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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

これでわかる 安倍「働き方改革」⑤ 最低賃金 1000円遠く 地域差拡大

2017-08-31 13:34:37 | 働く権利・賃金・雇用問題について
これでわかる 安倍「働き方改革」⑤ 最低賃金 1000円遠く 地域差拡大

安倍政権の働き方改革実行計画では、「年率3%程度を目途」に最低賃金を引き上げ、「全国加重平均が1000円になることを目指す」ことを掲げました。これを受けて改定された2017年度の最低賃金の改定額が出そろい、全国加重平均(時給)で昨年より25円引き上げられ、848円となります。
最高額が東京都の958円、最低額が高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の8県の737円。東京都では、月収に換算(月の労働時間を173・8時間で計算)すれば、16万6000円、年収でようやく200万円程度の水準です。8県では月収で13万円に達せず、年収で154万円に届かない水準です。
全労連の加盟労組が全国各地で実施した最低生計費調査では、時給1400~1500円が必要です。
いま年収200万円に満たないワーキングプアは1130万人(国税庁「民間給与実態統計調査」)に達しています。この実態を改善するには、早急に全国で時給1000円を実現するとともに、1500円を目指すことが求められています。
しかし、実行計画通り年率3%で引き上げたとしても、1000円に到達するのは2023年。10年に民主党政権下で閣議決定された「20年までに全国平均1000円を目指す」とした目標からも後退しています。




人口流出の一因
今回の改定で、最高額と最低額の地域間格差が218円から221円に拡大しました。月収で3万6000円、年収で45万円程度の格差になる水準です。
全労連の最低生計費調査では、1カ月の生活に必要な生計費は、全国各地で大きな格差がありません。最低賃金の地域間格差が、地方から都市部に人口が流出し、地方の人口減少と疲弊を招く一つの原因になっています。
ところが、実行計画には地域間格差縮小は=言もふれていません。実行計画は「同一労働同一賃金の導入」を掲げました。しかし、例えばコンビニ店員の時給をみても、東京と地方では200円もの格差があります。同じ商品を売って同じ時間働いても、これだけの格差が出るのは、同一労働同一賃金の看板に逆行しています。

景気回復に必要
安倍政権が最低賃金の抜本的引き上げに背を向けているのは、大企業の収益はそのままにして、企業の生産性向上を前提としているからです。実行計画では、「中小企業、小規模事業者の生産性向上等のための支援や取引条件の改善を図る」としています。こうした立場から中小企業への支援は生産性向上のための設備導入への一部補助にとどまります。フランスなどが、保険料負担の軽減など直接的補助によって最賃を大幅に引き上げているのとは大違いです。
最低賃金の目的は、低賃金労働者の労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定を実現することと、労働力の質的向上と事業の公正競争の確保という二つの役割があります。(最低賃金法1条)
最低賃金の大幅引き上げは、低迷する日本経済のもとで、内需を拡大し、景気を回復するうえでも必要不可欠となっています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月30日付掲載


最低賃金。改定されてアップすることは良い事ですが…。額があまりにも低すぎる。最低でも時給1000円以上に。
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長時間・ただ働きの隠れみの 問われる「みなし労働時間制」 損保ジャパン日本興亜

2017-08-30 11:48:10 | 働く権利・賃金・雇用問題について
長時間・ただ働きの隠れみの 問われる「みなし労働時間制」 損保ジャパン日本興亜
営業職の裁量労働制撤回したが…


損保業界最大手の損保ジャパン日本興亜が、法令に反して「裁量労働制」を一般営業職にまで導入していたのを10月から撤回することになりました。労働者が「違法行為」と告発し、日本共産党の小池晃参院議員・書記局長が国会で追及していました。経過と問題点を改めてみてみます。


損害保険ジャパン日本興亜株式会社の本社ビル=東京都新宿区

裁量労働制は、いくら働こうが労使であらかじめ決めた時間(みなし労働時間)しか労働時間と認めない制度。専門業務と企画業務に限って認められていますが、長時間・サービス労働の温床となっているのが実態です。

3人に1人導入
同社は、対象外であるはずの営業や保険金サービスの職員にも広く適用しており、嘱託などをのぞく約1万8千人の職員のうち約6千人以上、3人に1人に「企画業務型」を導入。実際の残業は、月20時間とする「みなし(残業)時間」の2倍になっていました。
安倍内閣の「残業代ゼロ法案」(労働基準法改定案)には、裁量労働を「企画提案型」の名で営業職に拡大する改悪が盛り込まれており、同社は、これを先取りするものでした。
撤回理由について同社は、「労働時間を把握し、削減していく必要性がある」と説明。「適法」としてきたのを撤回するのは事実上、違法性の指摘を無視できなくなったものです。
小池氏は3月に参院厚生労働委員会で「人事部資料をみると(営業職は)企画業務型裁量労働制の対象だとはっきり書かれている。これは明らかに対象外だ。支店や支社の一般の営業職にまで導入されている。直ちに調査すべきだ」と追及。塩崎恭久厚労相(当時)は「労働基準法違反が確認された場合は、厳しく指導していかなければならない」と答えていました。




事業場外労働制
裁量労働制から外れる営業や保険金サービスの職員は、新たに「事業場外労働制」に変更されます。
これは、外回りの仕事などで「労働時間を算定し難いとき」に、「みなし労働時間」を導入できる制度(労基法38条の2)です。
例えば、午前9時に出社、すぐに外出し、午後5時に帰社。その後、4時間デスクワークを行い、同9時に退社したとします。昼休みの1時間を除いた実労働時間は11時間ですが、同社の事業場外労働制では、労働時間は8時間とみなされます。
同社は「訪問先が多岐にわたり、直行・直帰も多いので労働時間の算定が困難」(広報部)と説明します。
しかし、労働者からは、こんな声があがっています。
「損保の営業や保険金サービスで労働時間の把握は困難ではない。営業は代理店や得意先の訪問が中心で、保険金サービスは被害者宅や事故現場、病院などが主だ。行き先ははっきりしており、連絡も簡単に取れる。原則、帰社しデスクワークをして終えるのが一般的だ。この仕事に事業場外労働制を適用するのは違法ではないか」

最高裁も違法と
訪問先が多岐にわたるなどというだけでは該当しないことは、最高裁判決でも明確です。
阪急トラベルサポートのツアー添乗員が残業代の支払いなどを求めた事件で、最高裁は2014年1月、「事業場外労働制」の対象にはならないと認め、残業代などの支払いを命じました。
携帯電話で会社から指示を受ける仕組みになっていることや、労働者が作成する日報によって行動が把握されていることなどをあげて、「労働時間を算定し難いとはいえない」と判断したものです。
損保ジャパン日本興亜だけでなく、損保各社とも一定額の「みなし労働時間手当」を支払うことによって、残業代の支払い義務を免れる仕組みになっています。労働者からは「『みなし労働時間制』は、長時間労働とサービス残業の隠れみのとなっている。裁量労働制を撤回しても、別の違法な制度に乗り換えるのでは社会的責任が問われる」との声があがっています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月29日付掲載


外回りの間の労働時間を「みなし労働時間」で少なめに算定するなんで無茶苦茶。
外回りでは、交通機関の乗り継ぎや相手先との待ち時間などロスになるものもある。でも、それは仕事上必要な時間で、労働時間に算定しないといけない。
「外回りは喫茶店でさぼっている」ような誤解は間違いだ。
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これでわかる 安倍「働き方改革」④ 「同一労働同一賃金」 格差を温存・固定化

2017-08-28 10:31:43 | 働く権利・賃金・雇用問題について
これでわかる 安倍「働き方改革」④ 「同一労働同一賃金」 格差を温存・固定化

安倍晋三首相は「非正規という言葉を一掃する」「同一労働同一賃金を実現する」と繰り返してきました。
「同一労働同一賃金」とは、同じ価値を持つ労働をすれば、同じ賃金、同じ処遇をしなければならないという考え方です。
しかし、政府案では基本給や一時金(賞与)について、企業が判断する能力や業績、企業への貢献、人材活用の仕組みなどで「違いに応じた支給」をすればよいとしました。
格差を温存・固定化するものであり、「同一労働同一賃金」の名に値しません。

人材活用で差別
具体例を示した「ガイドライン(指針)案」では、「管理職コースの正社員の基本給が、同じ仕事をするパート社員より高い」とか、「目標達成の責任やペナルティーがないパート社員より、ペナルティーなどがある正社員の基本給が高い」というケースは問題とならないとしています。
賞与(ボーナス、一時金)についても、まったく支給しないのは問題だとするものの、「会社への貢献」に応じて格差をつけることを認めています。
通勤手当や食事手当など各種手当については同一・同率の支給とし、食堂など福利厚生施設についても同一の利用を求めています。
ただし、パート社員が採用された区域外へ転居した場合、通勤手当は採用区域内の分しか支給せず、正社員には全額支給しても問題ないとしています。
これでは勤務地変更がないパート・有期労働者の格差是正にはつながりません。ILO(国際労働機関)パート労働条約175号でこうした違いは認められておらず、世界的流れに逆行しています。
欧州で取り組まれている男女間の賃金差別の是正もまったく取り上げていません。
経団連は、企業が判断する「仕事・役割・貢献度」に応じて処遇すべきだと主張。正社員も非正規社員も企業の都合のいいように働かせる仕組みを求めてきました。こうした要求に沿う内容です。




■格差容認のガイドライン案
待遇項目主な内容
基本給能力などに応じて格差
一時金貢献などに応じて格差
役職手当役職・責任に応じて格差
教育訓練職務などに応じて格差
その他手当通勤手当は採用区域内
福利厚生食堂、休憩室は同一


立証の責任なく
政府案では、企業に対して不合理な格差の立証責任を求めず、労働者に説明すればよいとしました。しかし、仕事などを評価するのは使用者です。労働者に立証責任を課したままでは、是正を求めることも困難になります。立証責任は企業側に義務付けるべきです。
郵政グループでは、約19万人もの非正規労働者の多くが正社員と同じ職務や責任を担って働いています。
しかし、非正規社員には年末・年始手当や住居手当、夜間手当もなく、夏季・年末手当は年間100万円近い格差があります。夏期・冬期休暇もなく、病気休暇も無給です。
労働者は不合理な格差だとして裁判で是正を求めています。ところが、会社側は「人材活用の仕組み」の違いを理由に正当化しています。政府案ではこうした格差にお墨付きを与えかねません。格差を固定化する「抜け穴」を許さず、雇用形態や性別などすべての差別を禁止し、同一労働同一賃金の実現につながる法改正が求められています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月26日付掲載


非正規で多くの労働者を安い賃金で雇い、正規労働者と同じ仕事をさせている郵政グループは有名。
巨大企業から正していくことが求められます。

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これでわかる 安倍「働き方改革」③ 裁量労働制の拡大 営業職ただ働き広げる

2017-08-27 11:45:07 | 働く権利・賃金・雇用問題について
これでわかる 安倍「働き方改革」③ 裁量労働制の拡大 営業職ただ働き広げる

安倍「働き方改革」では、仕事の進め方などを労働者の裁量に委ねる「裁量労働制」を、営業職などにも拡大することをねらっています。
裁量労働制は、仕事の仕方を労働者の裁量に委ねる必要がある業務が対象で、使用者が出退勤時間などについて具体的な指示をしない働き方です。
労働時間は、実際に働いた時間に関係なく労使で協定した時間を労働時間とみなします。労使協定で8時間と決めれば、実際は10時間働いても残業代は支払われません。長時間・サービス労働の温床になっていると指摘されてきました。
裁量労働制には、専門業務型(1988年導入)と、企画業務型(2000年導入)の2種類があります。
専門業務は、新商品の研究開発、情報システムの分析・設計など19業務。企画業務型は、企業の中枢部門で企画、立案、調査、分析の業務が対象です。
厚労省の調査(2013年)によると、裁量労働の労働者は、最長で12時間以上働く人がいる企業の割合が、専門業務型で53%、企画業務型で45%にのぼっており、長時間労働が助長されています。
ただし、裁量労働制で働く労働者の割合は専門業務型1・2%、企画業務型0・3%にとどまっているため、財界・大企業は規制緩和や対象拡大を求めてきました。




提案営業に導入
政府案では、企画業務型に対して、「課題解決型提案営業」と「実施状況の評価を行う業務」を加えます。
「提案営業」とは、過労自殺した電通の新人女性社員が担当していた業務です。商品やサービスを売るだけでなく、顧客の要望にあわせて商品・サービスを提供する業務です。いまや営業の多くはこうした提案営業の側面を抱えています。
これが裁量労働に加えられると、飛躍的に裁量労働で働く労働者が増えることになります。成果を求められるため、電通社員のように、月100時間をこえる長時間労働になっても自己責任にされてしまい、長時間・サービス残業に拍車をかけるのは必至です。
裁量労働制では、裁量もない業務にまで適用されていることが問題になっています。
厚労省の調査(同)によると、「一律の出退勤時刻がある」が専門業務型で42・3%、企画業務型で50・9%。ほぼ半数がタイムカードなどで労働時間の申告が義務付けられています。遅刻すると上司から注意されるなど厳しい管理下に置かれており、「裁量」などありません。
しかも、対象外の業務にまで導入されているのが実態です。

脱法導入許さず
損保最大手の損保ジャパン興亜では、対象業務になっていない支店や支社の一般営業職に導入。職員1万8千人のうち6374人が対象とされ、昨年4~8月の残業時間は、月20時間の「みなし時間」の2倍でした。
この脱法的やり方を労働者が告発し、日本共産党の小池晃参院議員が国会で取り上げたことで問題となり、同社は10月から一般営業職への拡大を撤回することになりました。
しかし、改悪案が通れば、こうした違法な働かせ方が合法化されることになります。裁量労働制は拡大せず、脱法的やり方などを許さないように厳しく規制することが必要となっています。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年8月25日付掲載


裁量労働と言いながら、実際はノルマを求められているのが実態。
その裁量労働の適用範囲をひろげるなんてもってのほかですね。

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しんぶん赤旗囲碁将棋大会 兵庫県下各地で開催予定

2017-08-26 15:14:14 | いろんな取組み
しんぶん赤旗囲碁将棋大会 兵庫県下各地で開催予定


以下の日程で地区大会が開催されます。
直接会場に行って参加してください。
地区大会の上位入賞者(A級・B級)は10月9日(月・祝)の県大会に出場できます。

大会名開催日参加費会場名問い合わせ先
神戸地区大会9月17日(日)午前10時~
受付は9時30分~
一般:1,500円
高校生以下・女性・障がい者:1,000円
神戸市立新長田勤労市民センター
神戸市長田区若松町5丁目5番1号
電話:078-643-2431
兵庫県委員会(078)577-6255
阪神地区大会9月17日(日)午前10時~
受付は9時30分~
一般(A・B級):1,500円
障害者、中・高校生:1,000円
C級、小学生以下:500円
西宮市立若竹生活文化会館
西宮市西福町15番12号
電話:0798-67-7171
西宮・芦屋地区委員会(0798)23-2281
東播地区大会9月17日(日)午前10時~
受付は9時30分~
一般:1,500円
中高生:1,000円
小学生以下:500円
加古川市立勤労会館
加古川市野口町 良野 1739
電話:079-423-1535
東播地区委員会(078)927-7080
西播地区大会9月18日(月・祝)午前10時~
受付は9時30分~
一般:2,000円
高校生以下障害者:1,500円(昼食代含む)
姫路労働会館3階多目的ホール
姫路市北条1丁目98番地
電話:079-223-1981
西播地区委員会(079)288-4110
但馬地区大会9月24日(日)午前10時~
受付は9時~
一般:1,500円
小中高生:1,000円
(昼食代含む)
五荘コミュニティセンター
豊岡市上陰137-7
電話:0796-23-3745
但馬地区委員会(0796)22-6459
淡路地区大会8月20日(日)に開催済み淡路地区委員会(0799)24-2380
兵庫県大会10月9日(月・祝)午前10時~
受付は9時30分~
神戸市立新長田勤労市民センター
神戸市長田区若松町5丁目5番1号
電話:078-643-2431
兵庫県委員会(078)577-6255

みなさん、こぞって参加してください。
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