964年の東京オリンピック。夏季大会と言われますが、実際の開催時期は10月。秋だったのです。
2020年は真夏。屋外競技の場合は、開催時刻などの配慮が必要ですね。
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リング外でも勇敢だった― モハメド・アリ氏死去 人種差別・戦争に反対唱え

2016-06-06 18:22:51 | スポーツ・運動について
リング外でも勇敢だった― モハメド・アリ氏死去
人種差別・戦争に反対唱え


【スコッツデール(米アリゾナ州)=ロイター】
プロボクシング元ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリ氏は、ボクサーとしてのすばらしさとともに、政治的な活動に積極的だったことで、20世紀の最も著名な人物の一人となりました。その死を悼み、称賛する声は世界中で沸き起こっています。
アリ氏は若い頃、自分が「ザ・グレーティスト」(最も偉大だ)と公言しました。リングの内でも外でもその勇気を発揮したアリ氏を尊敬する世界中の多くの人々にとって、それは最後まで真実でした。
ボクサーとして恐れられる一方、アリ氏が人種差別や戦争、宗教的不寛容に反対を唱え、ゆるぎない自信を示したことは、公民権運動が最高潮だった時期も、その後も、アフリカ系米国人のモデルとなりました。
ベトナム戦争に反対し、徴兵を拒否したことでチャンピオンの王座をはく奪されても、それを取り返し、忘れることのできない数々の対戦で主役となって見事に復帰を果たしました。



6月4日、米ケンタッキー州ルイビルにあるモハメド・アリ氏の博物館を訪れたファン(ロイター)

オバマ米大統領は声明で、アリ氏が「リングの外でたたかったことで、王座と社会的名声を犠牲にしたかもしれない」「しかしアリ氏は一歩も引かなかった。彼の勝利のおかげで、私たちは今ある米国を受け入れられた」と述べました。
ボクサーとしての技量は1960年代がピークだったことは否めません。アリ氏はそれを「チョウのように舞い、ハチのように刺す」と語っていました。しかし、アリ氏は単なるスポーツマンにとどまりませんでした。
アリ氏がパーキンソン病と診断されたのは、81年の引退から3年後でした。体調が悪化する中、96年のアトランタ・オリンピックの開会式に登場。震える手で聖火をともしました。2012年のロンドン・オリンピックの開会式も車いすでのぞみました。

「平等と平和の世界王者だった」国連事務総長
【ワシントン=島田峰隆】国連の溜基文(パン・ギムン)事務総長は4日、プロボクシング元世界ヘビー級チャンピオンのモハメド・アリ氏の死去について「伝説的なボクサーというだけでなく、平等と平和の世界チャンピオンだった」と追悼する声明を出しました。
アリ氏は、1978年に国連反アパルトヘイト(人種隔離政策)特別委員会で演説。1998年には国連ピース・メッセンジャーに任命されました。声明はこうした活動に触れ、「アリ氏はより良い世界のためにたたかい、世界の人間性を高めた」と強調しました。
声明は「国連は偉大な人道主義者であり、理解と平和の信奉者の一人であったアリ氏の人生と活動に助けられたことに感謝している」としました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年6月6日付掲載


アリは歴史的な人物でしたね。ボクサーとしての素晴らしさを思いおこします。
今、改めて、アリの人種差別や反戦での運動に光が当てられます。
私たちも、恥じないように頑張らねば…
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