きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

福島原発事故は「人災だった」 東電元社長が語った後悔

2022-11-06 07:05:26 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
福島原発事故は「人災だった」 東電元社長が語った後悔
「しんぶん赤旗」社会部長 三浦誠

福島第1原発事故を「人災だった」と言い切った東京電力元社長がいます。南直哉(みなみ・のぶや)氏(86)です。事故の少し後から、今年10月24日に亡くなるまで定期的に南氏を取材してきました。原発を必要とする持論を曲げることはありませんでしたが、事故の反省を繰り返し述べていました。「(東電が)傲岸(ごうがん)で思いあがっていることがあった」と。
南氏は電気事業連合会の会長も務めました。2002年に点検データ改ざんの責任をとって東電社長を辞任。事故当時は東電顧問でした。



南直哉東電元社長(東電提供)

電力業界の本丸
なぜ事故が起きたのか―。そんな疑問をぶつけるため、雨のなか自宅前で待っていました。妻が運転する車で帰宅した南氏は、ぬれた姿を気の毒に思ったのか、こう言って家に入りました。「取材を受けるので、東電顧問室に来なさい」
東電本社近くにあった顧問室を訪問したのは、11年7月7日。南氏は「あんな事故が起こると思っていなかったのは傲岸だった」として、突然、日本共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の国会質問について語りだしました。
「吉井さんの質問を現役時代に聞いていれば検討したかもしれない。正直言って今回の事故が起きるまで知らなかった」
吉井氏は事故前に、巨大地震で原発の外部電源や非常用電源が断たれ炉心が冷却できなくなる最悪の事態を想定するよう国会で求めていました。財界、電力業界の本丸ともいえる東電の元社長が、共産党の国会質問にふれ悔悟の念を吐露したことは驚きでした。



福島第1原発1号機。右側は2号機=2021年2月5日(本紙チャーター機から佐藤研二撮影)

「あせりがでた」
木川田一隆元社長(故人)による原発建設の黎明(れいめい)期についても何度か話を聞きました。木川田氏は当初、原発に「非常に慎重」でした。それが関西電力に先を越されたことで「あせりがでた」といいます。
木川田氏は故郷、福島県で関西電力とは型式の違う沸騰水型原発(BWR)の建設を決め、米GE社と「ターンキー契約」をします。設計から建設、試運転までGE社が責任をもつという内容です。
南氏は付き合いのあった中島篤之助氏(故人、非核の政府を求める会常任世話人)から「もうけ主義の民間に原発をやらせると手を抜く」と言われたとしてこう続けました。「その通りになった。GEは津波のことを考えていなかったから非常用発電機を地下にいれた」
事故に話が及ぶときは、いつも目を閉じ、苦しそうに話していました。立地の問題も再々指摘していました。「30~40メートルあった崖をけずり、(海面から)10メートルのところに原発を設置した。崖の上にポンプを循環するとエネルギーロスが大きくなるからだ。それで津波にやられた。電気設備は水につかるとパンクするのは、それは電気屋の常識だ。検討すべき余地がたくさんあった。これは本当に人災だ」
事故から11年がすぎたいま、岸田文雄首相は原発の最大限活用へとかじを切っています。首相から南氏のような事故への反省や苦悩の言葉は聞かれないままです。もうけ主義から原発を推進し、再び人災を起こすことは決して許されません。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年11月5日付掲載


福島第1原発事故を「人災だった」と言い切った東京電力元社長が。南直哉(みなみ・のぶや)氏(86)。事故の少し後から、今年10月24日に亡くなるまで定期的に南氏を取材。原発を必要とする持論を曲げることはありませんでしたが、事故の反省を繰り返し述べて。
南氏は「あんな事故が起こると思っていなかったのは傲岸だった」として、突然、日本共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の国会質問について語りだしました。
「吉井さんの質問を現役時代に聞いていれば検討したかもしれない。正直言って今回の事故が起きるまで知らなかった」
GEは津波のことを考えていなかったから非常用発電機を地下にいれた。
30~40メートルあった崖をけずり、(海面から)10メートルのところに原発を設置した。崖の上にポンプを循環するとエネルギーロスが大きくなるからだ。それで津波にやられた。
事故から11年がすぎたいま、岸田文雄首相は原発の最大限活用へとかじを切っています。首相から南氏のような事故への反省や苦悩の言葉は聞かれないままです。もうけ主義から原発を推進し、再び人災を起こすことは決して許されません。
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電力はひっ迫したの? 初の注意報 報道は不安あおったが

2022-07-13 07:11:53 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
電力はひっ迫したの? 初の注意報 報道は不安あおったが
「注意報」は第一段階 軽視しないが冷静に
大企業の節電こそ威力を発揮


京都大学大学院特任教授 安田陽さんに聞く


6月27日から30日にかけて、経済産業省資源工ネルギー庁から、初の電力需給逼迫注意報が出ました。それをきっかけに、「再工ネは不安定」「原発再稼働を」という主張も聞かれるようになりました。どう見たらいいのでしょうか。京都大学大学院特任教授の安田陽さんに聞きました。
(手島陽子)

政府が電力逼迫注意報や警報の基準を定め、今回、発令したことは、リスク管理としてよいことです。問題は、いたずらに不安を煽る報道です。大雨洪水注意報や津波注意報はしばしば発令されますが、注意報で右往左往する人はいませんよね。
電力の場合、需要に対して供給力の余裕がどの程度かを示す予備率が5%を下回る見込みなら「注意報」、3%なら「警報」を発令します。警報の時点で節電要請があり、節電しても逼迫した場合は部分的な計画停電となります。急な停電にならないために何段階もチェックポイントがあり、「注意報」は第1段階なのです。リスクを軽視してはいけませんが、不安を煽るのもよくありません。

供給増よりも需要の調整を
今回の需給逼迫の主原因は、季節外れの猛暑による需要増加と考えられます。例年、需要増は7月後半から始まるのですが、今年は梅雨明けが観測史上最も早く、8月並みの気温が1週間も続きました。
一方、供給側は、6月は需要の少なさを念頭にメンテナンスなどで休止している設備が多く、東京エリアでは、過去7年間で見ても6月中に50GW(ギガワット)を超えた年はありません。梅雨明けと猛暑の到来が、半月も前倒しで来てしまう異常気象で、需要が突発的に増えたのです。これを早めに察知し、供給を準備するというのは困難だと思います。
例年の需要を想定して、供給を準備するわけですから、今回のケースは、発電所を増やせば解決するという問題ではありません。こういう時、“供給量を増やせ”“原子力だ”という議論がすぐ出てきます。
突発的な需要の急増に対して、原発などの発電所を増やしても、急に運転できるわけではないので、確実ではありません。突発的な事態には、省エネやデマンドレスポンス(需要応答、供給量に合わせて需要を調整すること)が一番合理的です。




個人には限界 建物を断熱化
今後、夏の需要のピークが8月にくるので、そのときに注意報や警報が出る可能性はあります。その際、節電対策を個人の努力任せにするのは本末転倒です。工場や商業施設などでデマンドレスポンスを行う対策の方が優先順位が高いです。
大手企業が実行すれば、1%程度の不足を補う威力を発揮することもあります。技術的には、事前の契約に基づいて、遠隔操作や自動で温度設定を変える方法もあります。
個人でできるのは、健康を害してまで節電するなどの不適切な行動をとらないことです。むしろ、お店に入って過剰冷房であれば、やんわりとクレームするなど、企業を動かすことが先決でしょう。
冬はさらに需給が逼迫すると予想されていますが、対策はまず省エネです。建物の断熱化が不十分な日本で、供給だけを増やそうとするのは、例えると、穴だらけのバケツに、せっせと水を汲み入れるようなもの。穴をふさぐのが先です。窓を二重ガラス・樹脂サッシにするだけでも、エアコンの余計な運転を減らすことができます。企業や店舗などでも二重ガラスにするなど、冬までの数カ月間にできる対策はかなりあります。

風力発電など再エネ主体に
新築の断熱化が2025年から義務付けられますが、いまからでも、住宅業界の努力で、高断熱化した住宅を供給することだと思います。購入側にとっても、20年住めば電気代や暖房費の節約で、支出以上の便益を得られます。収入が低い人でも、補助金で断熱化できるようにすることもよいでしょう。
今回の異常気象は、気候危機の影響の可能性が高いです。火力発電に頼ってきた政府や企業の責任は大きいです。太陽光発電だけでなく、夜も供給できる風力発電を増やし、再エネ主体の社会に転換していくことが必要です。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年7月12日付掲載


「注意報」は第一段階 軽視しないが冷静に
大企業の節電こそ威力を発揮
今回の需給逼迫の主原因は、季節外れの猛暑による需要増加と考えられます。
供給増よりも需要の調整を
突発的な事態には、省エネやデマンドレスポンス(需要応答、供給量に合わせて需要を調整すること)が一番合理的。
節電対策を個人の努力任せにするのは本末転倒。工場や商業施設などでデマンドレスポンスを行う対策の方が優先順位が高い。
太陽光発電だけでなく、夜も供給できる風力発電を増やし、再エネ主体の社会に転換していくことが必要。
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小水力で大きな未来 自然とともに高原町の挑戦 町のための再エネへ

2022-01-06 07:12:42 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
小水力で大きな未来 自然とともに高原町の挑戦 町のための再エネへ
雄大な高千穂峰を仰ぐ宮崎県高原(たかはる)町。豊かな緑と霧島連山のふもとから湧き出る水に恵まれたこの地で、小水力発電に挑戦している人々がいました。高原町を訪れました(手島陽子)



高原町の狭野(さの)地域。川のせせらぎが聞こえ、高千穂峰が見わたせます。狭野土地改良区事務所で、理事長の新地和廣(しんちかずひろ)さんら、小水力発電にかかわる人々が出迎えてくれました。
小水力発電は川や農業用水路を使った小規模発電です。再生可能エネルギーの中でも、自然への負荷が少なく、電気を安定供給できるのが特徴。同地域のパイプライン(農業用水路)の水を利用した小水力発電所第1号は昨年春完成しました。パイプラインの高低差は49メートル、最大使用水量が1秒あたり0・078立方メートルあり、発電する条件としては十分。最大発電出力は19・9キロワット、年間可能発電量9万6189キロワット時、40世帯程度を賄う発電量です。
「20キロキロワットを超えると専門の管理者を置かなくてはならないため、発電量を20キロワット未満に抑えたとです」と新地さん。



写真右上から、中央、左下へ:狭野土地改良地区小水力発電所
小水力発電所内の設備について話す新地さん
高原町のいたるところで、澄んだせせらぎが聞こえます

「水路もったいない」
十数年前の圃場(ほじょう)整備でパイプラインを設置。農閑期に使わないので「もったいない」と、発電を検討してきました。
日本共産党の中村昇町議も、かつて町議会で小水力発電を推進するように質問しました。「気候危機の間題が差し迫る中、再生可能エネルギーを広げることは地球にとっても大切な課題です」と話します。
新地さんは、「ほかの地域では年々、土地改良区の賦課金を値上げしちょるけど、この地域は組合員への負担をなるべく抑えられないかと…。売電収益を財源に充てられたら、値上げを抑えられると考えちょったとです」と。農業は担い手不足。今後かさむ維持管理経費をどう賄うか、気がかりでした。当初は、発電量が少なすぎると断念。2013年、転機が訪れました。
「北原(慎也)さんが東京から移住してきて、『水があるよね。(川などの高低)落差がすごい。やろうよ』と声を上げたのです」。こう話すのは、土地家屋調査士業と測量会社を営む外村昭徳さん。新地さん、北原さんらと地元の自然エネルギー協議会を結成した中心メンバーです。



高千穂峰を背に、(右から)中村町議、外村さんと新地さん、反田吉己・無所属町議、大迫恒作さん、北原さん

使いづらい補助制度
小水力発電の技術は進歩しています。北原さんの情報をもとに、新地さんたちは検討を重ねます。県からの約2200万円の補助金、残り約2200万円は土地改良区が融資を受けて建設に踏み出しました。借金は、おもに農閑期7カ月間の売電収入があれば、20年以内に返済できる見通しです。昨年の10~11月の発電量は月およそ1万3300キロワット時、稼働日数は30日と安定的に電気を供給しています。
現在、FIT(固定価格買取制度)を利用するために経済産業省に申請中です。
外村さんは「いろいろな縛りでがんじがらめ。補助金がなかなか使えないんですよ。近隣の自治体は、火山があって地熱も豊富なのに、ほとんど生かされていません」と訴えます。
自然エネルギー協議会は、大学や企業とも連携して、再エネによる町おこしをいかに進めるかを模索しています。発電所の候補地もおおむね決めており、小水力発電所第2号の建設をめざしています。

FIT(固定価格買取制度) おもに再生可能エネルギーの普及のため、買取価格を法律で定める助成制度。



学童保育さのっこひろばの子どもたち

学童保育にも力注ぐ
小水力を進めるにあたり、どこでも最初に立ちふさがる課題は水利権の問題。狭野地域では、土地改良区の人々との協力関係があり、すぐに解決しました。外村さんは、「CO2排出量削減のために、再エネはメリットが大きいはず。地方が潤うように、さまざまな制度を改善してほしい」と言います。
北原さんは「小水力発電は、地域のそこかしこでポテンシャル(潜在的な力)だらけです。行政による制約のせいで、全然ポテンシャルが生かせていない」と。「いまは、再エネをやろうとすると、金融とか投資とか、もうけの話になっていく。金、金、金となってしまうことに疑問を感じます。資本主義って…どうなんでしょうね」
0歳から中学生まで5人の子どもの父でもある北原さん。13年、東京都から夫婦と子ども4人で移住。音響エンジニアの仕事のかたわら、学童保育づくりを進めました。
貯金を全額つぎ込んで古民家を購入し、遊具などを手作り。現在、月額3000円の学童保育に、25人の小学生が通い、動物を育てたり、そばを手打ちしたりするなど、伸びのびと過ごしています。
「子どもたちの感性を育てるためには、自然と触れ合うことはすごく大きいです。自然とつきあう経験の中で、自分の頭で考える人間に育てたい。エネルギーと食料を自給自足できる町にしたいんですよね」
高原町の人々の模索は続いています。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年1月3日付掲載


小水力発電は川や農業用水路を使った小規模発電。再生可能エネルギーの中でも、自然への負荷が少なく、電気を安定供給できるのが特徴。同地域のパイプライン(農業用水路)の水を利用した小水力発電所第1号は昨年春完成。
最大発電出力は19・9キロワット。小さい発電所をたくさん作る。
外村さんは「いろいろな縛りでがんじがらめ。補助金がなかなか使えないんですよ。近隣の自治体は、火山があって地熱も豊富なのに、ほとんど生かされていません」と。
北原さんは「小水力発電は、地域のそこかしこでポテンシャル(潜在的な力)だらけです。行政による制約のせいで、全然ポテンシャルが生かせていない」と。
地域のやる気、人材と行政の後押しが必要。

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九電・玄海原発訴訟 吉井英勝元国会議員の意見陳述から② 過酷事故の警告を再三無視

2021-12-01 07:13:19 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
九電・玄海原発訴訟 吉井英勝元国会議員の意見陳述から② 過酷事故の警告を再三無視
原発の蒸気発生器などでは、熱交換のための多数の細管が、冷却水の流れで生じる振動によって装置と細管が触れ合って減肉することや、ピンホール規模の沸騰蒸気による乾いた金属表面と沸騰水に包まれたぬれた状態の繰り返しで、不純物が結晶化し細管破断事故につながることもあります。


事故を起こした東京電力福島第1原発視察のために、放射線防護服に身を固めた日本共産党の吉井衆院議員(当時)=2011年12月12日

温暖化で高まる災害による危険
より大きな問題は、原子炉が緊急停止した時に、核燃料は崩壊熱で溶融が始まりますから、ただちに冷却水を送り込まなければなりません。その時、送水ポンプを動かすのに必要な電源は、主に外部の火力発電所からの電力です。これがどんな場合でも、断たれないようにしなければなりません。
ところが現実には、外部電源喪失の例はいくつもあります。台風による東京電力鹿島幹線の送電鉄塔倒壊、北陸電力志賀原発の送電鉄塔ががけ崩れで倒壊した事故、東電福島第1原発構内受電鉄塔倒壊などです。今後、地球温暖化によって、豪雨災害、がけ崩れ、超大型台風・竜巻の発生が頻発して、危険性が高まることは必至です。
緊急停止に際して、原子炉補助建屋にあるディーゼル発電機が、内部電源として働くことになっています。福島第1原発事故では、津波で水没して発電できず、内部電源喪失状態になりました。
内部、外部両方の電源喪失、すなわち全電源喪失となると、原発の核燃料から放出される放射性崩壊熱を取り出さないと、核燃料を包んでいる被覆管のジルコニウムが1000℃を超えて溶融し始めます。
ジルコニウムと水蒸気が反応し、軽い水素が破損部分から原子炉圧力容器内、さらに原子炉建屋に流出し、爆発下限界濃度に達したところで水素爆発をおこします。ですから原発停止の事態では、緊急炉心冷却システムが働かないと大変です。



吉井衆院議員が2006年12月に出した質問主意書と安倍首相の答弁書=同年12月(肩書はともに当時)


大津波で冷却水が取水できなくなり、炉心溶融の恐れがあると指摘した吉井衆院議員(当時)の質問を報じた、「しんぶん赤旗」2006年3月2日付

想定できていた東電の原発事故
ところが東京電力福島第1原発は、このシステムを働かせる電源が喪失状態になったので、爆発と放射能汚染という最悪の事態になったのです。
この事態は、全く想定できないことではありませんでした。2006年3月の衆院予算委員会で私は、04年12月のインドネシアのスマトラ沖地震による大津波を踏まえて質問しました。
地震国日本でも巨大地震に伴って大津波が発生すれば、原子炉施設が水没などの被害を受けます。「押し波」だけでなく「引き波」の時には、原発の取水口より低い位置まで水位が下がると、冷却水を取り入れることができなくなって、いくらポンプを回しても、海水が入ってこないから冷却できないことになると追及しました。
この時の経済産業大臣の二階俊博氏は「今後、全省挙げて、ご指摘の原発の津波対策に取り組む」と決意表明しましたが、内閣改造で姿を消すと、「答弁」は消滅扱いとなってしまいました。
私は、その後に誕生した安倍晋三総理に06年12月、質問主意書を出して、丁寧に警告しましたが、安倍総理は「日本の原発は安全」「全電源喪失など起こらないように、安全確保に万全を期す」と、5回も繰り返す答弁書を出しました。その後、結局何の対策も取らず、「3・11東電福島第1原発事故」の大惨事を招いてしまいました。
(おわり)

「科学技術」は幸せのために
吉井英勝さんは、佐賀地裁での意見陳述(10月29日)の中で、科学者の社会的責任について、“科学技術にかかわる者は利益や利害に目がくらんで、その専門知識を活用してはならない”という湯川秀樹、朝永振一郎、坂田昌一の3人の著名な物理学者の教えを深く心に刻んできた、とのべています。
そして「広い常識とバランス感覚」「高い道徳性や倫理性」を身に付け、国会議員として「科学技術を住民生活の安全と国民の幸せに役立たせる」ために活動してきた、と陳述しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年11月27日付掲載


原子炉が緊急停止した時に、核燃料は崩壊熱で溶融が始まりますから、ただちに冷却水を送り込まなければならない。その時、送水ポンプを動かすのに必要な電源は、主に外部の火力発電所からの電力。これがどんな場合でも、断たれないようにしないといけない。
ところが東京電力福島第1原発は、このシステムを働かせる電源が喪失状態になったので、爆発と放射能汚染という最悪の事態になった。
それは、スマトラ沖地震などで予想された事。
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九電・玄海原発訴訟 吉井英勝元国会議員の意見陳述から① 日本は再エネの宝庫

2021-11-30 10:54:31 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
九電・玄海原発訴訟 吉井英勝元国会議員の意見陳述から① 日本は再エネの宝庫
九州電力・玄海原発(4基)の差し止めを求める訴訟の口頭弁論が10月29日、佐賀地裁で開かれました。全電源喪失によって原発の過酷事故が起きることを予見し、原発の危険性を追及してきた、日本共産党の元国会議員、吉井英勝さんが意見陳述しました。その一部(要旨)を上下で紹介します。

私は現在、原発に頼らない再生可能エネルギーによって、放射能もCO2の心配もない社会を実現させることに全力を注いでいます。
電力会社と政府は、原発をなくすと火力に頼ることになる、炭酸ガスを放出するのは困るのではないか―などと言ってきます。原発は、緊急停止などの事故時には近隣の火力発電所からの応援なしには炉心冷却が難しく結局、火力発電を当てにしないと成り立たないシステムです。



ビルの屋上を利用して設置された太陽光発電用パネル

住民自治が基本 地域経済発展で
石炭火力などが稼働時にCO2を排出するのは事実で、石炭火力の廃止にも踏み切る必要があります。それでは日本の電力をどうするのか。
それは省エネルギーで無駄を徹底的に削り、高度成長期型、一極集中、多消費構造の転換が第一。電力は100%再生可能エネルギー(再エネ)に向けて、国として研究・開発・再エネ設置への財政支援などを進める必要があります。
再エネは、地域ごとの地理的状況に応じて選択することが重要で、それに詳しいのは地元住民です。その地域にどんな再エネがむいているか、工事用資材や機材の搬入はどうするか。地域の農林漁業や中小企業に仕事がまわるような仕組みをどうつくっていくか。
地域の手で再エネ発電所をつくる時の支援をどうするか。地域の環境を守り、再エネで脱炭素の地域をつくるために自治体が条例を作り、基金を設けるときに財政支援をどのようにするか。地域の住民の間でよく議論して、住民が主人公になるエネルギーと環境を生み出し、地域経済が持続可能な発展をするように取り組むことが大事です。
私はそのモデルになる地域を見てきました。高知県梼原町、岡山県真庭市、岩手県葛巻町、長野県飯田市など全国にあります。ドイツのフライブルク市、シェーナウ、フライアムト村など、勉強材料が豊かにあります。
しかし大事なことは、地域にどのような再工ネが存在しているかを知ることです。そして、外部から資本力のある勢力が乗り込んできて自然環境の破壊、地域破壊につながる動きは即座にシャットアウトすることです。
地理的条件にあったエネルギーを見いだして、住民が中心になって企業体をみんなで作って取り組む。仕事が地域の中小企業や農林漁業者に回ってくるものにする。ここには住民自治の考え方が基本にあります。憲法の地方自治の立場に立って、エネルギーが民主主義の学校になる道です。



意見陳述の後、原告の人たちと交流する吉井さん(中央、ネクタイの人)=10月29日、佐賀市(「原発なくそう!九州玄海訴訟」弁護団提供)

最近の異常気象 原発の危険露呈
最後に裁判官のみなさんに訴えます。
私は国会議員として、原発事故から住民を守る、地域社会を守る活動に精力を注入してきました。しかし、福島原発事故が起きてしまいました。政府や電力会社の姿勢を見ていると、再び福島事故のような大惨事が起こる可能性があります。
また、最近の異常気象による災害の発生は、原発を一層危険なものにしています。私が国会でその危険性を訴えて警告をしても無視され続けたのは、電力会社が利益のために稼働率を上げることを最優先するからです。こんな危険な原発の運転は、すぐにやめるべきだと思います。
日本は再エネの宝庫です。その技術も能力もあります。再エネの普及は地方の過疎化も阻止できる明るい展望があります。どうか、裁判所が原発を止める判決を出されて、再エネへの大きな流れをつくられることを切にお願いします。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年11月26日付掲載


原発は、緊急停止などの事故時には近隣の火力発電所からの応援なしには炉心冷却が難しく結局、火力発電を当てにしないと成り立たないシステム。
再エネは決して非効率的なものではなく、地域にやさしくって、地産地消のエネルギー。
地理的条件にあったエネルギーを見いだして、住民が中心になって企業体をみんなで作って取り組む。仕事が地域の中小企業や農林漁業者に回ってくるものにする。
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