『くじけないで』 柴田トヨ
現在98歳の方。詩作を始められたのは90歳のときだとか。
それまでは日本舞踊を教えたり楽しんだりしていましたが、腰を悪くされて断念。息子さんがあまり動けないお母様に 詩を書くことを勧めました。
昨日 amazonから届きましたので、早速読んで・・・というよりすぐに 朗読してみました。朗読しながら、なんて素敵な方なのだろうと思いました。
「思い」って 年齢がどうのこうのという問題じゃないんですね。
親が子を思う、妻が夫を思う、自分が自分を思う、この生きている世界を思う、そこに難しい言葉は必要なく、とても単純に しかも澄み切ったものが漂っていました。読みながらきゅんきゅんとした気持ちになりました。
わたしも98歳になっても こんな気持ちになれるかしら。
こんな可愛い人になれるかしら。
トヨさんの人生は決して悠々自適の人生ではありません。裕福な家庭に育ちますが、途中 家が傾き、トヨさんは苦労されます。親戚を頼りに生きるのですが、そこで勧められるままにお見合い結婚します。でもその結婚は大変なもので、早くに離婚し、両親とともに10年ほど暮らします。そのときに知り合った料理人が二度目の夫でした。かけごとが好きな夫ではありましたが、彼女や子どものことをとても愛してくれたと思われます。面倒見のいい方のようでした。
彼女が一番好きだという詩は その夫と一緒にいたある日のことを書いた詩だといいます。
早速 母に持っていって 勧めてみました。母はすぐ読み始めました。白内障の手術を終えて すっかり目が見えるようになった母にとって この詩集はとても読みやすいものでしょう。ゆっくりと言葉を味わいながら 読んでいました。ときどき 文字を訊ねられたりもしましたが。
母が気にいったのは 風が耳元でささやいたことばにトヨさんが 答えている詩でした。「そろそろあの世にいきませんか」というようなお誘いに彼女が「まだまだやり残したことがあるから」と応えると、風が困ったようにしていなくなる という場面です。
風が困る・・・そういう表現がいいね と。
母は 詩を書くというのはとても難しいものだと思っていたようです。でも トヨさんの詩を読んでいて 自分も書けるかな?ときっと思ったに違いないです。思っていることをどんどん文字にしていってみればいいよ と言うと、字がわからなくてねーと言うので、じゃあ ひらがなで書けばいいでしょ?というと。
「漢字だったら その意味がわかるけど、ひらがなだとしゃべってる「し」と「す」の区別が難しい」というのです。ははあ~ん。わかりました。
小さいころからの癖で すとしの使い分けが違っていたりすることがあるらしいのです。
でも「そんなこと大丈夫だよ。わたしがひらがな 直してあげるから。心配いらないって」と言っておきました。
はたして母は詩を書くつもりかなぁ。書いたらいいなとわたしは思うのです。あまり動けなく、家と病院 たま~に買い物ぐらいしか歩かない母のこと 手も思うようにいかないから、ストレスがたまる一方だと思います。だから こういう創作する楽しさを覚えるのは 母のためにはとてもいいことだと思うのです。
あまりしつこく言うとだめなので、それとなく つんつんとつついてみるつもりです(笑)
きっと心の中には 出したい言葉がたくさん詰まっているはずですから。
柴田トヨさん 素敵な方です。
98歳でも 恋はできるはず・・・
現在98歳の方。詩作を始められたのは90歳のときだとか。
それまでは日本舞踊を教えたり楽しんだりしていましたが、腰を悪くされて断念。息子さんがあまり動けないお母様に 詩を書くことを勧めました。
昨日 amazonから届きましたので、早速読んで・・・というよりすぐに 朗読してみました。朗読しながら、なんて素敵な方なのだろうと思いました。
「思い」って 年齢がどうのこうのという問題じゃないんですね。
親が子を思う、妻が夫を思う、自分が自分を思う、この生きている世界を思う、そこに難しい言葉は必要なく、とても単純に しかも澄み切ったものが漂っていました。読みながらきゅんきゅんとした気持ちになりました。
わたしも98歳になっても こんな気持ちになれるかしら。
こんな可愛い人になれるかしら。
トヨさんの人生は決して悠々自適の人生ではありません。裕福な家庭に育ちますが、途中 家が傾き、トヨさんは苦労されます。親戚を頼りに生きるのですが、そこで勧められるままにお見合い結婚します。でもその結婚は大変なもので、早くに離婚し、両親とともに10年ほど暮らします。そのときに知り合った料理人が二度目の夫でした。かけごとが好きな夫ではありましたが、彼女や子どものことをとても愛してくれたと思われます。面倒見のいい方のようでした。
彼女が一番好きだという詩は その夫と一緒にいたある日のことを書いた詩だといいます。
早速 母に持っていって 勧めてみました。母はすぐ読み始めました。白内障の手術を終えて すっかり目が見えるようになった母にとって この詩集はとても読みやすいものでしょう。ゆっくりと言葉を味わいながら 読んでいました。ときどき 文字を訊ねられたりもしましたが。
母が気にいったのは 風が耳元でささやいたことばにトヨさんが 答えている詩でした。「そろそろあの世にいきませんか」というようなお誘いに彼女が「まだまだやり残したことがあるから」と応えると、風が困ったようにしていなくなる という場面です。
風が困る・・・そういう表現がいいね と。
母は 詩を書くというのはとても難しいものだと思っていたようです。でも トヨさんの詩を読んでいて 自分も書けるかな?ときっと思ったに違いないです。思っていることをどんどん文字にしていってみればいいよ と言うと、字がわからなくてねーと言うので、じゃあ ひらがなで書けばいいでしょ?というと。
「漢字だったら その意味がわかるけど、ひらがなだとしゃべってる「し」と「す」の区別が難しい」というのです。ははあ~ん。わかりました。
小さいころからの癖で すとしの使い分けが違っていたりすることがあるらしいのです。
でも「そんなこと大丈夫だよ。わたしがひらがな 直してあげるから。心配いらないって」と言っておきました。
はたして母は詩を書くつもりかなぁ。書いたらいいなとわたしは思うのです。あまり動けなく、家と病院 たま~に買い物ぐらいしか歩かない母のこと 手も思うようにいかないから、ストレスがたまる一方だと思います。だから こういう創作する楽しさを覚えるのは 母のためにはとてもいいことだと思うのです。
あまりしつこく言うとだめなので、それとなく つんつんとつついてみるつもりです(笑)
きっと心の中には 出したい言葉がたくさん詰まっているはずですから。
柴田トヨさん 素敵な方です。
98歳でも 恋はできるはず・・・