く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<奈良少年刑務所> 「第25回奈良矯正展」きょうまで

2015年09月13日 | メモ

【受刑者の製品販売、職業訓練パネル紹介、建物の写真展……】

 奈良少年刑務所(奈良市般若寺町)で12日「第25回奈良矯正展」が始まった。刑務所内での教育や職業訓練を紹介し、矯正行政を理解してもらうのが狙い。受刑者が製作した家具や革靴、遊具、文具、雑貨などの展示即売会が例年大好評で、今年も開門と同時に多くの来場者でにぎわった。13日まで。

 即売会には奈良少年刑務所のほか大阪、京都、滋賀、和歌山、三重、名古屋の各刑務所や姫路少年刑務所などがテントごとに出品。並ぶ製品は550種類6300点に上る。若草中学校吹奏楽部の演奏やちびっ子の餅つき、ゆるキャラ集合などのイベントも繰り広げられた。また庁舎2階の講堂では教育・職業訓練のパネル展示や受刑者の書道・絵画などの作品展示、写真展「知られざる名建築~旧奈良監獄(奈良少年刑務所)の美」(ならまち通信社主催)なども開かれている。

 

 奈良少年刑務所の建物は奈良監獄として107年前の1908年(明治41年)に竣工した。明治政府が監獄改良の一環として建てた千葉、金沢、長崎、鹿児島とともに〝五大監獄〟の1つと呼ばれる。ただ当時のまま完全な姿で残っているのはこの奈良の建物だけ。表門は2つの円形ドーム屋根が特徴的な重厚な造りで、正面の2階建て庁舎(上の写真㊨)も洋風の赤い煉瓦造り。受刑者を収容する舎房は中央看守所を中心に煉瓦造りの2階建て5棟が放射状に並ぶ。刑務所全体をぐるっと囲む高さ4.5mの塀もイギリス積みの赤煉瓦で築かれている。

 

 設計者は当事の司法省に属して五大監獄を設計した建築家の故山下啓次郎氏(1868~1931)。ジャズピアニスト山下洋輔さんの祖父に当たる。洋輔さんはその祖父のルーツ探しの旅をもとに小説『ドバラダ門』を書いた。昨年10月には「近代の名建築奈良少年刑務所を宝に思う会」を旗揚げし、建物の保存と国の重要文化財指定に向けて勉強会を重ねている。日本建築学会も「近代日本の歴史的建築資産としてきわめて価値が高く、かけがえのない存在」と評価、今年6月には法務大臣宛てに「奈良少年刑務所の保存活用に関する要望書」を提出した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする