KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

三人で初めての遠征は花・花・花でした!

2023年08月05日 | 四国外の山
ここ最近、大山の三ノ沢・三鈷峰そして寒風山と、花音痴の三人が珍しく花を求めての

山歩き。その仕上げとして兼ねてより計画していた初の一泊しての遠征をしてきた。

目的地は中央アルプスの最高峰の木曾駒ケ岳。そのスタート地点となる千畳敷カールの

お花畑。そして翌日は帰りに花の山として有名な伊吹山に寄り道してドライブウェイを利

用しての観光コースで、両日ともに花を目当てに、そしてあっちゃんは初めてのアルプ

スデビューとなった。ルリちゃんは意外とあちこちの山にツアーで出かけているのだけ

れど、結構な確率で雨だったそうだ。今回はその雨女と晴れ男の私との勝負になった。

1週間前まで40%だった降水確率が20%まで回復して『シメ・シメ』と思っていた

のに、直前では40%にまた戻ってしまった。果たして二人の勝負は、お山の天気はど

うなるのか?今まで以上にずっと気にしながらの1週間だった。




夜中の3時に集合して高速を一路長野県を目指す。途中で淡路島の室津。宝塚北・黒丸・

恵那のPA・SAで休憩をとりながら6時間ほどで菅ノ台バスセンターに着いた。セン

ターの駐車場はすでに満車で、少し上の臨時の駐車場に案内された。

予定より2便早い9時15分発のバスに乗り込み、ロープウェイ乗り場のしらび平には

30分ほどくねくねの道を揺られながら到着。ロープウェイは1,662mのしらび平

から2,612mの千畳敷駅までの高低差950mを7分ほどで一気に登って行った。










千畳敷駅の前には以前にはなかった、千畳敷カールを目の前にして広いテラスが出来て

いた。宝剣岳から乗越浄土そして伊那前岳にかけての稜線の奥は残念だが曇り空だった

が、それでも山々はくっきりと見えて三人とも歓声をあげる。







周りは家族連れの観光客や登山客の姿があったが、ここでは観光客の方が多いような感

じがした。まずは駅舎の横にある駒ケ岳神社にお参りして千畳敷カールの遊歩道を歩

いて行く。さっきまで灰色一色だった空は時々青空がのぞき始めた。『ヨシ・ヨシ!』











遊歩道の脇には次々と花が咲いていて、道の右に左にと忙しく写真を撮って行く。写真

撮影に忙しい奥様たちもなかなかやってこない。振り返ると何やら女性から花の名前の

レクチャーを受けていた。

ヒメユキソウ








タカネツメクサ


ウサギギク






遊歩道と登山道の分岐となる八丁坂分岐からは足元はゴロゴロ石の登坂になる。九十九

折れの道は、時々上から降りてくる人との離合で立ち止まって意外と時間がかかる。






チングルマの綿毛



ロープウェイで一気に上がってきたせいなのか、それとも寝不足のせいなのか、先ほど

から息を吸うと頭がクラクラとする。たしかにもう既に標高は2,700n近いので、

高山病が発症してもおかしくはない。









ヨシバシオガマ



乗越浄土が近づくにつれ、周りは岩稜のアルプスらしい景色になって来た。相変わらず

頭がクラクラするが、奥様たちも同じような感じだと言っている。












サクライウズ




乗越浄土には遊歩道でゆっくりしていたのでコースタイムより時間がかかって1時間ほ

どで着いた。正面には天狗荘の赤い屋根の向こうに中岳。右手にはハイマツの緑と白い

稜線とのコントラストが美しい伊那前岳(山頂は更に奥)が見えた。まずは伊那前岳へ

のアタック(笑)を前に、ここでお昼ご飯にする。今日も麓のコンビニで買ったぶっか

けうどん!













ご飯を食べた後は少し時間が押して来たのでザックを置いて、早々に伊那前岳へと歩き

始める。乗越浄土浄土から見えるピークは山頂ではなく、さらに奥になるが15分ほど

で行けると奥様たちに男性が教えてくれたそうだ。周りは次々とガスが流れていく。













山頂の前のピークには、江戸時代中期に高遠藩郡代の阪本天山が木曽駒を検分した際に、

この場所で絶景を前に漢詩を詠み、すぐさま石工に命じ近くの岩に(鎖で囲まれた中の

岩)この詩を刻んだ勒銘石がある。その後詩が刻まれた岩が風化し始めたので、その傍

らに石碑が建立されている。







伊那前岳山頂には乗越浄土から25分ほどで着いた。今までほとんどなかったのに、な

ぜかここ最近『写真を撮ってもらえませんか』と山頂で頼まれることが多くなった。こ

こでもご夫婦に頼まれ写真を撮ってあげ、その後こちらもお願いをする。

















相変わらず次々とガスが流れて、一瞬はクリアだった周りの景色を刻々と変えていく。













山頂から乗越浄土に戻り宝剣山荘の横を通ってまずは中岳へと歩いて行く。振り返ると

先ほど歩いた伊那前岳への稜線と、険しい顔をした宝剣岳。

















中岳山頂から木曾駒ケ岳へは一旦下っての登り返しになる。鞍部には頂上山荘の前でテ

ントを張っている人の姿があった。山頂への道はここまでと同じようなゴロゴロ石の道。
















道の両側には立ち入らないようにロープをずっと張ってある。すると赤い小さな花が目

についた。『あっ、女王様だ!』










山頂には木曾駒ケ岳神社伊那駒ケ岳神社の二つの神社がある。まずは木曾駒ケ岳神社

にお参りして記念撮影してその後伊那駒ケ岳神社で手を合わせる。山頂に神社が二つあ

るのは珍しいことだが、昔の水利権の名残りだそうだ。山頂は長野県の上松町・勒銘石

木曽町・宮田村の3つの村の境界にあり山頂がどこに属するかは昔は大変重要で、谷を流

れ下る水の権利に関わったそうだ。











木曾駒ケ岳山頂からの下りで数人の人が立ち止まって写真を撮っていた。カメラを向け

ている方を見ると、岩の上にひょこっと雷鳥が立っていた。少し距離が合ったのでズー

ムで撮ったがガスの影響もあってイマイチ。








中岳との鞍部まで下り、今度は中岳山頂へは登らずトラバース道を進んで行く。すると

ここでも道の脇へカメラを向けている人の姿があった。さっきの雷鳥と比べると随分近

くの岩に立っていた。しかも周りでちょこちょこと小さな子供たちが歩いている。さら

に一羽や二羽ではなくかなりの数が動いている。なんなら親鳥から離れてこちらへやっ

て来る子供もいる。

木曽駒ケ岳の雷鳥は、昭和44(1969)年以降にライチョウの目撃がなく絶滅したとされ

ていたが、平成30年7月20日に一般登山者により撮影され、その後個体群復活事業がな

されているそうだ。目視では分からなかったが写真をみて見ると、個体識別の色足輪が

付けられている。雷鳥は北アルプスで何回か見た事はあるが、これだけの数を見たのは

初めてだった。それにしても子供たちは周りの花崗岩や花崗土にそっくりの保護色をし

ているので、よくよく見ていないと直ぐに見失ってしまう。













トラバース道は途中から岩稜の道になる。晴れていれば右は滑川へと続く谷筋の切れ落

ちた斜面のはずだが、ガスっているので高度感は感じられないのが助かる。










さきほど雷鳥を撮影していた団体は中国の人の様で、こんな雰囲気の中でも賑やかにと

言うより騒がしく前を歩いている。











ガスがどんどん濃くなってくる。宝剣山荘の横から『さぁ宝剣岳へ!』と稜線を登って

行くと、直ぐに雨が降り始めた。どうしようかと迷っていると雨脚はどんどん強くなる

ばかり。仕方がないので引き返して雨具を着るために宝剣山荘に入る。食堂の椅子に腰

かけ雨具を着こんでいると同じように次々と登山客が入って来た。食堂には8月だとい

うのにストーブに火がつけられていた。







雨具を着た後、宝剣岳は諦めて下山する事に。晴れの日を天気予報を見ながらの登山ば

かりしているので、雨具を着こむのは久しぶりの事だった。







乗越浄土から千畳敷駅までは花崗岩の急な下り坂。ただ花崗岩の表面がザラザラしてい

て雨で濡れても意外と滑りにくかったのが助かった。この時間この天気の中、下からは

まだ登ってくる人達とすれ違う。

<








八丁坂分岐からは往路と違う剣ケ池の方へ歩いて行く。こちらの道ではムカゴトラノオ

の群生地になっていた。

ムカゴトラノ












ロープウェイの出発時刻までには余裕があったので、花を見つける度に立ち止まっての

んびりと写真を撮る。幸い剣ケ池では雨も小降りになっていた。



ミヤマアキノキリンソウ


エゾシオガマ




下りは16時発のロープウェイ。乗り込む人も多くなくロープウェイもバスもスムーズ

に我々を運んでくれた。千畳敷駅で18度の気温から下界は一気に気温が上がっていた。

今晩は飯田市のホテルで宿泊。チェックインの後直ぐ近くの居酒屋で宴会。一口目の生

ビールの美味しいこと美味しいこと。最後の岩と鎖の宝剣岳に登れなかったのは残念

だったが、それでも千畳敷カールの高山植物、そして女王のコマクサ、花崗岩とハイマ

ツのコントラストの中の稜線歩き、最後に雷鳥の大家族にも会えて満足度100%の第

一回の遠征は無事幕を下ろした。













花の数が多すぎたのでまとめてみました。
















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