「1.5度目標は不十分」 海面上昇抑制へ「1度程度に」 国際研究グループ
温暖化による海面上昇の加速を抑制するには、地球の平均気温の上昇を産業革命前の1・5度未満とするパリ協定の目標を達成するだけでは不十分であることがわかったと、英ダラム大学などの国際研究グループが環境学誌『コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメント』(20日付)に発表しました。1度程度に抑える必要があるとしています。

南極の氷床から流れ出す氷河を見る研究者たち(© Richard Jones)
研究グループは、過去の温暖期に起こった海面上昇や、大気中の二酸化炭素濃度が現在と同程度だったときの海面の高さ、温暖化のもとで現在進行しているグリーンランドと南極の氷床の融解に関して、これまで行われた研究結果を集めて解析しました。
その結果、過去の間氷期(12万5000年前ごろなど)には海面が現在より数メートル高かったこと、大気中の二酸化炭素濃度が現在と同じく400ppmを大きく超えていた約300万年前には海面が約10~20メートル高かつたことなどが示唆されました。
地球の平均気温が産業革命前より1・2度高い現在の温暖化の水準でも、グリーンランドと南極の氷床の融解が年間約3700億トンと1990年代以降の4倍に増え、海面上昇を加速していることもわかりました。
研究グループはこれらの結果をもとに、地球の平均気温が産業革命前より1・5度上昇すると、今後数世紀にわたって海面が数メートル上昇する可能性があると結論づけました。
現在、世界で約2億3000万人が標高1メートル以内のところに住んでいて、パリ協定の目標を達成するだけではこれらの人々が氷床融解による海面上昇の脅威にさらされると研究グループは指摘。地球の平均気温の上昇を、氷床が健全で産業革命前より1度高かった1990年代に戻す必要があるとしています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2025年5月22日付掲載
研究グループはこれらの結果をもとに、地球の平均気温が産業革命前より1・5度上昇すると、今後数世紀にわたって海面が数メートル上昇する可能性があると結論づけました。
現在、世界で約2億3000万人が標高1メートル以内のところに住んでいて、パリ協定の目標を達成するだけではこれらの人々が氷床融解による海面上昇の脅威にさらされると研究グループは指摘。
パリ協定よりより野心的な目標が必要なんだね。
温暖化による海面上昇の加速を抑制するには、地球の平均気温の上昇を産業革命前の1・5度未満とするパリ協定の目標を達成するだけでは不十分であることがわかったと、英ダラム大学などの国際研究グループが環境学誌『コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメント』(20日付)に発表しました。1度程度に抑える必要があるとしています。

南極の氷床から流れ出す氷河を見る研究者たち(© Richard Jones)
研究グループは、過去の温暖期に起こった海面上昇や、大気中の二酸化炭素濃度が現在と同程度だったときの海面の高さ、温暖化のもとで現在進行しているグリーンランドと南極の氷床の融解に関して、これまで行われた研究結果を集めて解析しました。
その結果、過去の間氷期(12万5000年前ごろなど)には海面が現在より数メートル高かったこと、大気中の二酸化炭素濃度が現在と同じく400ppmを大きく超えていた約300万年前には海面が約10~20メートル高かつたことなどが示唆されました。
地球の平均気温が産業革命前より1・2度高い現在の温暖化の水準でも、グリーンランドと南極の氷床の融解が年間約3700億トンと1990年代以降の4倍に増え、海面上昇を加速していることもわかりました。
研究グループはこれらの結果をもとに、地球の平均気温が産業革命前より1・5度上昇すると、今後数世紀にわたって海面が数メートル上昇する可能性があると結論づけました。
現在、世界で約2億3000万人が標高1メートル以内のところに住んでいて、パリ協定の目標を達成するだけではこれらの人々が氷床融解による海面上昇の脅威にさらされると研究グループは指摘。地球の平均気温の上昇を、氷床が健全で産業革命前より1度高かった1990年代に戻す必要があるとしています。
「しんぶん赤旗」日刊紙 2025年5月22日付掲載
研究グループはこれらの結果をもとに、地球の平均気温が産業革命前より1・5度上昇すると、今後数世紀にわたって海面が数メートル上昇する可能性があると結論づけました。
現在、世界で約2億3000万人が標高1メートル以内のところに住んでいて、パリ協定の目標を達成するだけではこれらの人々が氷床融解による海面上昇の脅威にさらされると研究グループは指摘。
パリ協定よりより野心的な目標が必要なんだね。