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経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

経済の着実な回復と感染の加速

2020年11月08日 | 経済
 9月は消費も雇用も着実に回復し、10月も上乗せが期待できる状況だ。しかし、11月に入って全国の新型コロナの感染確認数が加速しており、過去最多を記録した札幌では、夜間の営業自粛に追い込まれた。モノの生産や消費は、コロナ前の水準を取り戻せるところに来ているのに、残るサービスの回復は、感染拡大によってブレーキがかかりかねない。経済回復の前提は感染状況の安定にあり、冬に向けて心配な局面となっている。

………
 9月の消費は、統計局CTI実質が前月比+0.2となり、7-9月期は前期比+5.0と予想以上に伸びた。むろん、4-6月期に-8.1も落ちた反動であり、十分に取り戻したわけではない。この4か月程の水準は、コロナ前とは約-4.5のギャップ、消費増税前とは更に約-1.5のギャップがある。10月には旅行が復活し、もう少し水準が上がると思われる。そこからがコロナ後の成長のスタートラインと言えるだろう。

 また、9月の毎月勤労統計は、常用雇用が前月比+0.1と上昇し、コロナ前の11月~2月の水準と変わらないくらいまでになった。ただし、現金給与や労働時間には、まだギャップが残っている。なお、労働力調査の雇用者数は、毎勤よりギャップが大きく、失業率は高止まりしたままだ。さらに、飲食や宿泊は、雇用者ではない就業者も多いと考えられるので、実態は、まだ厳しいところである。

 全国の感染状況は、この数日で悪化しており、トレンドの予測では、2週間もたたずに、7日間後方移動平均が過去最高を更新してしまう勢いだ。札幌では感染の急増を受けて営業の自粛が始まった。東京でも感染者数が上昇傾向に変わり、神奈川、愛知、大阪でも増えてきている。青森の推移からすると、いったん「夜の街」で感染のハブができてしまうと、収束までには時間がかかるようだ。

 寒くなるに従い、米国では新規感染が13万人と過去最多に急増し、欧州では感染の拡大で英国がロックダウンに踏み切った。日本のようにマスクが徹底されてないと、物販も含めて営業を止めるのも仕方ないのかもしれない。日本の場合は、マスクを外しがちな会食がポイントになる。「よその人」との会食でハブを作らないように、細心の注意を払いたい。そうでないと明るい12月は迎えられない。

(図) 


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 11月に入って3次補正の議論も始まったようだ。しかし、それも感染状況の安定があってこそである。GoToのような業界支援策は、感染が拡大してしまえば、やるにやれなくなってしまう。今後の経済の回復は、補正予算の大きさより感染状況にかかっている。「夜の街」に的を絞った手厚い休業協力金を用意したり、不利益を被る個人向けに給付金を出したりの必要性が高まっているのではないだろうか。


(今日までの日経)
 札幌・すすきの 夜の店「10時まで」要請 道内感染最多187人。FRB、景気二番底を警戒。量的緩和拡充を検討。日経平均、上昇余地。ユーロ圏、マイナス0.1%成長。国内感染 8月21日以来の1000人超え。


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