医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

天につば

2024-06-21 06:00:38 | 薬局
何だかお門違いな気がするが、人は誰でも身勝手だ。

本日は「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」が出されることになっている。
ここで注目されているのが薬価の中間改定である。
今の流れからすると、ほぼ2025年の薬価改定は実施される。
「骨太の方針」には薬価の中間改定について「在り方について検討する」となっており、廃止や中止とはなっていない。
これに対して関係団体はこぞって反対の声を上げている。
特に後発医薬品メーカーにとっては死活問題だ。
医薬品卸に至っても利益に大きく影響する。
さらに毎年の見積もり作成には現場のMSが音を上げている。
いっそのこと共同交渉に加入して価格は本部対応にして欲しいと願っている。
こうなるとMSの存在自体が問われることにもなる。

製薬メーカーなどの支援を受けている政治家も騒いでいる。
この政治家は国民のことを思ってなのか、自分のためなのかよくわからない。
ただ、さすがにあきらめムードは隠しきれない。
政治家であっても、あまり上司に逆らうといいことがない。
それは私も身をもって体験した実感である。

そもそも薬価の中間改定になぜ反対なのか。
それは薬価が下げるからだ。
薬価が下がると先ほどの製薬メーカーや医薬品卸の利益に大きく影響する。
もちろん薬を使う医療機関や薬局にも薬価差益と言う果実が少なくなる。
薬価が下がるのは政府の政策のせいなのか。
最近では。後発医薬品メーカーの不正なども薬価引き下げのせいのような話がある。
そうは思わない。
身の丈に合わない生産体制に問題があったと思う。
企業モラルの問題だ。

基本的に改定によって決まる薬価は、実勢価格と薬価の乖離に2%の調整幅を持たせて決まる。
となると調整幅の2%以内なら薬価は下がらない。
消費税の10%分を含めても12%引きでの納入価格ならセーフである。
それを18~20%など要求するから改定時には、その差額分が引き下げの対象となる。
要は、薬価の引き下げは製薬メーカーの仕切価格制度に問題があり、医薬品卸の自分たちの利益を確保しようとしない無理な販売に問題がある。
それを政府の薬価の中間改定のせいにしてはいけないような気がする。

もし薬価の中間改定をなくすとどうなるのか。
医療費は毎年のように伸びている。
それを2年に1回の診療報酬や薬価改定で調整するには無理がある。
中間年の自然増分への対応が出来ない。
薬価の引き下げをしなければ診療報酬本体の引き下げに刃が向けられる。

そろそろ限界に近づいていることは確かだ。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする