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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

テレビ時評 Eテレ売却論に思う

2021-01-18 06:46:10 | 赤旗記事特集
テレビ時評 Eテレ売却論に思う
城西国際大学教授 佐滝剛弘
(1983年NHK入局、主に番組制作に携わり、日放労委員長も歴任。2020年から現職)



昨秋からNHKの地上波の第二チャンネルである「Eテレ」への議論が週刊誌やそれを受けたネット上で続いている。

□■多様性を担保
きっかけは、内閣官房参与の一人が、週刊誌上で、「Eテレを売却すれば、受信料は半額に引き下げられる」と主張したことである。そのセンセーショナルな見出しが議論に火をつけ、「Eテレこそ、公共放送の存在価値だ」などの反論が噴出した。さらに昨今、NHKがテレビ設置届け出の義務化を求めたり、総務大臣が受信料の収納に対し郵便局との連携を提案するなど、受信料のあり方が取りざたされていることも市民の関心をより高めたという背景もあろう。
一部誤解もあるようだが、参与の提言はEテレの番組そのものをなくすということではなく、Eテレのコンテンツはネット配信などに移行し、空いた電波の帯域を売却したらどうかというものである。
まず、今回の反論に見られるように、Eテレには手話ニュースや数々の講座番組などハンディを持つ人に向けた番組や手軽で安価に「学習」をしたい人に向けた番組など、高い視聴率は見込めないが社会の多様性を担保したり、誰でも学習の機会が得られるような番組が編成されており、視聴率競争が激しい民放では放送しづらいという事実がある。Eテレこそ公共放送の良心だといわれる大きな理由である。
一方で、これらの番組は地上波の枠で多く放送されているニュースや情報番組のように、「ライブ」で見る必要はないものが多い。インターネットの普及と若年層のテレビ離れが進み、当のNHK自身がネット進出に積極的である以上、Eテレの番組群はこの際ネットに全面的に移行して電波を空けるということも決して現実と乖離(かいり)した話ではない。それでもこの提言にすぐには頷(うなず)けない点が二つある。
一つは、NHKが総合テレビ以外にチャンネルを持っている意義である。Eテレには、総合テレビではお目にかかりにくい、人権や差別に焦点を当てた優れた番組群もある。2020年春に放送された、「桜を見る会」を題材にした『バリバラ』のような時の権力を健全に批判する視点を持った番組もある。こうした番組は、現在の体制では、チェックが厳しい総合テレビではほとんど放送できない。Eテレのように、あまり注目を浴びない「マージナル(中心ではなく周縁)な波」を持っていることが番組の多様性につながるし、それがネットではなく、チャンネルのザッピングで目に留まる位置にあることがその多様性を担保していると考えることができる。

□■根拠にならぬ
二点目は、参与はEテレの帯域の売却で受信料は半減できるとしているが、さすがにこれは暴論であろう。受信料の最大の支出は番組の「制作費」だが、Eテレの制作費は総合テレビの10分の1以下である。またいうまでもなく、番組の出口がネットに変わっても制作費は変わらないし、人件費も半分になるには程遠い。その帯域が一時的に高く売れたとしても、それが永続的に受信料を半額にできる根拠にはならない。
とはいえ、これまで公共放送が生み出すコンテンツの価値を多面的に検証する議論はあまりされてこなかった。Eテレが旭上(そじょう)に載せることをきっかけに、単にNHKを見る見ないとか受信料が高い安いという視点とは異なった議論が湧き上がることは重要であろう。
(さたき・よしひろ)◇

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月17日付掲載


Eテレは、単なる教育番組というだけでなく、視聴率は低いけど、ETV特集などは見る価値のある番組がある。
ネット配信というやり方もあるかもしれないが、地上波で提供することが大事だ。
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“配達員に直接雇用を” 欧州で企業責任求める判決 ギグワーカー保護へ加速

2021-01-17 08:42:59 | 働く権利・賃金・雇用問題について
“配達員に直接雇用を” 欧州で企業責任求める判決 ギグワーカー保護へ加速
【ベルリン=桑野白馬】欧州各地でインターネットを通じて単発の仕事をする「ギグワーカー」と呼ばれる労働者に関し、会社の雇用責任を求める流れが強まっています。イタリアとスペインでは、アプリを利用して料理の出前をする「デリバルー」社の配達員が労働法上の保護を求めて訴えた裁判で、雇用主と配達員との間で適切な雇用関係を結ぶよう促す判決が出ました。


スーパーの前でデリバルーのバックを背負う英国の配達員=2020年6月(ロイター)

スペインでの裁判は、デリバルー社が配達員の社会保険料の支払いを怠っているとしてスペインの社会保険庁が訴えていたもの。北東部バルセロナの裁判所は12日、デリバルーに対し、741人の配達員を社会保険に加入させ、未払い分計130万ユーロ(約1億6500万円)を支払うよう命じました。
判決では、会社がアプリを通じて実質的に配達員を指揮していると判断。配達員が注文の拒否を続けるとアプリから遮断されたりすることから「会社の指示を順守する必要があり、自律性は限定的」と結論付けました。
首都マドリードの裁判所も昨年7月、デリバルー社と配達人は雇用関係にあるとの判断を下しました。配達人が直接雇用を勝ち取れば、有給休暇などの取得も実現します。しかしデリバルー側は、配達員は自営の「フリーランサー」であり雇用関係は存在しないと争う姿勢を示しています。
複数の労組が中心となり訴えたイタリア・ポローニャの裁判では、デリバルーが過去に用いていた配達員の評価基準が問題となりました。裁判所は昨年12月31日、配達員が労働者の権利である病休や休暇を取得した場合も、一律に“配達数減”と評価されたことを労働基準法に違反すると判断。影響を受けた配達員にそれぞれ5万ユーロ(約631万円)を支払うよう命じました。
国内最大労組のイタリア労働総同盟(CGIL)は「病気で不当に解雇されることはないという画期的な判決だ」と歓迎しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月16日付掲載


欧州のデリバルーなどのギグワーカー。日本ではウーバーイーツなどの運転手。
欧州で、配達員に直接雇用を求める判決が出てるって画期的。
闘えば権利を勝ち取れる。日本でも…。
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阪神・淡路大震災26年 ドキュメンタリー3本

2021-01-16 15:01:39 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
阪神・淡路大震災26年 ドキュメンタリー3本
17日は阪神・淡路大震災から26年。関連するドキュメンタリー番組が放送されます。そのうちの3本を紹介します。

■NHKスペシャル「巨大地震と『未治療死』」(仮)(NHKテレビ=17日後9・0)

阪神・淡路大震災直後、医療機関には対応できないほどの負傷者が押し寄せました。手術ができない、投薬ができない、蘇生ができない―。治療を受けられずに亡くなる「未治療死」の患者が相次ぎました。
コロナ禍のいま、ひっ迫した医療体制のもとで巨大地震が起きたらどうなるのか。26年前の医療崩壊を教訓に、模索する医療現場の最前線を追います。


■テレメンタリー2021「記憶のバトン」(朝日系17日前4・30)

神戸で絵画教室を開いている画家の中嶋洋子さん(68)は、阪神・淡路大震災で笑顔を失った子どもたちに絵を描いてもらうことで元気を取り戻させました。2011年に東日本大震災が起きたとき、画材を車に詰め込み東北に向かった中嶋さん。その後もたびたび東北の被災地を訪れ、絵を通して子どもたちの心の復興に向けた活動をつづけました。
当時、気仙沼市の小学校の児童で高校生になった後藤桃佳さんたちは、被害を伝える語り部の活動を始めました。朝日放送テレビ制作。(※各地方で放送日時に違いがあります)
(関西では、ABCテレビ1月17日5:10~5:40)


NNNドキュメント’21「阪神淡路大震災・死ぬまで生きてやろう」(日本系17日深夜0・55)

神戸でライブハウスを経営する松原裕さん。
震災の教訓を伝え、音楽の力で「支援の輪」を広げ続けた松原さんに、突然末期がんが告知されます。震災を知る世代として、2人の息子がいる父として、限られた時間の中で次世代に遺(のこ)したい思いとは。
読売テレビ制作。
(関西では、読売テレビ1月18日0:55~1:25)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月16日付掲載


医療崩壊、文化芸術、音楽で支援。
いろんなテーマ―で震災を語り継ぎ、支援の輪を広げる。
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2021年経済の潮流② 解雇事由の危険な罠

2021-01-16 07:54:25 | 経済・産業・中小企業対策など
2021年経済の潮流② 解雇事由の危険な罠
桜美林大学教授 藤田実さん

コロナの世界的流行(パンデミック)は雇用の分極化を浮き彫りにしました。
非正規雇用労働者は営業の自粛や時短要請で雇い止めされ、住む場所だけでなく、食べ物にも事欠くようになり、雇用の不安定さが鮮明となりました。
また、国民の命と健康を守る医療や介護労働者、生活必需品などの販売に従事する商業従事者、物流を担う運輸労働者などの「エッセンシャルワーカー」はコロナ下でも国民生活の維持のために感染の危険を冒しても勤務し続けています。同様に、感染の危険があるにもかかわらず、満員電車で通勤を余儀なくされた労働者もいました。感染のリスクを負いながらも国民の健康と生活を維持するために出勤せざるを得ない労働者が多数います。
しかし、これらの中には売上高や収入の減少により減給されたり雇い止めされたりした労働者も存在します。リスクを負いながら仕事に従事しているのに日本社会はその働きに報いていません。



パソコンに向かう女性

システム再編
他方で事務・管理労働者、IT(情報技術)などの専門技術者はテレワーク(在宅勤務など)が推奨され、自宅でリモートワーク(遠隔勤務)に従事しました。リモートワークに関しては脱大都市、地方移住などの事例が多く報道されるとともに、ポストコロナ(コロナ後の世界)においても定着するとみなされています。
経団連など財界は、リモートワークの定着をにらんで雇用システムの再編に乗り出しています。リモートワークに関し、生産性が下がったという調査結果が発表され、国際比較でも生産性が上がったという回答は欧米や中国・韓国と比べても低いという調査結果が報道されています。
こうした調査結果を受け、経団連は目標の明確化による成果発揮とその前提としての労働者一人ひとりの職務・職責の明確化が求められるとしています。これは「ジョブ型雇用」に基づく成果主義の徹底を目指すということでもあります。実際に、日立製作所や富士通などIT企業は、ジョブ型雇用への転換を打ち出しています。
では、職務を明確にするジョブ型雇用は労働者にどんな状況をもたらすのでしょうか。
ジョブ型雇用は、担当するジョブ(職務)を明確にし、そのジョブに担当する能力のある労働者を充て、ジョブに応じた賃金を支払うというものです。したがってジョブの成果発揮度合いに応じて賃金を支払うということにはなりません。あくまで担当能力のある労働者がそのジョブを担うということなので、ジョブの発揮度合いを評価するということはあり得ないというべきです。

安定保障せず
またジョブ型雇用では、日本企業が行うような自由な配置転換や評価を理由にしたリストラは制限されるとされますが、それは必ずしも雇用の安定を保障しません。ジョブに応じて採用されるので、担当するジョブが事業の再編で無くなれば解雇されることになります。従来は工場閉鎖時などに、労働者は転勤や配置転換で雇用が確保されてきましたが、ジョブ型雇用ではそうした対応は必ずしも必要とされません。ある意味では、ジョブ型雇用を機能させるために解雇規制を緩和し、ジョブがなくなれば解雇も自由というルールを定着させる必要があります。日立製作所や富士通などのIT企業が導入に熱心なのは、技術革新が激しく、事業構造の再編が必要とされる業種だからです。ジョブ型雇用システムを導入する狙いは、労働者の入れ替えを自由にし、事業構造の転換に対応できるようにするためとみられます。
財界は、コロナ・パンデミックを奇貨にして、リモートワークで生産性を上げるためには、ジョブの明確化が必要であるということを理由にして、ジョブ型雇用を導入しようとしています。しかし、そこには解雇自由な世界という危険な罠(わな)が隠れていることに注意すべきです。
(この項おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月14日付掲載


新型コロナのもとで、テレワークが普及。それに便乗する形で「ジョブ型雇用」も持ち込まれようとしています。
担当するジョブが無くなれば解雇も自由という危険な働かせ方です。
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2021年経済の潮流① 外国頼み脱却が課題

2021-01-15 07:51:01 | 経済・産業・中小企業対策など
2021年経済の潮流① 外国頼み脱却が課題
桜美林大学教授 藤田実さん

新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)に直面した世界経済は2020年、各国とも深刻な恐慌状態に陥りました。21年中に回復するか先行きは不透明です。たとえ世界経済が恐慌状態を脱したとしても、グローバル化と新自由主義的市場経済で経済が成長できる段階は過ぎ去り、新しい成長モデルが求められています。
こうした状況を受け論壇ではポストコロナ(コロナ後の世界)を展望し、新しい経済社会をめぐる議論が盛んに行われています。その内容は多岐にわたるため、ポストコロナ期における産業と雇用に問題をしぼって考えてみます。

マスクが不足
コロナ危機があぶり出したのはグローバル経済の脆弱(ぜいじゃく)性です。中国では感染が拡大した昨年1月に生産活動がストップしました。その結果中国で部品や素材を生産し、国内で完成品に仕上げる企業内ネットワークが寸断され、まだコロナが流行していなかった日本でも生産の中断を余儀なくされました。日本国内では1月下旬から感染が拡大。マスクや消毒液などの衛生資材が不足しました。それらが中国で生産されていたために世界的な供給不足に陥ったのです。
グローバル化を前提にした中国頼み、外国頼みの脆弱性があらわになり、ポストコロナでは生産のグローバル化から国内生産重視に転換すべきであるとの声が大きくなります。政府も国内回帰に補助金を支給する政策を採り始めました。この政策に企業も反応。応募企業が想定を上回ったこともあり3000億円規模の予算が計上されています。このような動きを見ると、企業はグローバル生産に基づく企業成長に危険性を感じ、国内生産の重要性に気づいたかのように思われます。
しかし、グローバル企業が本格的に海外生産主導から国内生産主導に転換するといえるのでしょうか。



洋山深水港のコンテナ群=2020年10月19日、中国・上海(ロイター)

国内資源使う
海外展開をするグローバル企業は、単純な海外生産ではなく、グローバルに張り巡らせたネットワークを形成しています。例えばA国で部品aを、B国でbを、C国でcを生産し、D国で完成品を組み立てるというものです。このようなグローバルネットワークに下請け企業も組み込まれていることを考えると国内回帰に容易に踏み出せないでしょう。
また、パンデミックによって輸出入が中断する危険性が増し、アメリカのラストベルト(さびついた工業地帯)のようにグローバル化に伴う国内生産の空洞化による地域経済の疲弊に対する反発の高まりを考えると、保護主義的な動きが強まる可能性もあります。国内回帰に基づく国内生産と輸出の増大よりも、海外現地生産の方が企業にとってはより「安全」であるということになるのです。
したがって、企業戦略として海外生産拠点の多角化はありえますが、グローバル企業が本格的に国内回帰の道を選択することは考えられません。私たちはポストコロナ期におけるグローバル化の転換や揺り戻しに期待するのではなく、グローバル企業を中心とした成長循環とは異なる道、対抗戦略を構想すべきです。それは、農業や中小企業を中心にした日本国内の経済資源、地域資源を生かしたローカル成長循環を軸とした国民経済の再構築です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月13日付掲載


海外での生産がストップ。いわゆるサプライチェーンが切断されたことで、必要な物資が供給されない。
それとあわせて、日本で作っても海外で売れない。
農業や中小企業を中心にした日本国内の経済資源、地域資源を生かしたローカル成長循環を軸とした国民経済の再構築が求められています。
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“空の探検家”が語る 雪の結晶の魅力

2021-01-13 07:23:50 | 科学だいすき
“空の探検家”が語る 雪の結晶の魅力
大雪に見舞われている地域もありますが、雪の結晶には不思議がたくさんつまっています。
「雪の結晶を探してみませんか」―。“空の探検家”で気象予報士の武田康男さんに、その魅力を書いてもらいました。

気象予報士 武田康男さん
たけだ・やすお 1960年東京都生まれ。東北大学理学部卒業。第50次南極観測越冬隊員。大学非常勤講師。著書に『楽しい雪の結晶観察図鑑』(緑書房)など。

みんな違って美しい
雪の結晶は、肉眼では小さくても、ルーペで見ると不思議な模様が見られます。雪の結晶は六角形とか6本の枝とか言われますが、よく見るといろいろな種類があり、みんな違っていて、造形の美しさに感動します。
雪の結晶は、雲の中の小さな氷の粒が成長してできます。最初は六角形の柱状で、鉛筆を薄く切ったような形です。そこにまわりから水蒸気がくっついて成長しますが、横に広がったり、縦に伸びたり、枝が付いたりと、気温や湿度によってさまざまな形になっていきます。


雪の結晶のいろいろ

樹枝状結晶


扇状結晶


角板状結晶


針状結晶


角柱状結晶

よく知られた結晶の形は「樹枝状」という種類です。6本の長い枝に小枝がついています。3~7ミリぐらいあるので、肉眼でもよくわかります。また、六つの扇の形が付いた「扇状」という結晶も多いですが、やや小さめです。そして、小さな六角形の「角板状」は、ルーペでやっとわかる大きさです。
結晶が縦に伸びたものとしては「針状」がしばしば見られます。霜のような細長い形で、肉眼でもわかります。「角柱状」や「砲弾状」は小さくて、ルーペで探します。
雪の結晶は、空から降ってくる間に成長しますが、途中で形状が変わっていくものがあります。角柱状の両側に花びらのような形が付くものや、6本の枝の先に扇が付いたりもします。雲がすぐ上にある場合は、落ちてくる直前まで成長しています。
ただし多くの雪は、降ってくるときに結晶同士がからまったり、くっついたりして、雪片という白い塊になっています。降ってきた雪片をよく見ると、中に結晶が入っていることもありますが、観察は難しいです。
また、結晶に雲の水滴がたくさん凍り付いていることも多いです。結晶のまわりに付いた、たくさんの小さな丸い氷の粒がそうです。この場合、結晶は白く見え、元の形がよくわからなくなっていることもあります。氷の粒が大量に付いて丸くなったものは、雪あられとなります。



雪片


雲粒がついた結晶

雪の結晶を見るには、氷点下の場所がよいです。プラスの気温で降る雪は、溶けかかっています。また、白い塊が降るときよりも、粉雪が降るときがよいです。粉雪は気が付かないことも多く、夜に空にライトを向けると、きらきらと光る結晶を確認できます。マイナス20度くらいの極寒になると、小さな結晶が多いです。
結晶はガラスのかけらのように少し白くて透明に近いので、観察するには、暗い色の物に結晶を受けると見つけやすいです。布などに受けてもよく、手袋や帽子や服などに付いたものを見てもよいです。また、プラスチックやガラスなどの板に受けると、結晶の形の観察や撮影がしやすくなります。
結晶が降る場所は、北海道や本州などの山間部が適しています。しかし、関東などの平野部でも、きれいな結晶の降ることがまれにあります。
ただし、よい結晶が降る時間は意外と短く、雪が降っているときに時々外に出て確かめて、タイミングよく結晶を探してください。風が強いときは結晶がくっついたり壊れたりしていますので、注意しましょう。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月9日付掲載


確かに、ぼたん雪よりも粉雪の方が、雪の結晶を観察しやすいですね。
子どものころは、毛糸の手袋に受けて観察していました。
雪の降る夜。街灯のあかりにキラキラと降ってくる雪は素敵ですよね。
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「歴史的不正義」と向き合うオランダ 旧植民地文化財返還へ

2021-01-12 08:01:00 | 国際政治
「歴史的不正義」と向き合うオランダ 旧植民地文化財返還へ
欧州の著名な博物館は、旧植民地から略奪などによって持ち出された文化財を多数収蔵しています。独立国となった原産国からの返還請求が相次ぐ中、オランダでは、人権活動家や博物館の專門家でつくる諮問委員会が2020年10月、画期的な勧告書を発表しました。旧植民地の住民の同意のない文化財の持ち去りは「歴史的不正義」であり、無条件に原産国に返還すべきだ、とするものです。自国の「暗い歴史」と向き合うオランダの動きを追いました。(ベルリン=桑野白馬)


20世紀初頭にオランダが植民地化したバリ王国の貴族が身に着けていたイヤリング(NMVW提供)

「文化財を旧植民地の住民の意思に反して持ち去ったことで、不正義を行ったと認めるべきだ」―。勧告書は、不正義を認識し、改善していくことを指導原則とすべきだと強調しました。過去の植民地支配を不正義と断定し、返還要求に応じるために文化財の来歴(どのような所有者を経て所蔵物となったか)のデータベースを整備、公開することなどを勧告しています。
諮問委員会の議長はオランダの旧植民地、南米スリナム出身の人権活動家リリアン・ゴンサルベスーーホ・カン・ユー氏。1年かけて、インドネシアなど旧植民地諸国の関係者と対話を重ね、勧告書を完成させました。
同委員会の設立を要請したファンエンゲルスホーヘン教育・文化・科学相は、勧告書について、「植民地支配の過去は現在にまで痕跡を残している。植民地由来の文化財への新しいアプローチが始まる」と歓迎。政府は今年、勧告書を指針として、文化財返還のための政策・法律を整備する計画です。



ヘンリエッタ・リッチ氏(本人提供)

勧告書の作成に関わった国立世界文化圏博物館(NMVW)のチーフキュレーター、ヘンリエッタ・リッチ氏は、本紙の取材に対し、「不正義という言葉を使ったのは、植民地時代は対等な力関係はなく、住民は自由意思の下ではやらないような行為を強いられたという事実を浮き彫りにするためです」と語ります。
そして、「不正義」を認識し改善していくことが勧告書を貫く原則であり、「自由意思であれば手放さなかったはずの文化財を人々の手に返す用意があると表明すること」だと述べました。

フランスのマクロン大統領は2017年、西アフリカのブルキナファソを訪問し、アフリカの文化財を欧州の博物館に「囚人のように収容しておくわけにはいかない」と宣言、以来返還を推進してきました。ドイツでも第1次大戦前のアフリカ植民地から持ち去られた文化財や人骨の返還を進めています。





1500~1700年ころに西アフリカのべニン王国で製作された青銅製のフレート(「ベニン・ブロンズ」の一部)(NMVW提供)

不平等な関係くり返さない
大胆な勧告書
オランダ国立世界文化圏博物館(NMVW)のチーフキュレーター、ヘンリエッタ・リッチ氏は、オランダの勧告書には、他の欧州諸国の動きと大きく異なる大胆でユニークな点がある、と言います。
その一つが、支配された側にとって不本意に奪われた文化財を、無条件で返還するよう促していることです。「(返還のために)支配されていた側が不本意な略奪だったと証明しなければならないなら、それは不平等な関係性のくり返しでしかない。だからこそ、無条件の返還を盛り込むことが非常に重要です」。
さらに、「両者の合意の上で売買、贈与された文化財であっても、原産国の人々にとってかけがえのない社会、文化、歴史的価値があるなら、返還される可能性があるとした点です」と言います。
NMVWの収蔵品43万6000点のうち、約半数が旧植民地由来のものです。インドネシアに関連する収蔵品は最多の17万4000点にのぼります。インドネシアやスリナムは、それぞれオランダ所蔵の文化財の来歴を研究する委員会を設置し、オランダ側と対話を始めています。
リッチ氏は、たとえ旧植民地国から文化財の返還請求がなくても、自ら保有する文化財の「来歴研究」を深め、返還の枠組みを持つことが大切だと話します。
「過去を批判的に検証しながら理解を深め、収蔵品がこれまで以上に認知されることで、人々のアクセスを容易にする。それこそが国立機関の責務だとみなされているからです」。
リッチ氏は、文化財の返還によってオランダの子どもたちも、なぜ他国にとってその文化財が大事なのか、どのような経緯でこの国にやってきたのかを学ぶことができると語ります。「関係国と良い関係を築き、その国の専門家がオランダに来て彼らの物語を語ってくれることがあれば、それも素晴らしい学びとなるでしょう」。
オランダで進む文化財の返還の動きを後押しした一人が、アムステルダム自由大学のヨス・ファンビュールデン上級研究員(74)です。
若いころから南アジアやアフリカ、中東各地で文化財の保護に関する調査を行ってきたファンビュールデン氏は、旧植民地の国々で、「大切な文化遺産のほとんどが欧州や北米にある」との「怒りや嘆き」を耳にしてきました。



ディポネゴロ王子の短剣。返還され、現在ジャカルタのインドネシア国立博物館が所蔵(NMVW提供)

責任を果たす
「植民地支配は暴力的で、人種差別的でした。白人優越主義のもと、農産物や鉱物資源だけでなく住民のアイデンティティーである文化的な資源を略奪し、彼らの誇りを傷つけたのです」。
第2次大戦中にナチスによって略奪された美術品の返還についての国際合意はありましたが、植民地由来の文化財返還に関する国際的な規範は未確立でした。そこで「損なわれてしまった国々の信頼関係を修復し、過去のあらゆる不正を取り払う」ことを目的に研究にとりかかりました。
ファンビュールデン氏は論文「信頼に基づいた宝物の所有植民地文化財の未来をめぐる交渉」を執筆。オランダの博物館関係者が植民地由来の文化財に目を向けるきっかけをつくりました。
文化財返還をめぐる国内の議論が活発になる中で、長く消息不明とされていたある有名な文化財が発見、返還された事例もあります。
オランダの支配下にあった今のインドネシアで19世紀に起きた反乱「ジャワ戦争」。その指導者だったディポネゴロ王子の短剣が昨年3月、インドネシアに返還されました。両国が1975年に返還合意を結んでからもこの短剣の行方は不明でしたが、NMVWが2017年以降徹底的に調査し、中西部ライデンの民族学博物館が所蔵している短剣がそれだと判明。返還にこぎつけました。
ファンビュールデン氏は、過去に植民地支配という悪行をしたことを認めるのは重要だとしながらも「罪の意識を持つ必要はなく、責任を果たすことが必要です」と語ります。「わたしたちにとっての責任とは、すべての関係者に働きかけ、文化財返還に関する議論が発展することです」
ファンビュールデン氏の願いは、より多くの植民地由来の文化財が返還されることです。そのために欧州全体で文化財返還の枠組みを作ることが必要だとして、こう語りました。
「過去と向き合い、歴史的に気まずい関係にある国の関係者と対話する勇気を持つことが大切です。そうすることで、信頼に基づいた相互の将来関係を築く扉は開かれます」

オランダの植民地支配
スペインの支配下にあったオランダは1581年に独立すると、ポルトガルやスペインに対抗して植民地を拡大し、現インドネシア、カリブ海の諸島、南米の現スリナムなどを植民地支配しました。
オランダは、17世紀以降、西インド会社による大西洋奴隷貿易、東インド会社による東南アジアでの香辛料貿易で巨万の富を蓄積。現インドネシアでは、ジャワ、バリ、アチェでの相次ぐ戦争で20世紀初頭までに支配を完成させました。
インドネシアは、日本の占領を経て、1945年に独立を宣言。オランダは再征服を目指して派兵(「インドネシア独立戦争」)。49年ようやく独立を認めました。
南米最小の独立国スリナムは75年に独立。欧州外で唯一オランダ語を公用語としています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月11日付掲載


西インド会社、東インド会社などによる植民地支配。貿易で巨万の富を得るだけでなく、現地の文化財を許可なく自国に持って帰った。
オランダをはじめ、欧州の国ぐにが文化財の返還に動き出していることは、良いことですね。
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新版『資本論』のすすめ―刊行記念講演会でのあいさつと講演

2021-01-10 08:11:23 | 働く権利・賃金・雇用問題について
新版『資本論』のすすめ―刊行記念講演会でのあいさつと講演



本書は、2019年9月20日に開かれた「新版『資本論』刊行記念講演会」でのあいさつと講演に加筆したものです。
「しんぶん赤旗」(2019年8月18日付)に掲載された座談会も収録しています。





志位和夫、萩原伸次郎、山口富男、不破哲三

定価900円(本体818円+税)


新版『資本論』。2021年1月に第9巻まで発刊されています。
改めて、読んでいく際の道しるべになる本です。
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声上げた“おかか”たち 女性のたたかい現代に 映画「大コメ騒動」 本木克英監督

2021-01-09 07:26:43 | 映画について
声上げた“おかか”たち 女性のたたかい現代に
映画「大コメ騒動」 本木克英監督

もとき・かつひで 映画監督。1963年生まれ。松竹に入社し98年、「てなもんや商社」で監督デビュー。監督作「超高速!参勤交代」(ブルーリボン作品賞)、「空飛ぶタイヤ」(日本アカデミー優秀監督賞)、「釣りバカ日誌」11~13、「居眠り磐音」ほか


「米を旅にだすなー」―富山の浜のおかか(女房)たちの叫びが胸を貫きます。102年前、女性たちが声をあげた米騒動。富山出身の本木克英監督にとって、「いつかは」と念じていた題材を痛快にエンターテインメントとして描きました。その「大コメ騒動」が、1日からの富山県先行公開に続き、8日から全国で公開されます。本木監督に聞きました。(児玉由紀恵)

1918年、富山の漁師町。松浦いと(井上真央)は、夫(三浦貴大)を出稼ぎに送り出し、3人の子を抱えて日銭を稼ぎます。60キロの米俵を背負い、蔵から浜の船まで運んで日当は20銭。ところが、米の値段は一升が20銭以上で、さらにどんどん値上がりし、シベリア出兵の報とともに、次第に手の届かないものに―。困窮する、いととおかかたちは、米の積み出しを止めようと立ち上がりますが…。
映画は、実際の事件を基にオリジナルの物語で運ばれます。



8日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開©2021「大コメ騒動」製作委員会

先人への敬意
「明治以降、日本の近代化の過程で、ばんどり騒動(ばんどり=蓑をまとった一揆)など嘆願運動が繰り返されてきました。新聞の普及で全国に知られるようになったのが、1918年7月の米騒動でした。全国では、一部暴徒化したり、打ち壊しをしたりした例もありましたが、この富山の場合は、それとは異なります。細民(さいみん)と言われた女性たちが、生活のため必死の思いで米俵にしがみついて積み出しを止めようとした、それが『暴動』などの刺激的な伝えられ方をして、当事者たちは長らく口を閉じていたのです」
「真摯に面白く、僕なりの表現方法、娯楽映画の形で」という本作。「口をつぐんでしまったばあちゃんたちの気持ちを富山弁で」と先人への敬意がこもります。
おかかたちを引っ張っていく「清んさのおばば」(室井滋)は、その名を聞けば子どもも泣き出す異様な風体ですが、ここぞというとき叫びます。「負けんまい!」と。おかかたちは結束して「米安う売れー」と訴えたり、米屋の女将の分断策に乗せられたり。警察と権力者らとの陰での結託もあり、ドラマティックな展開で引き込みます。
本が好きな、いとの読む新聞でおかかたちは世の中の動きを知ります。
その新聞の誇張や虚偽の報道ぶりは、現代の報道をも照射するかのようです。
「これを作っているときに、トランプ大統領のフェイクニュースが話題になっていました。また、香港の民主化運動が激しさをまし、がんばる女性や若者たちのニュースも届いていた時期で、そんなこととリンクするイメージがありましたね。米騒動後、ジャーナリズムが弾圧され、やがて戦争へ。そんな歴史も考えてもらえるきっかけになれば―」
腰に重心をかけ歯をくいしばって重い米俵を運び、始終日焼け顔のおかかたち。ある時は、警察の前での座り込みも辞さない度胸です。
「おかかたちの気持ちを伝えるにはどうしたらいいか、女優さん一人ひとりに聞きました。みんな本格的に当時のおかかになろうと、本当らしさを大切にしたい、と。どこまで作り込むか、僕からこう演じてと演出の押し付けはやらなかった。俳優から率先して意見を寄せてもらえる環境を作ったことが監督としては良かったかな、と。映画は虚構ですが、その中で伝える真実が間違っていなければいいと思います」

使命感持って
今作は、松竹を退社しフリーになって3年目に実った映画化。大手の配給会社にすべて断られ、懸命に資金繰りをし16日間で撮影を終えました。20年来の技量のたまものでしょう。
「監督になってから、ある種の使命感を持って思い続けた企画です。同県人でもある岩波ホール総支配人だった高野悦子さんに勧められたのが20年前でした。いま、格差は広がり、女性の困窮化は深まっています。この映画を機に、おかかたちが声をあげた米騒動に関心を持っていただけるとうれしいですね」

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月6日付掲載


「超高速!参勤交代」(ブルーリボン作品賞)、「空飛ぶタイヤ」(日本アカデミー優秀監督賞)など、話題の作品を送り出して来た本木克英監督。
今回はシベリア出兵を控えた大正時代、富山県から起こった米騒動を取り上げます。
女性が中心になって起こした市民運動の原点。おかかたちを引っ張っていく「清んさのおばば(その名を聞けば子どもも泣き出す異様な風体)」(室井滋)の配役も面白い。
兵庫県では、TOHOシネマズ西宮OSで上映中です。
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経済キーワード グローバル化とデジタル化で変貌する経済を、キーワードで読み解きます

2021-01-08 08:01:16 | 経済・産業・中小企業対策など
経済キーワード グローバル化とデジタル化で変貌する経済を、キーワードで読み解きます

マイナポータル ■個人情報の民間提供も
政府が運営する個人專用のオンラインサービスのことで、行政手続きのオンライン申請や、行政機関などが保有する税、社会保障等の情報の確認が可能です。登録には、マイナンバーカードと対応できるスマートフォンやパソコン等が必要。
「本人同意」のもとにマイナポータルが持つ個人情報を民間企業に提供できる仕組みとなっており、政府は今後、学校、職場など生涯にわたる個人の健康等の情報をマイナポータル等に蓄積できるよう狙っています。
個人情報の漏えい、蓄積された情報を人工知能(AI)によって分析し個人の特徴を推定、選別するプロファイリングが広がる危険があり、重大な人権侵害行為を引き起こす恐れがあります。

カーボンニュートラル ■再生エネ充実が課題
脱炭素ともいわれます。二酸化炭素などの温室効果ガスの産業などからの排出量と植物などによる吸収が同量になることです。吸収には、他の地域での温室効果ガスの排出権購入も含まれます。温室効果ガスの排出と吸収を差し引きで実質的にゼロにすることです。
菅義偉首相は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年力ーポンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」としました。しかし、原子力発電所の活用も表明しています。
それまでの計画は、30年度までに13年度比26%減、50年度までに80%減にするというものでした。目標達成には、再生可能エネルギーによる発電の抜本的な充実が必要です。

ジョブ型雇用 ■コロナ禍で導入広がる
臭体的な仕事内容や必要な技術・資格を明記した職務記述書(ジョブディスクリプション)に基づいて人材を採用・雇用する制度です。一般的に職責と成果に応じて評価されます。欧米で主流の雇用形態です。年功序列や終身雇用を前提とした「メンバーシップ型雇用」と対比されます。
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、感染予防として職場以外で働くテレワークの利用が急速に拡大。社員の勤務状況を時間で管理できないとして、成果で評価する「ジョブ型」を導入する企業が増えました。
しかし「ジョブ型」が招く成果主義は、社員同士の競争やストレスの増大に加え、長時間労働や格差拡大を助長する危険性があります。

6G(第6世代移動通信システム)  ■5Gに続く規格
第5世代移動通信システム(5G)のサービスが日本で昨年3月に始まったばかり。その次の第6世代移動通信システム(6G)の研究・開発が世界ですでに始まっています。
通信速度が飛躍的に高速化した5Gも数年後には、ネットワークに接続されるモノの数を処理できなくなると予想されます。そのため、6Gの実現に向けて、世界中の研究機関や企業が研究・開発を急いでいます。
6G規格はまだ、国際的に統一されていません。しかし、伝送情報量の上限は5Gの最低毎秒10ギガビットから毎秒100ギガビットへ増加、通信遅延は1ミリ秒から1ミリ秒未満へ低下、接続密度は100万台/平方キロメートルから1000万台/平方キロメートルへ増加するとされます。

SDGs(持続可能な開発目標)  ■人権保護に重点
SDGs17の目標
1:貧困をなくそう
2:飢餓をゼロに
3:すべての人に健康と福祉を
4:質の高い教育をみんなに
5:ジェンダー平等を実現しよう
6:安全な水とトイレを世界中に
7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8:働きがいも経済成長も
9:産業と技術革新の基盤をつくろう
10:人や国の不平等をなくそう
11:住み続けられるまちづくりを
12:つくる責任 つかう責任
13:気候変動に具体的な対策を
14:海の豊かさを守ろう
15:陸の豊かさも守ろう
16:平和と公正をすべての人に
17:パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発目標=Sustainable Development Goalsの頭文字をとった略称です。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で掲げられました。
社会・経済・環境などの分野において30年までに政府や企業が達成すべき葺の目標(別項)と、それに関連する169の具体的な到達点が明記されています。
人権の尊重が中心テーマです。「誰一人取り残さない」をスローガンに、途上国の人々や女性・子どもなど社会的に弱い立場にある人々の人権保護に重点を置いています。
国連やその他の国際機関、各国政府だけでなく、企業、市民が目標実現に向けて積極的に貢献することが必要です。

ユニタリータックス ■税逃れ阻止の新ルール
多国籍企業の税逃れ阻止のために市民社会が提案する国際課税制度がユニタリータックス(合算課税)です。
各国にまたがる多国籍企業グループの子会社の利益を合算した上で、各国に配分し、各国政府が課税する方法です。配分の基準は資産、売上高、従業員数などとし、実際の経済活動を反映させます。
現在の国際課税制度では、多国籍企業の子会社は独立企業とみなされ、居住地国から別々に課税されるため、低税率国の子会社へ利益を移して課税を逃れることが可能です。
経済協力開発機構(OECD)は多国籍企業の利益の一部を合算し、売上高に応じて各国に配分する新ルールを提案しています。合算課税の全面実施が求められます。

シックス・アイズ ■日米軍事一体化進む危険
米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの機密情報網である「ファイブ・アイズ」に日本を加えてシックス・アイズにする構想のこと。米戦略国際問題研究所(CSIS)のアーミテージ元国務副長官らが提言しています。
前防衛相の河野太郎規制改革担当相も、「ゆくゆくはシックス・アイズにしていきたい」と意欲を示していました。
日本参加の背景には、日本が有している中国に関する軍事・経済情報の共有にあるといわれています。そのための態勢も「秘密保護法で、情報の保護が回り始めた」という専門家もいます。
米中軍事・経済対立の中で日米の軍事一体化がさらに進む危険があります。

情報セキュリティー ■進化し続ける脅威

情報セキュリティー10大脅威2020
前年順位「個人」向け脅威順位「組織」向け脅威前年順位
スマホ決済の不正利用標的型攻撃による機密情報の窃取
フィッシングによる個人情報の詐取内部不正による情報漏えい
クレジットカード情報の不正利用ビジネスメール詐欺による金銭被害
インターネットバンキングの不正利用サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃
メールやSMS等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求ランサムウェアによる被害
不正アプリによるスマートフォン利用者への被害予期せぬIT基盤の障害に伴う業務停止16
ネット上の誹諺(ひぼう)・中傷・デマ不注意による情報漏えい10
インターネット上のサービスへの不正ログインインターネット上のサービスからの個人情報の窃取
偽警告によるインターネット詐欺IT機器の不正利用
12インターネット上のサービスからの個人情報の窃取10サービス妨害攻撃によるサービスの停止
情報の機密性、完全性、可用性を確保することです。機密性は認められた人だけが情報に接することができること、完全性は情報が破壊・改ざん・消去されないこと、可用性は必要なときに情報に継続的に接することができることを指します。
社会のデジタル化が進むにつれて情報セキュリティー被害も増えています。経済産業省所管の独立行政法人、情報処理推進機構(IPA)によると、2020年度の情報セキュリティー脅威の1位は個人向けで「スマホ決済の不正利用」、組織向けで「標的型攻撃による機密情報の窃取」でした。情報セキュリティーへの脅威は進化し続けており、IPAは「定期的に脅威と対策の検討を見直す」よう呼びかけています。

デジタル・ガバメント ■ルールづくり不可欠
行政サービスのデジタル化・ICT(情報通信技術)化を目指す政府の取り組みです。行政手続きのオンライン化をはじめ、マイナンバーカードを通じた個人情報の収集・利活用や地方自治体サービスのデジタル化と標準化などを含みます。菅義偉政権は推進の司令塔としてデジタル庁の9月発足を目指します。
利便性が強調されますが、個人情報の集約は人工知能(AI)による人物像の推定と格付け(プロファイリング)につながりかねません。自治体システムの標準化は行政サービスを政府想定の「鋳型」にはめ込み、住民要求を切り捨てる仕組みに転化しかねません。個人情報保護や行政サービス拡充など、国民利益を守るルールづくりが不可欠です。



デジタル庁創設に向けたデジタル改革関連法案準備室の職員に訓示を行う菅義偉首相=2020年9月30日(首相官邸ホームページから)

ESG投資 ■企業の成長と両立
企業などへの投資にあたって、どのくらいもうけているかという財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の要素に果たしている企業の役割も配慮することです。
それぞれ、気候変動などへの対応をみる環境価値、社会への貢献などをみる社会価値、まともな企業経営かなどをみる企業価値とされます。従来の社会的責任投資(SRI)と比べて、企業の成長と両立させることをアピールする特徴があります。
ESGの視点を組み入れたものに国連の責任投資原則があり、日本の年金積立金管理運用独立行政法人が署名。順守状況を開示、報告する原則があります。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年1月5日付掲載


グローバル化、デジタル化。
6G(第6世代移動通信システム)の開発は、日本は中国やアメリカに遅れを取っています。
国際課税制度・ユニタリータックス(合算課税)で、多国籍企業の課税逃れを許さない。
情報セキュリティ、脅威から逃れるために細心の注意を。
行政サービスのデジタル化は、必ずしも便利になるものではありません。
そのなかでも、SDGs(持続可能な開発目標)が求められます。「誰一人取り残さない」がスローガン。
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