く~にゃん雑記帳

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<松尾寺> 国内最大の「役行者小角像」を特別公開!

2015年09月02日 | 祭り

【7日まで「修験道まつり」、焼損の千手観音像トルソーなどの寺宝も】

 日本最古の厄除け霊場といわれる松尾寺(奈良県大和郡山市)で1日から「松尾山修験道まつり」(~7日)が始まった。これに合わせて行者堂(写真の左端)に安置する修験道の開祖「役行者子角(おづぬ)像」を特別公開している。室町時代の作で、役行者の木像としては国内で最も大きいといわれる。

 「松尾山縁起」によると、松尾寺は718年(養老2年)に天武天皇の皇子、舎人親王が日本書紀の無事完成と自身の42歳の厄除けを祈願して建立したのが始まり。中世以降、修験道が盛んになると山岳寺院の松尾寺でも背後の松尾山を行場として多くの僧が修験行を行った。同寺には修験道に関する古文書が約1300点も残っているそうだ。まつり期間中の6日には本堂前で修験道の隆盛と国家泰平を祈って山伏による「柴燈大護摩」が焚かれる。

 役行者子角像は像高130.3cmの杉の寄木造りで、頭巾をかぶり肩に蓑を着け、高下駄を履いて岩座に腰掛けたお姿。暗い堂内に足を踏み入れるや、その存在感に圧倒された。ふくよかな柔和な表情だったのも少々意外だった。両脇に前鬼(赤鬼)と後鬼(青鬼)の木像を従える。さらに後鬼の左横には役行者の母親の像も。1日から宝蔵殿で「秋の寺宝公開」も始まった。ここにも円空作と伝わる江戸時代の役行者像が展示されている。

 頭部が欠けた奈良時代の焼損仏像「千手観音像トルソー」も見どころの1つ。今から60年前の1955年、本尊解体修理中に屋根裏から見つかった。1277年の山火事で本堂が火に包まれたときに焼損した旧本尊とみられる。高さ約188cmの細身の立像で全身黒焦げ。「地獄の業火に焼かれ、千数百年の風雪に堪えて、朽木と化したその姿は、身をもって仏の慈悲を示しているような感じがする」。白洲正子は『十一面観音巡礼』にこう書いた。

 宝蔵殿には重要文化財の十一面観音立像(平安時代、桜材の一木造り)、修験道で用いる金銅装山伏箱笈(はこおい、室町時代)、安土桃山~江戸初期に活躍した絵師・海北(かいほう)友松(1533~1615)の六曲一双「放馬図屏風」なども展示されている。「秋の寺宝公開」は11月10日まで。

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