ここのところ花音痴がお花を求めてお山の計画を立てている。大山の南と北でお花畑を堪能
した後、今週は事情があって、少し軽めの山と言う事でYAMAPで皆さんの活動日記を見
ていたら、アカリプタさんの寒風山が目についた。そういえばこの時期の寒風山は意外と沢
山の花が咲いている。しかもアカリプタさんはアップした花の写真一枚一枚に花の名前を書
いてくれているのでとても参考になる。と言う事で奥様たちに連絡するともちろん即OKの
返事が返ってきた。
いつものように高松自動車道を西に待ち合わせの豊浜SAへと車を走らせる。法皇山系辺り
に少し雲がかかっているが申し分ない青空だ。
寒風茶屋の手前の駐車場に車を停めて身支度をする。トイレを済ませて手を洗おうとしたら、
トイレの横にあった水場は寒風トンネルの方に移動していた。手洗いを済ませた後、水で濡
らすと冷たくなる冷感タオルをホースの先から流れ出る水に漬け、氷水の様な冷たい水でつ
いでに顔を洗って準備万端スタートをする。茶屋の前の休憩所からは194号線沿いの谷合
の奥に西門山と稲叢山。明るい日差しに『今日も暑くなりそうだ!』
ノリウツギ
いつもの様に桑瀬峠への取付きはいきなりの急登。昨日雨が降ったのか木の根や岩の上が濡
れていたので、以前より多くなった?ロープを使って滑らないように登って行く。
ヤマジノホトトギス
ギンバイソウ
今日は花散策。花が咲いていないか右に左にと目線を移しながゆっくりと歩いて行くと、少
し前を歩く三人の女性も同じように時々立ち止まっては花を探しながら歩いている。
ヒメキンミズヒキ
ヒナノウスツボ
桑瀬峠が近づき樹林帯から笹の中の道になると一気に暑さが迫って来た。足元にはニガナが
チラチラと咲いていて、珍しく白いな花もある。
ニガナ
シロバナニガナ
桑瀬峠の手前では右手前方に冠山。この標高からはまだ平家平は隠れて見えない。少し左に
回り込むと、寒風山西峰の岩峰、そしてちち山から笹ヶ峰までが見渡せた。
桑瀬峠では前を歩いていた三人の女性陣がザックを降ろして休憩していた。先週の三鈷峰と
同じで、直ぐに高知の方だと判った。少し話をしていると桑瀬峠の標識と寒風山西峰をバッ
クに『写真を撮ってください!』と頼まれる。これも先週と同じだなと思っていると、『ぜ
ひ牧野植物園へ来てください!』と。少し話を聞くと三人さんとも植物園で調査員としてボ
ランティア活動をしているという。植物園の調査員、そして朝ドラの『らんまん』の話で奥
様たちと盛り上がっている。いつもの様に峠では吹き上げてくる風が涼しかったが、女性5
人の話声で峠は熱く賑わっていた。
しばらくの間女性陣が盛り上がった後、高知の方より先に峠をスタートする。しばらくは笹
の中の道。以前はこの辺りの笹も刈り払われていたが、ここ最近のこの間は笹の中の道にな
り、雨の後で濡れた笹がタイツを冷たく濡らして気持ちがいい。道が寒風山からの稜線の西
側になるとやっと山頂の笹原が見え始める。
ヤマシグレ
クロヅル
道の脇にある展望台からは伊予富士から東黒森山が見渡せた。樹林帯の中の道は時々谷筋の
細尾根になった場所では冷たい風が吹き上げてくた。一つ目のステンレス製の梯子を登り、
二つ目の梯子の周りではシモツケソウが目立ち始める。
シモツケソウ
ホツツジ
するとルリちゃんが『あっ、黄色いのが咲いている!』と声を上げる。教えてもらった場所
の岩肌にタマガワホトトギスが咲いていた。この先で一旦梯子を下った鞍部ではいつも見か
けたタマガワさん、途中で見るのは今日が初めて。後ろから登って来たソロの女性に教えて
あげると、その方もこの場所で見るのは初めてだそうだ。
タマガワホトトギス
空には綿菓子の様な白い雲があちこちで泳ぎ始め、山肌に黒い影を落としている。ただまだ
圧倒的に空の青色の面積の方が広い。
今日のお目当てのお花畑はベンチの手前から左に脇へ入って行く。少し下って進むと岩肌が
現れ、色とりどりの花が咲いている。
イシヅチボウフウ
シモツケソウ
ホソバノシュロソウ
コウスユキソウ
今日は最初は東赤石山にと思っていたが、今回は疲れが残らない程度にと言う事で寒風山に
なった。その東赤石にも咲いているタカネマツムシソウもこのお花畑には咲いている。
タカネマツムシソウ
そしてこのお花畑の存在を初めて知ったのが6年前だった。その時にすれ違ったリップさん
に『ウチョウランが咲いているわよ!』と言って、この場所を教えてもらった。そのウチョ
ウランはもう盛りを過ぎていたが、何輪かはまだ花を付けていた。
ウチョウラン
アキカラマツ
あっちゃんと二人で岩場のお花畑の一番奥まで行ってみる。イシヅチボウフウが一番多く咲
いていた。先ほどの女性もやって来て『いつもよりマツムシソウの数が少ない!』と言って
いる。このお花畑は岩場にあるので上り下りには注意が必要だ。
お花畑を堪能した後山頂を目指す。往路で唯一の下りの梯子を下りると、いつもの様にヤマ
アジサイとタマガワさんが迎えてくれる。
その鞍部から登って行くと最後の梯子。そしてここでもいつもナンゴククガイソウが咲いて
いる。道が樹林帯を抜け笹の中の道になるとイヨフウロが目につき始める。
ナンゴククガイソウ
イヨフウロ
山頂が近づくにつれ空の顔色が変わってきた。圧倒的だった青空が白い雲に迫れれている。
振り返ると稜線をガスが覆い隠そうとしている。
山頂は笹ケ峰と比べるとあまり広くはない。その笹ケ峰も北側からドンドン雲が流れてきて
表情を次々と変えている。しばらくはその景色を眺めていたが、ここで腰を降ろしてお昼ご
はんにする。今日は三人ともに冷やしうどんだ。
復路は登山道から少し外れて裏寒風の方へ回り込んでいたアカリプタさんのルートを辿って
みる。アカリプタさんが登山道から外れてわざわざ違うルートを歩いていると言う事は、何
か珍しい花が咲いているのかもしれない。登山道は山頂から小ピークの東をトラバースして
いるが、その小ピークの先で踏み跡を辿って尾根へと登って行く。尾根は以前に裏寒風を登
った時に通った尾根だった。
コメツツジ
イワキンバイ
クロヅル
尾根は少し先で岩壁になっていて先に行けそうにない。YAMAPでアカリプタさんのルー
トを確認して見ると、尾根から南西に下がっている。よく見ると灌木に青いテープが巻いて
あった。そこから急坂を下って行く。するとすぐにロープが掛った岩場になる。途中でタマ
ガワさんの群生。そこから少し下って行くと突然手のひらに激痛が走る。『刺された!!』
そう思って慌てて払いのけるが逃げずに刺してくる。その内首筋にも激痛が走る。普通なら
手で払うとハチも逃げるのだが、何度も何度も刺してくる。何匹いたのか、ハチなのかアブ
なのかブヨなのか、慌てていてその正体を確認する余裕もなかった。
何とかやり過ごすと今度は後ろであっちゃんの悲鳴があがった。そしてその後ろのルリちゃ
んも刺された。一人が刺されることは今までもあったが、三人とも刺されたのは初めての事。
痛みを堪えながらロープの掛った岩場を何とかやり過ごす。笹で踏み跡が分からなくなった
が、テープを目印に下って行くと次に現れたのはガレ場だった。足を踏み出すたびに足元が
崩れていく。周りには掴める木々も少なく苦戦する。
途中でバイケソウやシクガイソウの群生が目につくが、ゆっくりと眺める余裕がない。
左手には高い岩壁が見える。ルート的にはその岩壁の足元を巻いているような感じだ。思っ
た以上にけっこう下まで下って行く。たしか前回裏寒風を登った時は、ザレ場を登りきると
この岩壁が現れた記憶がある。そこから上になる今下っているザレ場の記憶があまりない。
スダレギボウシ
YAMAPを確認するとザレ場の途中から左に、岩壁の足元を巻いている。ルート図に沿っ
て左手へと方向を変える。ここでもテープを目印に進んで行く。
テバコマンテマ
イワキンバイ
岩壁を回り込んだ後今度は登山道に向かっての直登。ここもかなりの勾配で足元はぬかるん
でいて踏み出しては滑って足が元の位置に戻ってしまう。
奥様たちは稜線の登山道目指して登っていたが、ふと横を見ると更に岩壁の足元が見えた。
足元を巻いて行けば進んで行けそうなので、奥様たちと別れて岩場の方へと登って行く。す
ると予想した通り岩のあちこちにお花が咲いていた。そして見た事もない花も・・・・。
シュウキラン
コウスユキソウの群生
ミヤマカラマツ
タマガワさん
シモツケさん
ノリウツギ
これは何?花たちを眺めながら岩壁を回り込み最後は登山道に向かって直登する。登山道直
前では木の枝を掴みながら何とか登りきり、登山道に飛び出した。すると丁度下ってきてい
るあっちゃんに出くわした。『あら!』・・・『あら!』
正規の?登山道からは一気に下って行く。山頂付近は寒風山も伊予富士もガスがかかっていた。
トゲアザミ
往路では花を探しながらゆっくりと登ったので、下りはそのせいで至極あっという間に下っ
た感じがした。瓶ケ森林道に降り立つ手前で桑瀬峠でお話をした高知の三人組―24金さん
(ハチキンさんが三人なので)とまた出会った。早速あっちゃんが写した写真を見せながら
花の名前を聞いている。さすが牧野植物園の調査員。見せる写真の花の名前を全て答えてく
れた。ただ我々は家に着くころには忘れてしまうかな?
いつになく花を愛でながらののんびり登山。とは言っても裏寒風のザレ場では予想以上に苦
戦をした。『今度は下から登って見たいわ』とあっちゃん。『それなら秋の紅葉の季節に登
りましょう』と約束をする。
来週は我々三人での初めての遠征。天気予報はまだイマイチだけれど、初アルプスにあっち
ゃんは期待に胸を膨らませている。取りあえず第一回は一泊で登れる山木曽駒ケ岳。夜中に
出発して日帰り登山。その後山から降りてのホテルで泊まり。帰りは途中にある伊吹山を散
策。木曾駒ケ岳のスタート地点となる千畳敷カールも伊吹山も花の山。どうか天気がよくな
りますように!(晴れ男と雨女、どちらが強いかの勝負になる)
花の名前は調べて書いたが間違っているのもあると思うのであしからず。
そしてその他の花たち
バライチゴ
アクシバ
ナガサキオトギリ
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