く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ひらかたパーク菊人形祭> 人形31体で源平の盛衰を華やかに彩る!

2012年10月30日 | ひと模様

【菊の衣を巧みな技で着せ替える菊師2人】

 源平の盛衰を描いた菊人形展が大阪府枚方市のひらかたパークで開かれている。タイトルは「ひらかたの秋 菊人形祭―時代を変えた男 平清盛と源頼朝」(11月25日まで)。菊人形30体と衣装人形1体で「平家の栄華」「源氏再興の道」「一の谷合戦」など13場面を表現している。同園の菊人形展は1912年(大正元年)に開園とともにスタート、「枚方菊人形」は秋の風物詩として長年呼び物の1つになっていた。しかし、職人(菊師)の後継者不足などもあって2005年に終了したが、今年は開園100周年の節目ということで復活した。

 

 今回の菊人形づくりは男女2人の菊師が担当している。安井恵子さん(写真㊧)と福田実さん(写真㊨)。安井さんは同園初の女性菊師で「大々的に取り組むのは今回が初めて」、福田さんは菊師として約17年の経験を持つ。菊人形1体の寿命は7~10日間。2人は花が傷んでくると新しい菊で丁寧に着替えをさせる。

 「胴殻」と呼ぶ人形の胴体に、根の付いた生菊を2~3株ずつまとめ水ゴケで巻いた「玉」を差し込み、茎が折れないように気遣いながらイグサで縛っていく。この作業を「菊付け」と呼ぶ。1体に40玉から80玉程度の菊の玉を使う。「1体仕上げるのに大体1日から1日半かかります」と福田さん。鳥羽院の着せ替え作業中だった福田さんは時々手を止め、少し離れて人形全体の仕上がり具合を確認していた。

(左上から時計回りに「平清盛」「平敦盛と熊谷直実」「武蔵坊弁慶」「源義経」)

 

    

 安井さんはちょうど主役の1人、源頼朝の菊付け中だった。手際よく玉を胴体に差し込み固定していく。「教えてもらうというよりも、見て覚えろという感じだった」とこれまでを振り返る。長く修業を積んできたが、それでも菊付けはなかなか大変という。「中でも襟元や肩の緩やかな線をきちっと出すのが難しいですね」。着替えが完成してもこれで終わりではない。毎日1~2回、玉の1つ1つに水やりを行う。

 鎌倉幕府を打ち立てた源頼朝、平清盛の嫡男重盛と義弟の時忠、一の谷合戦での平敦盛と熊谷直実、頼朝の従兄弟に当たる木曽義仲と愛妾の巴御前、悲運の武将源義経と家臣の弁慶、尼将軍北条政子、幼い頼朝の助命を清盛に懇願した池禅尼……。いずれの菊人形も色とりどりの菊で飾られ、表情が生き生きしていた。そこには菊師の安井さん、福田さんの人形1体1体への熱い思いが込められている。

(写真左上から時計回りに「木曽義仲と巴御前」「白河院」「平知盛と二位尼・安徳天皇」「池禅尼」)

 

 

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