く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<千住真理子・長谷川陽子・仲道郁代> ミューズたちがトリオ誕生の地に戻ってきた!

2012年10月29日 | 音楽

 【気品のあるベートーベンのピアノ三重奏「大公」】

 バイオリンの千住真理子、チェロの長谷川陽子、ピアノの仲道郁代。日本を代表する各分野の演奏家が一堂に会する贅沢なコンサートが28日、大阪市のザ・シンフォニーホールで開かれた。トリオが最初に結成されたのは2010年2月。この同じ会場だった。今回のプログラムは一般に馴染みのある独奏曲や二重奏に続いてベートーベンのピアノ三重奏曲第7番「大公」。各楽器の多彩な表現力や息の合った演奏を堪能させてくれた。

  

 最初に登場した長谷川はバッハの無伴奏バイオリンのためのパルティータ第2番「シャコンヌ」。難曲のバイオリン曲として有名だが、長谷川はチェロを巧みな指使いで弾きこなし、バイオリンとは一味違った深みのある演奏に仕上げた。続いて仲道がドビュッシーの「月の光」とショパンの「バラード第1番」。「月の光」は優しくきらめく音の光がまさに天上から舞い降りてくるようだった。

 千住は仲道との二重奏でバッハ/グノーの「アヴェ・マリア」、続いて兄の明編曲の「夕焼け小焼け」を演奏した。千住の演奏ではついバイオリンそのものに注目してしまう。ストラディヴァリウスの最高傑作といわれる「デュランティ」(1716年製)。ローマ法王からフランスの貴族デュランティ家、さらにスイスの富豪を経て千住の元にたどり着いた。その運命的な出会いについては母、文子の著書「千住家にストラディヴァリウスが来た日」に詳しい。

 このバイオリンが製作された約300年前の1716年というと、ヴィヴァルディやバッハが活躍していた頃。ベートーベンやモーツァルトはまだ生まれてもいない。千住は演奏前、この楽器について「非常にデリケートで朝から晩まで一日中気がかり。このバイオリンのために生きているようなもの」と話していた。二重奏に続いて第2部の最初にクライスラーの「レチタティーヴォとスケルツォ・カプリス」を独奏した。高音はどこまでも伸びやかで、低音は温かく包み込んでくれるような響きだった。

 この日の目玉は「大公トリオ」。ベートーベンはすでに耳が聞こえず過酷な運命を乗り越えて次々に作曲をしていた円熟期の1811年、41歳の時の作品。交響曲ではちょうど第7番の作曲時期とほぼ重なる。ベートーベンは経済的な支援者ルドルフ大公にこの曲やピアノ協奏曲「皇帝」など14曲を献呈している。仲道、千住、長谷川の3人は40分にも及ぶこの大曲を、気品を保ちながら繊細かつ力強く演奏した。第1楽章はチェロとバイオリンのピチカートが心地よい。第3楽章は美しく、第4楽章は快活な演奏で、各楽章ともめりはりが利いていた。

 アンコールはメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番第2楽章。演奏の合間には3人がマイクを持ち「演奏家に必要なのは体力と集中力」「今日はトンカツ」「私は卵パワー」と愉快なおしゃべり。中でも千住が毎日生卵を3個以上丸飲みするという話には会場爆笑。千住が兄編曲の「夕焼け小焼け」を弾く際には、仲道が「そんな時便利ね、近くに(作曲家の)お兄ちゃまがいて」と振ると、千住は「ところがなかなか書いてくれなくて大変なの。持ち上げたり下げたりして……」と話し、また会場の笑いを誘っていた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<全国高校駅伝女子・福岡県大会> 筑紫女学園2連覇、北九州市立及ばず2位!

2012年10月29日 | スポーツ

【3区の1年楢崎が健闘、流れを引き寄せる】

 全国高校駅伝(12月23日)の福岡県大会は28日、嘉穂陸上競技場発着で行われ、女子は筑紫女学園が昨年に続いて2連覇、20回目の全国大会出場を決めた。雪辱を狙った北九州市立高は思い描いた先行逃げ切り策が実を結ばず、今年も2位に終わった。1~3位の学校とタイムは①筑紫女1:09:28②北九州市立1:10:24③柳川1:12:02。

 筑紫女は1区由水沙季が北九州市立のエース矢野栞理の背後にぴたりと付け、最後に逆転して区間賞の見事な走り。矢野は1秒の遅れを取った。2区は筑紫女が山下未来、市立は金平裕希といずれも準エース級。2人とも同タイムの区間賞だった。ここまでは接戦だったが、3区に入ると、筑紫女の1年生、楢崎夏美が市立の2年河口恵を相手に一気に37秒差をつける快走を見せ、市立を突き放した。

 筑紫女は4区にこのところ不振が伝えられていたエースの木村友香を起用。この区間では市立の3年田中真実が区間賞を取るが、木村もわずか2秒差の区間2位の走りで期待に応えた。この時点で1位筑紫女と2位市立の差は36秒。ほぼ勝負ありだった。最終5区のアンカーは筑紫女が園田聖子、市立が高橋かるなの3年生対決だったが、園田が区間賞、高橋は園田の走りに20秒遅れ、結局、筑紫女が市立に56秒と1分近い大差をつける完勝だった。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする