きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

認知症を知って穏やかな老後を② 3段階ある予防法 健康な時から正しく取り組めば 発症以降も進行ゆっくり

2022-12-07 07:23:52 | 健康・病気について
認知症を知って穏やかな老後を② 3段階ある予防法 健康な時から正しく取り組めば 発症以降も進行ゆっくり
鳥取大学医学部教授 浦上克哉さん

気と同じく1次から3次までの予防法があります。前回お話しした12のリスク因子を減らす、アロマセラピーや良質の睡眠などは、認知機能が正常もしくはMCI(軽度認知症と正常な状態の境界)のときから始めておきたい1次予防です。
(図1)



実際には、12のリスク因子を減らすこと自体、簡単ではありません。また、未解明のリスク因子や遺伝的な原因の場合もあり、現時点では予防できないケースが60%程度あるので、予防をがんばっても発症してしまうこともあります。それでも、老後も自分自身をコントロールできるようになる人が一人でも多くなるのであれば、予防法を周知しておくことは大事です。
食事も和食、地中海式食事、DASH食、MIND食などアミロイドβをためないものを心がけるといいですね。
(表参照)


認知症の予防になる食事の例
バランスが良いことが大切です。

和食大豆食品・野菜・海藻・乳製品・少量の米を中心とした献立
地中海式食事全粒穀物・野菜・果物・乳製品・オリーブオイルを毎日摂(と)り、魚・豆類・卵・脂身が少ない肉などを毎週食べる
DASH食(高血圧予防のために考案)塩分と炭水化物を抑え、カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維を多く摂る
MIND食(地中海式食事とDASH食を組み合わせたもの)野菜・豆類・全粒穀物・魚・鶏肉・ベリー・オリーブオイル・ワインを多く摂り、赤身肉・バター・チーズ・揚げ物やお菓子は避ける
(『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本~認知症を予防・克服する新習慣!』から)


発症以降も、早期発見・早期治療につながれば、薬の処方によって、認知症の症状の進行を遅くすることができます。この軽度認知症の発症以降が2次予防です。
さらに、来年承認される予定の新薬「レカネマブ」は、認知症の原因物質であるアミロイドβの生成を抑え、たまりにくくします。これまでの薬は症状の進行を遅くするものでしたが、レカネマブは原因物質の増加を抑えるのです。私は、これをMCIの段階で処方すれば、発症を抑えられ、“予防薬”の役割も果たすと考えています。医療の発展によって、早期発見・早期治療がますます大切になっているのです。

家族ケアも
中等度、重度の段階で行うのが3次予防です。どの段階でも、睡眠、食事、運動などの予防法は同じで、症状の進行をゆっくりしたものにできます。ただ、中等度、重度の段階で予防法を開始するのは大変なので、健康な時から取り組んだ方が、発症以降の経過を緩やかにすることができます。
認知症の症状として、家族や周囲の人たちが苦しむのが、暴力や暴言などが表れる行動・心理症状(BPSD)です。
かつては、行動・心理症状が表れてから医療にかかる人もたくさんいました。軽度の段階では、家族が認知症と気づかず、注意されたり、子ども扱いされたりして傷つき、関係が悪化した後で受診していたのです。暴力や暴言が表れた人でも、もともと怒りっぽい人は少なく、叱責を受けるなどして関係がこじれたケースが大半です。治療と合わせて、家族がケアの仕方を知ることで、行動・心理症状にならないようにすることができます。
新しい記憶が難しくなり、古い記憶で行動すると、昔の職場に出勤しようとして俳徊となったりします。家族が一緒に玄関を出て、グルッと近所を一周すれば、トラブルにならずに家に戻ることができたりします。
こうした症状が表れるのは、認知症の最後の方の一時期です。早期に治療し、介護制度を使って適切なケアが受けられれば、本人にも家族にも、穏やかな経過をたどることは可能です。



浦上克哉著『科学的に正しい認知症予防講義』(翔泳社発行)

日進月歩で
認知症医療は日進月歩です。予防可能な割合はもっと増えていくでしょう。
世間では、“これさえやれば防げる”という間違った情報や、消費をあおる情報が氾濫しています。“有酸素運動をすればよい”など、医学の発展で見直された情報もあります。高齢者の場合、有酸素運動だけをやりすぎると、筋肉量が落ちて、足が弱る原因となるのです。有酸素運動は1時間以内にして、筋力トレーニングと組み合わせることが大切です。「鳥取式認知症予防プログラム」のホームページでは、適切な運動法を紹介しています。
大切なのは、科学的に正しい予防法を普及させることなのです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年12月6日付掲載


実際には、12のリスク因子を減らすこと自体、簡単ではない。食事も和食、地中海式食事、DASH食、MIND食などアミロイドβをためないものを心がけると良い。
どの段階でも、睡眠、食事、運動などの予防法は同じで、症状の進行をゆっくりしたものにできる。
来年承認される予定の新薬「レカネマブ」は、認知症の原因物質であるアミロイドβの生成を抑え、たまりにくくします。これまでの薬は症状の進行を遅くするものでしたが、レカネマブは原因物質の増加を抑えられる。
認知症治療は日進月歩。新しい情報を得て、正しい治療方法を。
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認知症を知って穏やかな老後を① 12の「リスク因子」 40%は発症を予防できる 補聴器・良質な睡眠・アロマ…活用で

2022-12-06 07:14:29 | 健康・病気について
認知症を知って穏やかな老後を① 12の「リスク因子」 40%は発症を予防できる 補聴器・良質な睡眠・アロマ…活用で
認知症は早期発見、早期治療が大切。最近はリスク因子がわかり、薬も開発されて、予防が可能になってきました。鳥取大学医学部教授の浦上克哉さん(日本認知症予防学会理事長)に、なぜ予防が大切なのか聞きました。
(手島陽子)

鳥取大学医学部教授 浦上克哉さん
うらかみ・かつや 1990年鳥取大学脳神経内科に勤務、2001年同大学医学部保健学科教授。
11年日本認知症予防学会を設立し、初代理事長に。著書に『科学的に正しい認知症予防講義』『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本認知症を予防・克服する新習慣!』(監修)など。



もの忘れがあると、認知症かと不安になります。“朝食べたものが何だったか”を忘れるのはもの忘れですが“食べたこと”を忘れるのが認知症です。
かつては認知症というと突然、“俳徊”や暴力が始まるイメージで、怖い病気と思われがちでした。近年、認知症の多くが数十年かけてゆっくり変化し、穏やかに推移することがわかってきました。(図1)




認知症にはいろいろな病型があり、大半を占めるのがアルツハイマー型認知症です。アルツハイマーはアミロイドβたんぱくが20~30年かけて脳にたまり、神経細胞が少しずつ衰えてしまう病気です。アミロイドβがたまらない生活をすることで、予防することができます。
エビデンスのある認知症予防法として、医学誌『Lancet』の2020年の論文では、喫煙や社会的孤立など12のリスク因子が挙げられています。それによると、認知症の4割はリスク因子を減らせば予防できる、とわかってきました。(図2)


図2 認知症の12のリスク因子(合計40%)
教育歴   7%若年期(45歳未満)
難聴    3%中年期(45~65歳)
頭部外傷  3%
高血圧   2%
過剰飲酒  1%
肥満    1%
喫煙    5%高齢期(66歳以上)
抑うつ   4%
社会的孤立 4%
運動不足  2%
大気汚染  2%
糖尿病   1%
今後明らかになる因子(睡眠など)、
生まれつきの体質など:約60%
(『Lancet』2020から作成)


難聴の影響
リスク因子として一番高いのは難聴です。老化すると、誰でも聴力が弱るのですが、中年期に難聴だった人に影響が顕著に表れたことから、認知症との関連性がわかってきたのでしょう。老年期以降の聴力の低下も、コミュニケーション障害につながりますし、認知機能への影響は大きいといえます。
予防法としては、補聴器を使うこと。最近の補聴器は性能がいいので、認知機能を維持するのに役立つ一方、操作が複雑で、認知症を発症してからでは使い方を覚えられません。聞こえにくさを感じたら、早めに使うことをおすすめします。また、補聴器を使い始める前段階として、聴力のリハビリという方法もあり、さらに研究が進むのではないかと思いよす。
『Lancet』には出ていませんが、多くの論文で立証されているのが、良質の睡眠の有効性です。アミロイドβは睡眠中に除去されることがわかってきたのです。睡眠の質を上げるためには、起床時聞や寝る時間、昼間の適度な運動など、24時聞トータルで生活リズムを整えるとも大切になります。時間は6~7時間がよいですが、質が悪ければアミロイドβは分解されません。昼寝するとしても30分以内にして、夜の睡眠の質を高めることが大切です。

嗅覚も関連
もう一つ、研究途上のリスク因子として、アルツハイマーでも、次いで多いレビー小体型でも、嗅覚との関連性が挙げられます。私自身、長年臨床に携わった経験からも、患者さんはまず匂いがわからなくなり、認知症を発疲する人が大変多いのです。嗅神経は、記憶を司る(つかさどる)海馬につながっています。
神経細胞の中でも、まず嗅神経が衰えはじめ、海馬の変性へとつながり、やがて大脳皮質に広がって症状が進むと考えられます。最近は医療メーカーが、嗅覚の衰えで認知症を早期発見するキットを開発し、実用化も進んでいます。
私自場が地域で調査したところ、嗅覚が先に調子が悪くなり、しばらくすると症状が起こっていることが顕著でした。アミロイドβたんぱくも、ごく初期の段階から嗅覚神経でたまっていました。
予防法として、多くの患者さんにアロマを試してもらったところ、認知症の進行がなだらかなものに抑制されている様子が、臨床の場で見られました。弱っている嗅神経をアロマによって活性化し、海馬に変性が及ばないように予防できると考えています。アロマ療法は究極の認知症予防法だと実感しています。

【おすすめのアロマ】
〈昼用〉ローズマリーカンファー2滴+レモン1滴
〈夜用〉ラベンダー2滴+スイートオレンジ1滴
(香りが強いときは半分に減らす)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年12月5日付掲載


認知症にはいろいろな病型があり、大半を占めるのがアルツハイマー型認知症。アルツハイマーはアミロイドβたんぱくが20~30年かけて脳にたまり、神経細胞が少しずつ衰えてしまう病気。
認知症の4割はリスク因子を減らせば予防できる。
リスク因子として一番高いのは難聴。予防法としては、補聴器を使うこと。最近の補聴器は性能がいいので、認知機能を維持するのに役立つ一方、操作が複雑で、認知症を発症してからでは使い方を覚えられません。聞こえにくさを感じたら、早めに使うことをおすすめ。
良質の睡眠の有効性。アミロイドβは睡眠中に除去。
もう一つ、研究途上のリスク因子として、アルツハイマーでも、次いで多いレビー小体型でも、嗅覚との関連性。アロマが良いとか。
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男性更年期障害の改善法 ストレス減らし男性ホルモン増 テストステロン高める生活習慣を

2022-05-01 07:07:09 | 健康・病気について
男性更年期障害の改善法 ストレス減らし男性ホルモン増 テストステロン高める生活習慣を
男性の更年期障害は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」の低下が招く病気です。「生活の見直しやホルモン補充療法で、症状の改善は可能です」。こう話すのは、順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学の堀江重郎(しげお)教授です。
須藤紀江記者

順天堂大学大学院教授 堀江重郎さん
「テストステロンが低下しているうつ病患者の半数以上がホルモン補充療法で症状が改善します。血液検査で血中濃度を調べることをお勧めします」と堀江重郎教授

―4月10日号では、受診前の自己チエック表「加齢男性症状調査票(AMS)」を紹介しました。合計50点以上は重症で「すぐに医療機関を受診する」でした。では27~49点の軽症~中等症の対策は?
まずは「テストステロンを上げる新生活習慣」を始めることです。四つのヒントを紹介します。(図1)
①は「就労環境の見直し」です。“社会性ホルモン”と呼ばれるテストステロンは、仕事に達成感があれば上がります。一方、仕事が長時間になったり、高い目標設定でがんばりすぎたり失敗したりすると激減します。仕事の何がストレスを高めているかを見極めて改善していきます。
②は「友達と会う」です。仕事の利害関係がない、気の置けない友人がベストです。リラックスして懐かしい学生時代のことなど語りあううちにテストステロンが上がっていきます。とくに退職後の男性に必要です。退職前から地域や趣味のコミュニティーに参加しましょう。
③は「定期的な運動を生活に取り入れる」です。多忙でも筋トレや階段の上り下り、速歩きなどの適度な運動を毎日10分程度、継続して行います。チームで競いあうスポーツや、ヨガなどもお勧めです。ヨガは有酸素運動、筋肉強化に加えてマインドフルネス(深く穏やかな呼吸で「今この瞬間」に集中して心を落ち着かせる訓練)の要素もあり、テストステロンを上げる効果があります。
④は「テストステロンを上げる食材をとる」です。図2に入手しやすい代表的なものを挙げました。基本はたんぱく質をしっかりとり、炭水化物もある程度とることです。
こうした生活の見直しを行っても、症状が続き生活に支障が出ていれば受診しましょう。AMSで重症と判定された人はただちに受診します。放置すると命にかかわることもあります。



【テストステロンを高める食材】
たんぱく質をしっかりとろう
【畜産食品・乳製品】牛肉、羊肉、卵、ヨーグルト
【魚介類】マグロ、サケ、カキ、アサリ
【野菜】ニンニク、ブロッコリー、ホウレンソウ、カボチャ、セロリ、セリ、タマネギ、アボカド
【キノコ類】マッシュルーム
【果物】バナナ、パイナップル
【その他】ナッツ、唐辛子、ごま油、オリーブオイル、蜂蜜
『LOH症候群』(堀江重郎著、角川新書)をもとに作成


ホルモン補充療法
診断は、問診と採血検査で行われます。
血液中のテストステロンの値がそれほど低下していなければ、生活の見直しと合わせて漢方薬や症状に応じた薬を使い治療します。
血液中の総テストステロンが著しく低下し心身の症状が強い場合はテストステロンを補充します(ホルモン補充療法)。ストレスにさらされた脳の悪循環を断ち切り、脳を再起動することができます。
健康保険が適用される補充療法はテストステロン製剤の筋肉注射です。2~4週間に1回投与します。約3カ月間で治療効果が確認できれば1年間を目安に継続します。
年齢を問わず行えますが、テストステロンを長期間補充すると精子をつくる機能が抑制され男性不妊を招くおそれがあります。将来子どもを希望する場合は、HCG(女性ホルモンの一種)の投与でテストステロンの分泌を促します。この治療は男性不妊症の治療にも用いられます。
「補充療法で前立腺がんにかかるリスクが上がるのでは」と心配する声を耳にしますが、リスクは上がらないことがわかっています。ただ前立腺がんがあると症状が進むおそれがあるため補充治療は行いません。
肝臓病や睡眠時無呼吸症候群がある場合も症状悪化の可能性があるため行えません。
テストステロン補充療法はホルモンの不足を補うということなので基本的には安全な治療です。しかし投与量が多くなると血液の濃度が上がる「多血症」などの副作用を起こすことがあります。
大事なことは、テストステロンが低下する病気の知識が豊富で、薬剤の作用、副作用について熟知している医師にかかることです。日本メンズヘルス医学会はWEBサイト(別項①)で全国のテストステロン治療認定医を紹介しています。
―患者の8割超が未受診だそうですね。
「HPテスティング®(唾液中テストステロン簡易測定)」を利用して「こんなに低かったのか」と気づいたことが受診のきっかけになる人がいます。検査キットを購入し検体を郵送すれば自分テストステロン・レベルがわかります。(別項②)意欲、認知力、体力の源となって私たちの社会活動を支えてくれるテストステロンの低下を放置せず、少しでも長く自立した生活をめざしましょう。



①テストステロン治療認定医一覧
日本メンズヘルス医学会
https://www.mens-health.jp/clinic

②HPテスティング(テストステロン簡易測定)
ホルモンテスティング合同会社
https://hptesting.jp/

「しんぶん赤旗」日曜版 2022年4月24日付掲載


男性の更年期障害は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」の低下が招く病気。
テストステロンが低下しているうつ病患者の半数以上がホルモン補充療法で症状が改善。
まずは「テストステロンを上げる新生活習慣」を始めること。
「就労環境の見直し」「友達と会う」「定期的な運動を生活に取り入れる」「定期的な運動を生活に取り入れる」
HPテスティング®(唾液中テストステロン簡易測定)の検査キットを購入して検体を郵送すれば自分テストステロン・レベルが分かるそうです。
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男性更年期障害かも なんとなく不調、イライラ、突然の発汗

2022-04-10 07:09:55 | 健康・病気について
男性更年期障害かも なんとなく不調、イライラ、突然の発汗
「なんとなく不調」「突然のほてりや発汗」などの症状が表れる「男性更年期障害」。体と心につらい症状があっても「年のせい」「ただの疲れ」と見逃されがちです。男性ホルモン低下の原因は?症状を見分ける方法は?順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学の堀江重郎教授に聞きました。
須藤紀江記者

順天堂大学大学院教授 堀江重郎さん
ほりえ・しげお=帝京大学医学部主任教授を経て現職。日本メンズヘルス医学会理事長。精度の高い泌尿器手術を行う一方、日本初のメンズヘルス外来を開設。近著に『LOH症候群』(角川書店)

男性ホルモンの急減40代以降
男性の更年期障害は、男性ホルモンの一種である「テストステロン」の分泌が急激に減ることで心身に深刻な症状が起きることが原因です。医学的には「LOH(ロー)症候群」と呼ばれる病気です。LOHとはLate Onset Hypogpnadismの頭文字を取ったものです。加齢に伴ってテストステロンの値が病的に下がるという意味です。
男性は必ず更年期を迎えるわけではありませんが、30代以降の男性なら誰にでも起こる可能性があります。
更年期で悩んでいる男性は、推定約600万人(40代以降の男性6人に1人)ですが、症状のある人の8~9割の人が未受診です。
テストステロンは女性のからだでもつくられていますが、男性の場合は、脳の下垂体からの指令を受けて主に精巣でつくられます。
テストステロンの作用と役割は多岐にわたります。
身体への作用は、筋肉や骨を強くすることや、血管や血液、脂質代謝、性機能などの健康を保つことです。認知機能の低下や老化を防ぎ、健康寿命を延ばす作用もあり、さらに精神面では社会貢献志向、挑戦意欲や冒険心、競争心、仲間意識などに作用します。
そのため、テストステロンの分泌が低下すると、体と心にさまざまな影響が表れます。(図1)


図1 男性更年期障害の症状
身体症状●筋力低下、筋肉痛●疲労感●ほてり、発汗●性機能低下●頭痛、めまい、耳鳴り●頻尿●朝立ちの消失
精神症状●健康感の減少●不安●イライラ●集中力の低下●記憶力の低下●うつ●不眠●性欲の減少


生活習慣病にも
深刻な病気につながることもあるので要注意です。
テストステロンには、臓器の機能を維持し、炎症を抑える作用があります。テストステロンが減少すると、中性脂肪や悪玉コレステロールの代謝が低下し、内臓脂肪や皮下脂肪が増えやすくなります。その結果、肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を発症し、動脈硬化の原因にもなります。
また、血液の流れをよくする働きがあるテストステロンの減少を放っておくと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞、狭心症、脳卒中といった命に関わる病気のリスクが高まるのです。
「イライラして家族に当たってしまう」「笑わなくなった」「いろんなことがおっくうになってきた」などに本人や家族が思い当たる場合は、図2の質問に5段階で答えて合計点を出してください。
この「AMS調査票」は、更年期障害の治療現場でも使われているものです。合計点が27~49点は軽度~中等度、50点以上は重度と判定されます。
重度ならば、すぐに医療機関を受診してください。診断は泌尿器科あるいはメンズヘルス外来、男性更年期外来を専門としている医療機関で行っています。日本メンズヘルス医学会のWEBサイトには全国の専門医のリストを紹介しています。問診と血液検査で診断が確定すれば、ホルモン補充療法を含めた治療が保険診療で受けられます。


まずはセルフチェックを
図2 更年期症状のセルフチェック

加齢男性症状調査票(AMS)
質問項目点数
総合的に調子が思わしくない
関節や筋肉の痛み
ひどい発汗
睡眠の悩み
よく眠くなる、しばしば疲れを感じる
イライラする
神経質になった
不安感
からだの疲労や行動力の減退
筋力の低下
憂うつな気分
「人生の山は通り過ぎた」と感じる
「力尽きた」、「どん底にいる」と感じる
ひげの伸びが遅くなった
性的能力の衰え
早朝勃起の回数減少
性欲の低下
各項目を「ない」1点、「軽い」2点、「中等度」3点、「重い」4点、「きわめて重い」5点で記入。合計点で男性更年期障害の症状の重症度を見る。
17~26点「健康」27~36点「軽度」37~49点「中等度」50点以上「重症」
「加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き2022」をもとに作成


原因はストレス
テストステロンが減少する原因で最も多いのはストレスです。現役世代は過労や人間関係のトラブル、コロナ禍の失職や仕事のやり方の変化などが引き金になっています。退職後に社会的な活動やいっしょに趣味を楽しむ仲間や居場所をつくれないことが原因になる人も増えています。
いま男性更年期障害が注目される背景には、中高年を取り巻く社会的な環境が影響しているといわれます。“社会性のホルモン”といわれるテストステロンが減ってしまう男性更年期障害の原因と症状をよく知り、改善につなげていきましょう。

メンズヘルス外来



「しんぶん赤旗」日曜版 2022年4月10日付掲載

男性の更年期障害セルフチェックの表は良いですね。
僕の場合、「性的能力の衰え」や「早朝勃起の回数減少」はありますけど、筋力の衰えや気分的な衰えはないですね。22点ぐらいでしょうか。
テストステロンが減少する要因のストレス。気分転換でストレスをためないようにしているので大丈夫です。
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脳は何歳になっても成長する カギは知的好奇心 ワクワク 楽しさ大切に

2022-04-05 06:21:58 | 健康・病気について
脳は何歳になっても成長する カギは知的好奇心 ワクワク 楽しさ大切に

新しいことを始めたくなる春がやってきました。脳にどんなよいことがあるのでしょうか。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授に聞きました。
(染矢ゆう子)

東北大学加齢医学研究所教授 瀧 靖之さんに聞く



若いときだけでなく、いくつになっても脳はその機能を高めることができることがわかってきました。
脳は学んで取り入れた情報で、神経のつながりを新たにつくります。その後使わない“道”は壊したり、何回も使うと強固になったりして、最適な“道”ができていきます。

見る世界変化
ピアノを弾くときに最初はぎこちなくしかできないけれど、練習するうちに上手に弾けるようになるのは、最適化が行われているからです。
脳の変化する力が一番高い時期は若いときです。運動や楽器演奏にかかわる運動野は、3~5歳くらいに発達のピークを迎えます。その時期を過ぎると習得するために必要な時間は増えますが、何歳から始めても脳が変化し、あるレベルに達することができるのです。
いくつになっても手遅れということはありません。50歳からピアノを始めても、80歳や90歳から英会話を始めても、ちゃんと伸びるということがさまざまな研究からわかっています。
感情をつかさどる扁桃体と記憶を司る海馬は近くにあり、密接なつながりがあると考えられています。ワクワクしたり、楽しいことは覚えやすいのです。
知識があると、見える世界が変わり、興味が広がります。何回もその対象に触れることで好きになり、もっと知りたいと没頭するようになります。




趣味を持てば
私たちの調査では、知的好奇心のレベルが高い人ほど、「側頭頭頂部」の萎縮が少ないことがわかりました。
ここは、考えたり判断する高次認知機能を操る領域です。20代後半をピークに、加齢とともに萎縮が進む箇所でもあります。
楽しい趣味の活動をたくさんすることで、脳が若く保たれるのです。さらに、自分が幸せだと感じることも脳にいいといわれます。趣味活動をすること、知的好奇心をもつことは本人だけでなく、家族にとっても、社会にとってもいいのです。
カメラや絵画、釣りやスポーツ、俳句、囲碁、将棋など、どんな趣味でもいい。昔やっていたことを始めてみるのもよいです。昔のことを思い出すことは、全世代にとっていい。人とのつながりを感じられるからです。
楽器演奏もお勧めです。脳がより若く保たれます。楽譜を理解したり、細かく指を動かしたりするなど、脳のあらゆる領域を使い、何より楽しいからだと思います。
趣味をもつと、外に出かけていくようになります。運動はとりわけ脳にいいのです。有酸素運動をすると神経細胞の生まれ変わりが加速します。海馬が大きくなり、記憶力も維持されます。




息弾む運動も
週に何回か、息が弾む程度の運動をやるといいといわれています。歩くときに少し早歩きをする、階段を使う頻度を増やすなど、日々の生活で運動を増やす工夫をします。無理はしないで、歩くだけでも十分です。
運動をすると不満やストレスも減ります。ストレスは扁桃体の過活動が原因で起こるので、運動することで抑えられるのです。
趣味を始めると、人との出会いや会話が増えます。対面での会話は情報巖が多いのです。コミュニケーションは、言葉以外の情報が半分以上を占めるといわれています。
表情やしぐさで、相手がどういう気持ちでいるかがわかります。相手に共感したり、相手を思いやって話す言葉を考えたりなどと、脳がフル稼働します。オンラインの会話でも、言葉だけより画面越しにするなど、なるべく情報量を増やすことが脳にもよいのです。
人は刻々と変化しているので、身近な人とのコミュニケーションも大切です。趣味は、身近な人とのコミュニケーションの道具にもなるのです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年3月26日付掲載


いくつになっても手遅れということはありません。50歳からピアノを始めても、80歳や90歳から英会話を始めても、ちゃんと伸びるということがさまざまな研究からわかっています。
感情をつかさどる扁桃体と記憶を司る海馬は近くにあり、密接なつながりがあると考えられています。ワクワクしたり、楽しいことは覚えやすい。
カメラや絵画、釣りやスポーツ、俳句、囲碁、将棋など、どんな趣味でもいい。昔やっていたことを始めてみるのもよいです。昔のことを思い出すことは、全世代にとっていい。人とのつながりを感じられるから。
趣味をもつと、外に出かけていくようになります。運動はとりわけ脳にいいのです。有酸素運動をすると神経細胞の生まれ変わりが加速します。海馬が大きくなり、記憶力も維持される。
年金者組合のやっている、楽しみ7分、活動3分っていうのは科学的根拠があるんですね。
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