JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

モクソンアンテナもどき 145MHz

2009年08月31日 | モクソンアンテナ


 CQ誌の9月号にMoxonAntenna(モクソンアンテナ)の紹介記事がありました。2エレ八木のそれぞれのエレメントを内向きに折り曲げた形状となっているため、見た目はキュービカルループのようにも見えます。
 特徴は、1)F/B比が優れる(25db以上)、2)フロントゲインは2エレよりもやや劣る、3)特別なマッチングを必要としない、なのだそうです。
 記事では、HF帯用の大型のモクソンがいくつか載っていました。エレメント長を計算できるプログラム(MoxoGen)をダウンロードしたところ、145MHz用であれば難しくなさそうなので、あれこれ考えてみました。

 MoxoGenの計算では、145MHzの場合、エレメント長辺が約75センチ、折り曲げ部分が放射器側は10センチ強、反射器側は14センチ強となりました。いつものことながら、ザックへの収納とかカメラ三脚への取り付け方とかをまっさきに心配してしまうのですが、この長さ、形状を考えると、良いアイディアが浮かびませんでした。
 そこで、ロッド式の手持ち八木(2エレ、ナテック製NY144X 狩猟用アンテナ参照)をモクソン化してしまう方法を考えてみました。ただ、この手持ち八木のエレメント間隔は12センチしかありませんので、長辺の寸法を長めにして、短辺はかなり短くなります。MoxoGenの計算を基に、適当に寸法を割り出して作ってみました。


1)材料 すべてあり合わせのもので作りました。


  ・3ミリ径の銅パイプ3.5センチと5.5センチを各2本
  ・蓑虫クリップ4個
  ・プラスティック板(100円ショップで購入した引き出しの仕切板)2個
   (インシュレータとして使います)
  ・結束バンド4本


2)製作
  ・それぞれの長さに切った銅パイプを蓑虫クリップに半田付けします。
  ・短い方と長い方の銅パイプのもう一方側をそれぞれプラスティック板(イン
   シュレータ)に結束バンドで固定します。この部分は最終的に透明ボンドで
   固定します。
  ・2本の銅パイプの間隔は1.7センチとしました。



  以上でモクソンエレメント完成です。あとは、実際に取り付けて調整します。


3)調整
 手持ち八木のエレメントを伸ばして、両端を蓑虫クリップで挟んで固定します。
 長い方の銅パイプを放射エレメント側に取り付けます(逆にならないように)。あとは、ロッドエレメントを少しづつ短くして、SWRが下がるところを見つけていきました。その結果、放射エレメントは上下各40.5センチ、導波エレメントは上下各41.5センチのところで、SWR1.1に落ちてくれました。1センチ違っただけでもSWRは2以上になってしまいます。また蓑虫クリップ自体に幅がありますので、クリップのどの部分で挟むかによっても変わってきます。けっこうクリチカルです。銅パイプ間隔は1.7センチのままです。ここを狭くするとやはりSWRは上がってしまいます。モクソン部品を手で触ると激しくノイズを拾いますので、普通の2エレとは別物と考えた方が良さそうです。長さ調整後は、バンド内ほぼフラットとなりました。







4)疑問点
 CQ誌の記事では、2本のエレメントを放射器と反射器とし、反射器の折り曲げ部分を長くして、ビーム方向は給電部側となっています。つまり放射器が前エレメントとなっています。今回製作した「モクソンもどき」は、元々手持ち八木ですから、これだと宜しくないわけです。そこで、前エレメントは導波器とし、放射器側の折り曲げ部分を長くしています。ビーム方向は導波器側のはずです。一応、そのつもりです。モクソン部品の取り付けを左右変えてみましたが、放射器側を長くした方が、SWRも安定します。ただし、反射エレメントがないわけですから、本来のモクソンアンテナとは違いますし、最大の特徴であるFB比も期待できるのか疑問です。




5)使用感
 ベランダで受信に使ってみただけです。2エレに比べてコンパクトで扱いやすいです。指向性は2エレよりも若干ブロードな感じがします。バックからの信号はよく切れて、弱い信号だとスケルチが開かなくなります。一応モクソンアンテナとして機能しているように思うのですが・・・? それ以外の受信能力に大きな違いは見られませんでした。2エレで受信できて、このアンテナだと受信できないということも、その逆もありませんでした。ほぼ同じ性能であれば、コンパクトなこのアンテナに少し分があるように思います。今度の山移動で送信も試してまたレポートしてみます。



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