「走ると足の裏が圧迫されて、赤血球が壊れて鉄が失われて貧血になる」という話は、ウルトラランナーなら、誰もが一度は聞いたことがあると思います。
私も以前ひどい貧血になり、ゴール後に毎回倒れていた時がありました。そのときスポーツ雑誌を読んで、上の説明をみて、そういう理由なのかと納得していました。
ただちょっと、理論に無理があるとは思っていましたが、スポーツ関係の本にはほとんどそう書いてあるので、ランナーの貧血は走り過ぎで起こると思っていました。
ところが、昨日の講演でドクターMから「足の裏で赤血球が壊れて貧血になる、という医学的根拠はない」という話を聞いて、「あっ」と思いました、目からうろこ・・・・やっぱりという思いで、いろいろ調べてみました
・確かに、足で赤血球が壊れるということを、どうやって証明したのでしょうか?
・医学書で貧血を調べても、足裏で赤血球が破壊されるなど一言も書いてない。
・逆にスポーツ関係の本は大半がそのことが書いてある。しかし、多くは「・・・だそうだ」と、人から聞いたような書き方をしてある。本人が調べたわけではない。理論の根拠がはっきりしていない。
・医学書のスポーツ欄を調べると、貧血になりやすい種目に水泳選手も書いてあります。水泳は足裏にまったく圧迫がかからない種目です。水泳選手でも貧血は起こるということは、足の圧迫が貧血の原因とは思えません。
・どういう種目に多いか書いてありました。種目に関係なく、ハードな時間が長い種目に貧血は多いようです。
それでは、いつからこういうことを言い出したのでしょうか?
戦時中、行軍後にヘモグロビン尿症(赤血球のヘモグロビンが溶解して尿中に出ること)が起こるという発表がありました。この説明に「足への繰り返しの圧迫のために起こる」と書いてあるようです。当時はそれを科学的に説明できる手段はなかったはず。おそらく誰かの持論なのでしょう・・・・どうもこれが、一般に広まっていったようです
現在、医学的にはスポーツ選手の貧血は
① 汗中への鉄喪失
② 消化管出血による鉄排泄の増加
③ 鉄の需要の増加 が原因とされています。
要するに、瞬発力の種目より、長時間動きまわる運動で貧血は起こりやすいということのようです。
ただし、足の赤血球破壊論を否定しているわけではないようですが、さほど貧血の要因にはならないそうです。足裏赤血球破壊の貧血は治療の対象にならないとまで書いてありました。
走ることを含めて、ハードな運動量が貧血の要因のようです。私もまだ時々貧血の範囲に採血値が落ちます・・・・やはりやり過ぎですかね?
とても、参考になり、勉強させてもらってます!
これからも、runに飲みにとお付き合いさせてください!(笑)
山本君に負けないように、がんばります!