きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

最賃アップ俗説退治 米労働省HP

2016-05-31 13:37:45 | 働く権利・賃金・雇用問題について
最賃アップ俗説退治 米労働省HP

「最低賃金を引き上げても、失業は増えません」。オバマ政権が時給10・10ドル(約l120円)への最低賃金引き上げをめざし、最賃15ドル(約1660円)を求める労働運動・市民運動が起きている米国。米労働省では、公式ホームページに「最低賃金伝説バスターズ」というコーナーをつくり、“最賃引き上げは経済や雇用に悪影響になる”というような俗説を否定しています。その解説の一部を紹介します。


「より豊かになるためのより良い賃金を」などと書かれた横断幕を手に集会に参加する米市民ら=4月14日、フィラデルフィア(洞口昇幸撮影)

▽最賃引き上げは、10代の若者だけの利益になる?
事実ではない。最賃で働く労働者の典型例は、週末のお小遣いを稼ぐ高校生ではありません。最賃引き上げで利益を得る人々の89%は20歳以上であり、56%が女性です。

▽最賃を上げると、人々が失業する?
事実ではない。7人のノーベル賞受賞者を含む600人以上のエコノミストが最賃引き上げを支持する書面に署名しました。それによれば、最賃が上がっても、雇用にほとんど、あるいはまったくマイナスの影響はありません。最賃引き上げで需要と雇用が成長し、収益が増えることを示唆しています。

▽中小企業は余裕がないので、最賃引き上げを支持しない?
事実ではない。2015年7月の調査で、中小企業経営者の5人のうち3人が最賃引き上げを支持しています。商品やサービスの需要増加に役立ち、ビジネスチャンスをつくると言っています。

▽最賃引き上げは、レストランに損害を与え、失業を増やす?
事実ではない。カリフォルニア州では2014年に最賃を引き上げましたが、全国レストラン協会によると、同州のレストランの2015年売上高は、ほとんどの州を上回っています。2015年5月現在、サンフランシスコでは労働者に時給12・25ドル(1360円)の最賃を支払わなければなりませんが、レストランをふくむサービス業は、雇用の伸びを経験しました。

▽最賃引き上げは、企業にとってよくない?
事実ではない。学術研究によると、より高い賃金は離職率を激減させ、採用と教育訓練のコストを削減させることを示しています。

▽最賃引き上げは、経済に悪影響になる?
事実ではない。1938年以降、米国の連邦最賃は、22回引き上げられました(1938年の0・25ドルから現在は7・25ドル)。75年以上の間、最賃を引き上げた時期をふくめ、1人あたりの実質国内総生産(GDP)は着実に増加しました。

▽最賃は引き上げなければ、同じまま?
事実ではない。生活費は常に上がりますが、最賃はインフレ率に同調しないので価値が落ちます。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月31日付掲載


日本では、財界中心に最賃アップに関する俗説を流し、政府は野放しにしているが…
以外にもアメリカで最賃の俗説を切る論説を政府の公式ページでやっている。
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検証アベノミクス TPPと農業② うそを重ねて押し通す

2016-05-30 14:02:50 | 経済・産業・中小企業対策など
検証アベノミクス TPPと農業② うそを重ねて押し通す

安倍晋三政権が説明する環太平洋連携協定(TPP)の利点はもっぱら、企業の海外展開に集中しています。他方、交渉の経緯については情報開示を拒否し、国内への負の影響については恣意(しい)的な試算を発表し、うそとごまかしを重ねてTPPを押し通そうとしています。

「無傷」は皆無
TPPによって、関税を撤廃される農林水産物は、82・3%の品目にのぼります。政府は、米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖の農産物重要5項目でも28・6%の品目で関税撤廃を約束しました。これだけでも、農産物重要5項目を「除外」または「再交渉」とし、交渉しないよう求めた国会決議に反する最悪の農業破壊協定であることは明らかです。
しかし、政府は関税撤廃の「例外」を確保したと強弁しています。実際は、森山裕(ひろし)農林水産相が国会答弁で認めた通り、関税削減、特別輸入枠新設などを含めると、「無傷」の品目は皆無なのです。しかも、TPP発効後7年たつと、関税が残った品目の扱いも、米国など農産物輸出大国5力国の要求に基づいて見直すことになっています。
署名された協定は、発効時のTPPを示すにすぎません。「生きた協定」といわれる通り、発効後も交渉し続けることになっており、TPPの原則である関税撤廃への道筋がついているのです。



「くらしをこわすTPP反対」と声をあげる人たち=5月11日、国会前

対策含め試算
政府が示した「TPPの経済効果分析」は、国内総生産(GDP)が約14兆円拡大し、雇用が約80万人増加する一方、農林水産物の生産減少額が1300億~2100億円にとどまり、食料自給率は現在の39%が維持されるというものです。
しかし、政府の分析モデルは失業が出ない前提であり、試算の対象は関税率が10%以上かつ国内生産額が10億円以上の農産物19品目、林水産物14品目だけです。その上、関税削減などの影響で価格低下による生産額の減少が生じるものの、国内対策により生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されるといった予測に立っています。
政府の「経済効果分析」は、説得力がないだけでなく、広範な怒りさえ呼んでいます。多くの自治体が、政府が「影響なし」とした米や、試算の対象外にした地元特産品について、独自の試算を行いました。米の生産減少額は、国内対策抜きで試算した8県の合計が最大で224・4億円にのぼります。
「経済効果分析」が「TPPの経済効果は、わが国各地域の企業、事業者、農林漁業者等が、TPPを十二分に活用し、意欲的に事業等を拡大・推進することで現実のものとなる」と述べている通り、政府が示したTPPの経済効果は、TPP自体がもたらすものではないのです。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月27日付掲載


政府の試算は、関税の撤廃により農産物の輸入量が増えても、国内の農業生産は減らないって事になっています。
小池書記局長が、日本人が急に大食いにならない限りありえない想定だと批判。
まやかしに騙されてはいけません。
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検証アベノミクス TPPと農業① 多国籍企業を最優先

2016-05-29 11:15:21 | 経済・産業・中小企業対策など
検証アベノミクス TPPと農業① 多国籍企業を最優先

「世界で一番企業が活躍しやすい国」を掲げる安倍晋三政権は、環太平洋連携協定(TPP)をアベノミクス(安倍政権の経済政策)の「成長戦略の切り札」と位置付け、早期発効を目指しています。それと一体に、家族農業を基本にしてきた戦後農政と決別し、企業的農業へ向けた農政への転換を図っています。

経済主権売る
安倍政権の「日本再興戦略」改訂2015は、「モノ、カネ、技術等の国境を越えた移動を促進する経済連携協定は重要性を増している」として、TPP推進を掲げました。TPPは、多国籍大企業の国境を越えた利潤追求のために、関税を撤廃するほか、多国籍大企業が障害物とみなす各国の規制を取り払う協定で、「あらゆる分野で日本の経済主権をアメリカに売り渡す」(志位和夫日本共産党委員長)ものです。
日米など12力国が署名したTPPは、貿易や投資、企業活動を最優先し、各国の経済主権や国民生活をないがしろにします。TPP下に設置される「小委員会」を通じ、「利害関係者」という名目で多国籍大企業が各国の制度へ口出しする経路も設けています。
各国の食品安全基準を緩和し、独自の新基準の導入を妨げて、輸入食品の安全を脅かします。製薬大企業の利益のために、生物製剤の新薬データ保護期間を延長して、安価なジェネリック(後発医薬品)の普及を遅らせ、患者や医療関係者に害を与えます。保険や共済の分野を多国籍企業に明け渡します。労働や環境の基準も実質的に引き下げられる危険性があります。
投資家対国家紛争解決(ISDS)条項も盛り込まれました。進出先の国の制度や政策の変更で被害を受けたと主張する外国企業が、その国の政府に対し損害賠償の訴訟を起こせる規定です。国外の国際仲裁廷の判断が優先するため、主権を侵害するという批判が強いものです。訴訟で脅し、規制を断念させる「抑止効果」も指摘されています。



「TPP反対」「安倍政権NO」のプラカードを手にする中央メーデー参加者=5月1日、東京・代々木公園

米企業に経路
12力国の交渉とともに、日米並行交渉も行われました。日本のTPP交渉参加を認める条件として、米国が押し付けた交渉です。
投資分野では、日本の「規制改革」で、外国企業の意見を規制改革会議に付託し、規制改革会議の提言に従って必要な措置をとることを約束しました。米国の多国籍企業が口出しする経路になります。保険分野では、米保険会社が日本郵政の販売網を利用すること、かんぽ生命を他の保険会社と同じ扱いにすることなどで合意しました。
衛生植物検疫(SPS)の分野では、防カビ剤の承認手続きを簡素化し、未承認の4種の添加物を1年以内に承認すると約束しました。牛に由来するゼラチンとコラーゲンの輸入規制の緩和も確認しました。
いずれも、米国が長年、「年次要望書」などの形で要求してきたものばかりです。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月26日付掲載


「モノ、カネ、技術等の国境を越えた移動を促進する経済連携」は必要な事はわかりますが…
食料自給率を減らす、食の安全性を緩める、ジェネリック医薬品の普及に規制。などなど、デメリットの方が大きいTPPの実態。

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検証アベノミクス 税財政④ 社会保障費は連続削減

2016-05-28 15:39:30 | 予算・税金・消費税・社会保障など
検証アベノミクス 税財政④ 社会保障費は連続削減

安倍晋三首相は消費税率を5%から8%に引き上げる前の2013年10月17日、衆院本会議で日本共産党の志位和夫委員長の質問に「3%の引き上げ分の消費税収は、全額社会保障財源化する」と答弁しました。
しかし、実際には16年度予算で「社会保障の充実」に充てられるのは5%から8%への増税分8・2兆円のうち、1・35兆円(16%)だけです。残りの8割を占めるのは「基礎年金の国庫負担2分の1」や「借金返済」で、それまでに他の財源で実施してきたものを消費税に置き換えただけにすぎません。

大改悪を強行
しかも安倍政権は社会保障の自然増について13年からの3年間で総額1兆1500億円、年平均3800億円を削減。今後も毎年、3000億円から5000億円の自然増を削減する方針を決めています。参院選後に医療、介護、年金など社会保障の全分野で大改悪を強行する準備を進めています。
高額所得者や大資産家、大企業など負担能力の大きいところから、より高い税率で税金を集め、福祉や社会保障、若者、子育てに優先して使って所得再分配を行うことが本来の税財政のあり方です。しかし安倍政権の税金の使い方は逆立ちしています。
社会保障分野だけではありません。文教予算では高学費が問題になっているにもかかわらず、16年度予算では国立大学運営費交付金は増額しませんでした。しかも若手教員の人件費などに充てていた補助金を88億円削減。国立大学を「卓越した教育研究」など3種類に区分して重点配分する仕組みを導入します。私立大学への経常費補助も前年から増額させず、国立大学と同様に「経営力の強化」に向けた改革を進める大学に重点配分します。導入を検討するとしていた給付制奨学金は先送りの方向です。
一方で急増しているのは軍事費です。安倍政権は軍事費を4年連続で拡大し、16年度予算では当初予算で初めて5兆円を突破。購入を予定している兵器も、戦争法の成立を受けて米軍と自衛隊が肩を並べて海外で戦争する体制づくりを目指すものです。
MV22オスプレイ(4機、447億円)、ステルス戦闘機F35(6機、1084億円)、新イージス艦(1隻、1734億円)、新早期警戒機E2D(1機、260億円)など高額兵器を購入する大軍拡を進めています。



F35戦闘機(米空軍ホームページから)



「まとめ買い」
昨年成立した長期契約法は、自衛隊の艦船や航空機などの兵器調達に関して、国が債務を負う「国庫債務負担行為」の上限を財政法が定める5年から10年間に引き延ばし、「まとめ買い」を可能にするものです。政府は「まとめ買い」によって1割程度の“コスト削減”になるとしていますが、高額兵器の大量購入で軍拡を推進することになります。同時に、憲法が求める予算の単年度主義が崩され、国会の監視が届きにくくなります。
(この項おわり)(清水渡が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月25日付掲載


「消費税増税分はすべて社会保障にあてている」というのはマヤカシにすぎない。
その一方で兵器調達は「後払い」の制度を最大限使って「まとめ買い」している。
「後払い(ローン)」の期間が5年から10年に延長されて、ますます借金(国債)地獄に…
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検証アベノミクス 税財政③ 貧困・格差 ますます深刻

2016-05-27 13:29:31 | 経済・産業・中小企業対策など
検証アベノミクス 税財政③ 貧困・格差 ますます深刻

「日本が貧困かといえば決してそんなことはない」「世界の標準から見て(日本は)かなり裕福な国」。1月18日の参院予算委員会での安倍晋三首相の答弁です。日本共産党の小池晃議員が、経済的な格差と貧困が広がっていると指摘したのに対して答えました。国民生活の実態に向き合わない安倍首相の姿勢が鮮明です。

30年前以下に
貧困と格差は安倍政権下でますます深刻になっています。総務省「家計調査」によると、実収入から直接税と社会保険料を除いた可処分所得の実質値は2015年に30年前以下の水準に落ち込んでいます。実収入が伸び悩んでいる上に、所得税や住民税など直接税の負担や社会保険料の負担が増えているからです。
貧困層はさらに深刻です。15年の「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると、非正規雇用で働き続けた場合の生涯賃金は、正規雇用に比べて1億円以上少なくなります。1年を通して働いても年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は14年、1139・2万人と史上最多を更新しました。このうち約8割が非正規雇用労働者です。
一方で進むのが富の集中です。米誌『フォーブス』がまとめた日本の長者番付上位40人の持つ資産総額は、12年の7・2兆円から16年は15・4兆円と2倍以上に膨れ上がりました。
日本の税制は貧困と格差の拡大を加速する性格を持っています。一つは消費税です。消費税は所得の大小にかかわらず、商品・サービスの消費に対し同じ税率がかかるので、所得の少ない者ほど負担が重くなる傾向があります。消費税率が10%になった際の負担率を試算すると、「軽減税率」が導入されても、年収200万円以下の世帯には年収比6・7%もの消費税負担になります。ところが年収1500万円以上の世帯での消費税負担は年収比2・4%にとどまるのです。



商品をじっくり品定めする買い物客=東京都内



高所得者優遇
所得税も大金持ちほど負担していないのが現実です。年間所得1億円を超えると、所得が増えるほど税負担が減ります。所得税の最高税率は45%ですが、株式の譲渡などにかかる税は15%に抑えられているからです。
所得が高い者ほど高い税率で負担し、低所得者に手厚い福祉・社会保障で格差を是正することが、本来の税財政の役割です。日本共産党は消費税増税の中止を求めるとともに、現行55%まで引き下げられている所得税・住民税の最高税率を98年までの65%に戻すことを提案しています。株式配当については少額の場合を除き、総合課税を義務付け、富裕層の高額の配当には所得税・住民税の最高税率が適用されるようにします。さらに富裕税の創設も主張しています。これは相続税の評価基準で5億円を超す資産の部分に1~3%の累進課税をかけるというものです。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年5月24日付掲載


先進諸国の中で日本だけがGDPが伸び悩んでいる。
それもそのはず、可処分所得の実質値は30年前以下の水準に。
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