く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<キショウブ(黄菖蒲)> 鮮やかな黄色い花が水辺に映えるが……

2012年05月11日 | 花の四季

【環境省の「要注意外来生物」! 約110年前日本へ】

 遠目にもはっきり分かる鮮やか黄色の花を咲かせるキショウブ。水辺に群生する姿はなかなか美しい。原産地はヨーロッパからアジア西部にかけての地域で、英名では「Water Flag(ウオーターフラッグ)」「Yellow Iris(イエローアイリス)」と呼ばれる。原色日本帰化植物図鑑(保育社)によると、日本に入ってきたのは明治30年(1897年)ごろだが、今では各地の溜池や沼、水田脇などで野生化している。

 アヤメやハナショウブ、カキツバタと同じアヤメ科アヤメ属。アヤメやカキツバタの葉は平べったいが、キショウブはハナショウブ同様、葉の中央が膨らみ、花の形もハナショウブに似ている。ただハナショウブは花の色や形に長年改良が加えられ、今では1000以上の園芸品種があるという。アヤメは野山や庭園など乾いた所で育つが、キショウブやハナショウブは湿地を好む。

 帰化植物といっても、春の水辺を彩る花としてすっかり親しまれている。ところが、この植物が環境省の「要注意外来生物」になっていると知ってびっくり。「繁殖力が強く、水辺の在来種と競合・駆逐の恐れがある」というのがその理由。日本のアヤメ属のうちカキツバタなど5種類が絶滅危惧種に指定されており、交雑などにより〝遺伝的撹乱〟の可能性があるというわけだ。

 海外では水路や湿った畑などに繁茂するため、雑草扱いされているという。そう言えば、国内でもかつてキショウブを目にする機会はあまりなかったが、最近は以前に比べ増えてきたように感じる。環境省はキショウブを栽培する際には管理場所以外に流出しないよう気をつけ、野生化し在来種駆逐の恐れがある場合は防除するよう指導中。身近な水辺環境「ビオトープ」をつくるときにも極力、在来の水草を利用するよう呼びかけている。

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