kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

春先からのこと

2017-06-01 | 陸上競技
思うことを少し。

昨年、冬季練習に入るあたりから色々と考えていました。なかなか分かってもらえないと思うのですが。これまで指導をしてくる中で初めて「12秒台」の選手を預かりました。これまで一番速い選手が13秒1くらいだった気がします。初めての「12秒台」。正直、かなりのプレッシャーがありました(笑)。

すぐにでも活躍できると期待されていたかもしれません。が、世の中はそんなに簡単ではなかった。チーム内から国体に出場できましたが記録的には・・・。追い風参考で12秒40まで出しましたが中学時代ベスト記録を1年目には更新できないという形で終わっていました。

オーソドックスな走りをする選手であれば身体作りをしているだけである程度力が上がります。しかし、特徴的な走りをする選手が多くなるとそれに応じて色々なことをやらなければいけなくなります。昨シーズンを終えて「何かヒントはないか」とずっと考えていました。

そこで思い切って大阪へ。練習見学に行きました。blogにも書いていますがやはりここでの衝撃は大きかった。中学時代14秒台だった選手が400mでインターハイ入賞。そこには大きなヒントがあると考えていました。

強い選手が集まる。それは楽かもしれません。もしもその選手が上手く走れなくても誰か次に入ってくるだろうからそちらで対応できる。そんな話をの中でmtm先生は「普通の学校のほうが指導者としては面白いですよ」と言われていました。指導者が工夫をする、考えることで選手の能力を引き出すことができる。そこが一番指導者としてのやりがいなのでは??と。確かに。

その言葉を胸にこの冬季練習はこれまでの「既成概念」から抜け出して練習をしようと思ってきました。自分がしっかりと考えて「必要だ」と思ったことをやる。mtm先生が「365日同じ練習をしたことがない」と言われていたのもあってこの冬は毎日毎日私自身が頭を使って練習をしようと考えていました。これまで入れてこなかった「有酸素系」の練習も多少入ってきていました。

春になって試合が始まる。すべての結果が「微妙」でした(笑)。決して悪くない。問題はないのですが「一気にはいかないな」という感覚でした。当たり前なのですが。不安になる(笑)。またもmtm先生に相談。この冬、何度相談したでしょうか。迷惑極まりないですが「何とかしたい」という想いがありました。

向風が吹くと全く走れない。そのことについて相談したこともあります。今考えると「向風が吹いて走れない」というのは理由が明確なのですが、「筋力的に弱いのではないか」という短絡的な発想しか思いつませんでした。大阪では細くて筋力がない子でも向風でガンガン走りますよ!!という言葉に「他の原因を探る」という感覚になりました。

支部大会後から徹底的に「課題克服」に取り組みました。織田記念にも参加させてもらいましたが前日練習は「課題克服」のためのみ。12秒8かかってしまいました(笑)。どうなんだ、これは。それが継続してやっていくうちに随分走りが変わってきました。こんな初歩的な練習をどれだけやるのか?!という話なのですが。加速段階の動きを見直しました。

県選手権のあたりから少しずつ結果につながっていきました。これは男子も含めて。

強いからやっていたら記録が出る。そんなものではない。やはり基礎的なことをしっかりと積み重ねていく必要があるのです。そこができなければ変わらない。単純に冬季練習をしたから速くなるというわけではない。理由のある練習をしていく必要があるのです。

特別焦っていたわけではありません。私が焦っても何も生み出しませんから。その時その時に「やるべきこと」に着目してそれをやる。mtm先生が「高校生は暖かくなって汗が出る時期になったら走りますよ」と言われていました。その裏には「その時期、その時期にやるべきことがある」という意味が含まれていたのかもしれません。

練習パターンは変わりました。それでも走れるようになってきている。それが「答え」なんだと思います。今までの練習スタイルでも走れるようになっていたかもしれません。しかし、組み立てを替えることでより効果的な練習ができているのではないか。そういう感覚はあります。トレーニングとスプリントの組み合わせを考えたりするなかで選手の感覚も変わっていくのかもしれません。

今の段階。私がやりたいなと思っている部分の60%程度でしょうか。筋力的にも技術的にも体力という部分でも全然できていません。これをいかにして100%に近づけるか。中国大会までに最低でも70%くらいはいきたい。安定感がない部分を改善していかなければいけないですね。

春先からずっとあった「もやもや」はずいぶん解消されました。確固たるもの。これが不足しています。しっかりとやっていきたいと思いますね。
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体力の要素とは?

2017-06-01 | 陸上競技
雑感に近い内容ですが。

今回、女子の100mでワンツー、200mでは1位と5位。中国大会への出場を決めました。このことを大きく評価するつもりはほぼありません。200mで最後までスピードを維持する事ができてベストに近いパフォーマンスを発揮できたという部分について考えておきたいと思います。

周りから何度も「マイルはやらないのか?」と質問される事があります。ここ数年マイルに対してのこだわりが全く無くなっているのでほとんど頭の中にありません。大阪に行った時に「タフさ」という部分で大きな差があるなと感じました。関西ではマイルまで含めて考えて練習をくんでいます。参考になる部分が多くありました。

200mがある程度走れるのでマイルも走れるのではないか?確かにその可能性はあります。記録だけ見れば60秒切るのはそれほど難しくないのかもしれません。が、練習を見ていて「マイルはないな」と思っています。近くで見ていてマイル対応はできないと感じているからです。

今回200mの決勝で追い風参考ながら25秒37で走りました。が、Nは有酸素系の能力が著しく低い。練習で往復走などをすると周りが苦笑いするくらいのスピードでしか走れません。真面目にやっていないというのではなく一生懸命やってもその部分が弱いのです。もちろん克服するために練習はしていますが一朝一夕に改善されるものではありません。有酸素系が弱いのは小さい時からだという事なので時間はかかると思います。

だからといって瞬発系が強いのかと言われるとこれも違います。瞬発系に優れた白筋と有酸素系に優れた赤筋。どちらもそれほどではない。瞬発系に優れていたら100mのタイムはもっと出ているでしょう。スタートの部分でガツンと出ることは出来ません。筋肉も付きにくいので体幹も含めてまだまだです。正直、学校での練習で「この中に県チャンピオンがいるから探してみて」と言うと見つけられないと思います。

マイルを重点的にやっていた時はかなりの量を走っていました。150mを3〜5本を数セットやる事は多かった。朝練でジョグを毎日やっていましたし。その代わりにショートスプリントの弱さがあった。400mに特化している部分がありました。スプリント指導がまだまだできていなかった時代(もちろん今でもですが)、ロングスプリントの方が「勝負しやすい」というのがありました。ある程度の量で対応できるからです。57秒や58秒で走る選手がいましたが100mで12秒台は出せなかったと思います。

「体力」という要素だけを見れば間違いなく当時の方があったと思います。筋力も女子でベンチプレス45kg挙げる者も複数いました。30kg挙げるのが「最低条件」という雰囲気でした。それでも12秒台は一人もいない。一番速かったのが13秒2くらいだったと思います。本数を消化できる体力はかなりあったと思います。「練習はどこよりも強い」という自信がありました(笑)。

今はウエイトはやっていません。150mも1本走るかどうか。「体力」という部分の捉え方が変わってきているのかもしれません。選手のタイプのこともあるので自然とショートスプリントに重きを置くようになってきています。ロングスプリントを考えるのであればやはりもう少しパターンを変えないといけないのかなと。

体力について考えるというのは重要だと思います。県総体の時に前任校の教え子に会いましたが、仲間内で集まった時に「先生、優しくなったよね」という話になるそうです。どれだけ酷かったのか(笑)。今でも厳しくはやっているつもりですが当時と比べると年を取ったのかもしれません。量を追い続けるパターンからは変わってきたと思います。それでもかなりの量はやりますが。以前のように「今から走りこみするよ」という明確な走練習がなくなってきている感じはあります。総運動量ではかなりありますが。誤魔化されているだけなのかもしれません。

繰り返し書いていますがうちはかなり弱いと思っています。温室育ちレベル。甘やかしているという評価を受けることもあるかもしれません。筋力的にも体力的にもまだまだ伸びる要素がかなりあります。マイルも出たいなという想いはあります。が、実際問題今の体力レベル&有酸素能力レベルではマイルで勝負するのは難しい。出る気はあるんです(笑)

走る量(距離の本数)はずいぶん減りましたがショートスプリントの繰り返しや補強の量は飛躍的に増えてきていると思います。補強に関してはバリエーションが増えた。これも正解かどうかわかりません。「軸」を意識した練習が多くなってきている。これが体力要素としては大きい気がしています。偉そうに書けるほどうちの選手の体幹は強くないのですが・・・。

まとまりがないですね。まー雑感ということで。
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