きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

もんじゅと核燃料サイクル 早期に断念を① 反省なき撤退 科学的根拠欠いた開発

2016-10-31 10:36:58 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
もんじゅと核燃料サイクル 早期に断念を① 反省なき撤退 科学的根拠欠いた開発

日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉が現実味をおびてきました。政府の原子力関係閣僚会議が「廃炉を含め抜本的な見直しを行う」と表明したからです。もんじゅは、原発の使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルの要に位置付けられてきた施設です。しかし政府は、「核燃料サイクルを推進」する方針は堅持するとしています。これほど矛盾した方針はありません。経過と問題をみてみました。(松沼環)

原子力規制委員会が、原子力機構はもんじゅを安全に運転する資質がないとして▽運転を安全に行える能力をもつものを具体的に示すこと▽見つからない場合は、リスクを明確に減少させるようもんじゅのあり方を抜本的に見直すことーを文部科学相に勧告したのは昨年の11月でした。



日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)

存続を前提に
規制委の勧告を受け、文科省は検討会を設置しますが、その議論はもんじゅの在り方にはふれず、存続を前提にしたものでした。検討会は今年5月、もんじゅの運営主体についての具体的な言及はせずに運営主体に必要な条件を並べた報告書をまとめました。文科省は、これを受けて機構に代わる運営主体探しをしていました。
文科省は、電力会社などの協力を当て込んでいました。しかし、電気事業連合会の勝野哲会長は、電力会社が、原子力機構に代わってもんじゅ運営の受け皿になることには否定的な見解を繰り返し示すなど、運営主体の具体化は難航。

年内に結論も
さらに、運転の前提条件となる新規制基準に適合させるためには多額の改修費がかかります。文科省の試算では運転終了までに5400億円、審査が延びればさらにかかるとされています。このため政府は、「抜本的な見直し」に舵(かじ)を切らざるを得なくなり、年内にもんじゅの取り扱いについて結論を出すとしています。
高速増殖炉の開発は、これまでに技術的問題のほか、経済的な問題などから、米国やドイツなど多くの国が撤退しています。さらに、もんじゅを開発してきた旧動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の体質も加わり、建設当初から、トラブルや不祥事など問題が繰り返されてきました。遅すぎたとはいえ廃炉が決断されるべきです。
しかし、政府は見直しの理由に「情勢の変化」を挙げており、これまでの科学的根拠を欠いた無謀なもんじゅ開発の姿勢をなんら反省していません。「高速炉開発会議」が新たに策定する高速炉開発方針案も、もんじゅ計画の二の舞いになりかねません。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年10月28日付掲載


「もんじゅ」を廃炉にするって当たり前のことですが、遅きにしても良かったことです。
でも、「核燃料サイクル」は維持し続けるって矛盾したこと。「もんじゅ」が文殊観音のような知恵をまったくもっていなかったのですから…。
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PKO参加5原則って?

2016-10-30 13:58:46 | 平和・憲法・歴史問題について
PKO参加5原則って?



よく聞くPKO参加5原則ってなんだっけ?
海外派兵が本来禁止されている自衛隊が、国連平和維持活動(PKO)に参加する際に、憲法9条に違反する海外での武力行使をしないための担保として、日本独自の参加基準を示したものだ。初の海外派兵法として1992年に制定されたPKO法で、▽紛争当事者間で停戦合意が成立していること▽原則が満たされない場合は撤収できること―などを定めている。
自衛隊がいる南スーダンはもう内戦状態なのに、なぜ撤収しないの?
南スーダンは、20年以上に及ぶ内戦の末、2011年7月にスーダンから分離・独立した新しい国だ。日本は、独立して内戦が解決したから、同国に「紛争当事者は存在しない」(PKO法3条の1号ロ)との名目で、同年12月にPKO(UNMISS)へ部隊を送ると決めた。
だから、13年12月以降、全土で戦闘を繰り返す大統領派と副大統領派は、そもそも政府の法解釈では「紛争当事者」にあたらないということになる。それで、今年7月のように戦車やヘリを使った戦闘が両派間で起きても、「法的な意味での『武力紛争』は発生していない」という意味不明な説明になるんだ。
実態とあまりにかけ離れているのでは?
そのとおり。5原則ができた当時の国連PKOは、紛争当事者の間で停戦監視を行うのが主流だった。今は国連PKO自身が交戦下で「住民保護」のために武力行使するまでに変質してしまっている。5原則は完全に崩壊している。

PKO参加5原則とは
①紛争当事者間で停戦合意が成立していること
②受け入れ国や紛争当事者がPKOや日本の参加に同意していること
③中立性の厳守
④①~③の原則のいずれかが満たされない場合、自衛隊は撤収できる
⑤武器使用は必要最小限に限る

(2016・10・30)


スーダンから分離独立したってことは良い事なんですが、さらに独立した国の中で内輪もめ。また、内戦状態に。
国連のPKOの実態も変質しているもとで、日本が自衛隊を派遣することはできないはず。
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安倍「働き方改革」虚像と実像⑦ 女性の活躍 均等待遇こそ急げ

2016-10-28 11:29:48 | 働く権利・賃金・雇用問題について
安倍「働き方改革」虚像と実像⑦ 女性の活躍 均等待遇こそ急げ

日本の雇用者数(役員を除く)は5382万人。そのうち2453万人が女性(総務省「労働力調査」)です。しかし日本で働く女性は、「過労死」するような長時間労働、非正規雇用、男性に比べて極端に低い賃金など、結婚や出産をして働き続けることが困難な状態におかれています。安倍政権が1億総活躍」の中核として掲げる「女性の活躍」はこの実態改善につながるでしょうか。
京都府内の自動車部品工場で働く非正規雇用の女性(47)が2年前、正規雇用への転換を訴えた際に上司から言われた言葉があります。
「まず、あなたが女性だから無理です」
女性の契約期間は1年。10年前から働いています。勤務時間は7時間45分。手取りは月14万円強、退職金はなく、賞与もわずかで生活するだけで精いっぱいです。



資生堂の非正規切り裁判で勝利和解を勝ち取った女性たち=1月25日、東京都内

生活崖っぷち
「非正規は崖っぷちです。問題があればすぐに契約を切られる。作業は正社員と同じなのに雇用期限の保障がない分とても不安です。女性が活躍する場を与えられている実感はありません」
日本では現在、女性労働者の6割が非正規雇用です。年収200万円以下の労働者の4分の3は女性です。「非正規でしか働けない」「子どもはほしいけれど産めない」などの実態に直面しています。
男女の賃金格差は依然大きく、国税庁「民間給与実態統計調査」によると女性の平均年収が272万円。男性の514万円に比べて半分ほどです。
全労連の大西玲子女性局長は、「賃金格差の是正、長時間労働の抜本的改善が急務です。パート、有期契約だからという理由での差別待遇を改め、残業なしで生活できる賃金や均等待遇の実現が必要です」と話します。
安倍政権が「女性の活躍」といいながらやっていることは何でしょうか。「待機児童解消」「介護離職ゼロ」といいながら保育所や特別養護老人ホームの整備は置き去りにしています。
4月に施行された「女性活躍推進法」で、企業が女性の積極採用や管理職登用に取り組むとしました。しかし、長時間労働の規制や均等待遇など実態改善の保障はありません。
また昨年、正規から派遣への置き換えを進めかねない労働者派遣法の大改悪を強行。さらには長時間労働を深刻化させる労働基準法改悪案を国会に提出しています。
安倍政権の「女性の活躍」は、切実な労働力不足のもとで安上がりの労働力として女性の活用をはかるというのが基本的な姿勢です。

実効ある措置
「女性活躍」というのなら、女性が自立できる正当な賃金保障と母性が尊重され、出産や育児をしながら働き続けられる労働環境こそ実現すべきです。
そのために、表面は男女平等を装い、実質的に女性に不利益を与える間接差別について、条件をつけずに禁止する必要があります。男女雇用機会均等法に「すべての間接差別の禁止」を明記するなど差別を是正する実効ある措置が求められています。また、労働局雇用均等室にたいする相談が増えている結婚・妊娠・出産にともなう不利益取り扱いを厳しく規制するなど女性が平等に働くことのできる条件をつくることが大事です。(おわり)※

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年10月26日付掲載


企業の言い分では、「女性は出産や子育てで仕事を休まないといけないので非正規で当然。給与が安くで当然」ということでしょうが…。
日本社会の継続的な発展を考えると、出産や子育てしながら働ける環境を企業が保障するってことが大事です。
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安倍「働き方改革」虚像と実像⑥ 解雇の金銭解決 職場復帰のルールこそ

2016-10-27 13:11:54 | 働く権利・賃金・雇用問題について
安倍「働き方改革」虚像と実像⑥ 解雇の金銭解決 職場復帰のルールこそ

裁判で解雇が不当と判断されても、会社が手切れ金を支払えば雇用が終了する「解雇の金銭解決制度」。安倍政権は厚労省に設置した「透明かつ公正な労働紛争解決システム等の在り方に関する検討会」で、検討事項案に「解雇無効時における金銭救済制度について」と明記し、導入に向けた危険な動きを強めています。
そもそも日本は解雇規制が弱い国です。経済協力開発機構(OECD)の2013年調査によると、加盟34力国のなかで一般労働者の雇用保護は低い方から10番目、有期雇用労働者は9番目です。

判例重ねて
裁判を積み重ね、正当性のない解雇を無効とする判例法理が確立しています。しかし、いったん解雇が起これば、職場復帰に高いハードルがあります。
三菱製紙の100%子会社、浪速通運(本社・大阪市)で働く藤田眞二さん(50)たち4人は、08年9月に解雇され、13年7月に職場復帰するまで、5年かかりました。
会社がトラック車庫を通勤時間が3倍かかる場所に移転させようとしたことに対し、4人は全日本港湾労働者組合(全港湾)東京支部に加入し、団体交渉を申し入れました。会社が話し合いに応じないため、ひとまず車庫移転命令に従いました。しかし、会社は解雇を通告しました。
「最初は冗談かと思いました。なぜ解雇になるのかと、怒りが込み上げてきました」と藤田さんは語ります。
12年2月、最高裁で解雇無効が確定。そこから1年半後、11回の団体交渉で職場復帰しました。現在、4人は元気に働いています。
藤田さんは「私たちは、まともな理由がないのに解雇された。裁判には時間がかかり、家族に苦労をかけました。簡単に解雇できない制度こそ必要です。さらに確実に原職復帰できるようにしてもらいたい」と訴えます。



ロックアウト解雇と賃金減額をやめろと日本IBM本社前で訴える労働者と支援者たち=9月15日、東京都内

制度先取り
厚労省検討会では水口洋介弁護士が「日本の民事訴訟では、就労を強制する就労請求権がないため、復職が難しい」と問題点を指摘しました。土田道夫同志社大学教授は「金銭解決制度が必要ないという議論には賛成できません」と述べ、就労請求権は「かなり極端な話」だと言って導入検討に反対しました。
日本では職場復帰ルールが確立していません。国際労働機関(ILO)は、会社都合で整理解雇した後に新規採用する際、解雇者の職場復帰を優先する国際労働基準(166号勧告)を示しています。ところが、日本航空はパイロットと客室乗務員165人を解雇し、現在は経営回復して新規採用しているのに、復帰させていません。
「解雇の金銭解決制度」が導入されれば、労働条件改善などを訴える労働者を追い出すことが可能になってしまいます。すでに制度を先取りする解雇も起こっています。
日本IBMは、JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)の組合員たちに突然解雇を通告し、会社から閉め出す「ロックアウト解雇」を強行。自ら退職するなら退職金を上積みすると迫りました。組合員たちは裁判をたたかい、第1次、第2次訴訟の原告5人全員が東京地裁で解雇無効を勝ち取っています。
「ブラック企業」のやり得を許さないためには、判例法理を明文化し、解雇無効になった場合の職場復帰を保障するなど解雇規制法の制定こそ必要です。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年10月25日付掲載


裁判の判例では正当性のない解雇は無効となっていますが、実際の労働現場ではそれを無視することが横行。
やはり、労働組合や市民運動で、無法な企業を包囲することが必要。
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安倍「働き方改革」虚像と実像⑤ 最低賃金 全国一律制、1500円に

2016-10-26 11:07:47 | 働く権利・賃金・雇用問題について
安倍「働き方改革」虚像と実像⑤ 最低賃金 全国一律制、1500円に

安倍政権は、最低賃金を「年率3%程度」引き上げるという目標をかかげています。しかし、この目標では、緊急の解決が求められている貧困と格差の是正にとって水準・内容ともにあまりにも貧弱です。
いま非正規雇用で働く労働者の実態はどうなっているのか。

ギリギリ生活
東京の郵便局で非正規雇用社員として働く浅川喜義さん(45)が郵便局で働き始めたのは9年前の36歳。当時、時給1100円で、1カ月の手取りは17~18万円。月3万5000円のアパート(共同風呂)を借りて住んでいました。「ギリギリの生活で結婚や、余暇を楽しむ余裕なんて考えられなかった」と言います。
郵便局で働く非正規雇用職員の賃金は最低賃金に左右されます。業務にもよりますが、浅川さんが勤務する配達部門の賃金は最低賃金の1円単位切り上げプラス20円が基本で、忙しい地域に130円、その他の地域で80円などが加算されまます。
今年度、改定された最低賃金の時給最高額は東京都932円で、法定労働時間の上限とされる月平均173・8時間働いても、16万1982円です。年額約194万円で、年収200万円に届きません。最低賃金がもっとも低い宮崎、沖縄の時給714円では、月12万4094円、年額約149万円です。
全労連の加盟労組が全国で行った最低生計費調査(25歳独身)では、全国どこでも、月額22~25万円、時給換算で1500円以上必要だとしました。
この調査からも明らかなように、時給1000円は緊急に達成すべき通過点です。安倍政権の「年率3%程度」の目標では平均1000円に到達するには2023年までかかります。



「最低賃金を1500円に上げろ」と訴えながらデモ行進する青年たち=7月26日夕、札幌市

地域間で格差
もう一つの問題が地域間格差の拡大です。
浅川さんは言います。
「同じ配達の仕事をして、東京では最賃932円で隣の千葉は842円。川を隔てて、時給が100円近く違うと、1日8時間働いたとして1年間で約20万円違ってくる。約1カ月分の給与が違うとなると東京で仕事をしたいと思うのが普通でしょう」
大阪で同じく郵便配達員として働く檞恵之(くぬぎよしゆき)さん(44)は「同じ配達員として働いているのに、東京と大阪で最低賃金の違いによって給与が大きく異なるのは矛盾だし、差別だ」と語ります。
地域別最低賃金は、地域間格差を生み出し、人口流出にも影響を与えています。神奈川と愛知に挟まれた静岡は人口流出ワースト5位。昨年の神奈川との格差は122円から今年123円に。愛知では同じく37円から38円に拡大しており、安倍政権の方針では今後もこの格差は拡大し続けます。
格差を解消するには、全国一律最賃制の法制化が不可欠です。しかし、安倍政権にその立場はありません。
静岡県評の林克議長が語ります。
「地域間格差は広がる一方で、人口流出が止まりません。私たちは湖西市長と一緒に、最賃の大幅アップを求めてきました。地域経済を守るためにも全国一律最低賃金制を導入するとともに、最賃をいますぐ1000円にし、1500円をめざすべきです」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年10月22日付掲載


最も高いと言われる東京の最低賃金でも、時給932円。まともに暮らしていける賃金ではありません。
地域間格差も問題ですが、元々低すぎるのです。最低でも時給1500円は切実な要求。

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