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せんだいSD550  山岳移動運用 

LFAアンテナ VUデュアル

2021年08月30日 | 八木アンテナ

 

 

 通常1/2λダイポールを使う八木アンテナの放射器を1λループに置き換えたものをLFA(Loop Fed Array)アンテナというそうです。立体構造となる多エレメントループアンテナと違い、平面なので設営や取り回しは容易な感じがします。この間いろいろと試してきたオープンスリーブですが、ループ型放射器の場合でもデュアル化が可能なのかどうか、可能であればエレメント配置はどのようになるのか、そんなことに興味が涌き、作ってみることにしました。

 

 

 まずは145MHzのLFAアンテナを作ります。ネットにシュミレーションデータが公開されていたので、参考にさせていただきました(感謝)。製作自体はデュアル八木やモクソンアンテナと同じです。角材ブームにロッドエレメントを取り付け、ループ型放射器は銅パイプとミノムシクリップで作りました。ロッドアンテナを8本使い、大きさ的には4エレ八木に近いです。ブームも長めでザックサイドに取り付けることになります。また、上下各4本のエレメントがきれいに揃うように角材を削って加工しました。これがけっこうクリティカルな作業で、見た目だけでなく性能に影響を与えるので気を遣う部分です。

 組み上がってシュミレーションデータの寸法で測定したところ共振点がだいぶ上にあり、バンド内すべてSWR3以上となってしまいました。エレメント材質や太さが違うためデータ通りとはいかないにしても、ちょっと想定外。手ごわい調整が必要なのでは?と不安がよぎりましたが、そうでもありませんでした。反射器と導波器はいじらず、ループ放射器のロッドを少しずつ伸ばしたところメイン付近まで共振点が下がり、SWRもあっけなく1.1前後と良好な状態に落ち着いてくれました。気難しいところはなく、考えていたより素直な特性です。145MHzのLFAアンテナ完成。

 

 

 続いてオープンスリーブによるデュアル化。といっても今回はうまく430MHzに共振してくれるのかどうか? 共振するとすれば第一導波器の位置はループの中なのか、あるいは前方外側なのか? 太さ2㎜、長さ33cmの銅パイプを例によってセロテープでブームに貼り、測定を繰り返しました。はじめループの中ほどに貼り付けたところバンド全域SWR2以上。でも、マッチングしそうな感触もあり、少しずつ移動させていったところ、給電部から2cmのところで急にSWRが下がってくれました。上の方に共振点があるようでさらに移動させたりエレメント長を調整してみましたが追い込み切れず、この位置で確定としました。

 その上で、第二導波器の位置を同様に探っていきました。ループ内ではどこもSWRが大幅に悪化してしまいます。結局、ループの前方7cmでSWRグラフがもっとも良好となり、確定としました。第一導波器のみよりも第二導波器を取り付けた方がSWR的には改善します。また、430用エレメントを付けても外しても145MHzへの影響はみられません。これまでの経験からはループアンテナの中に金属類を入れると良いことはないのですが、このケースの場合は違うようです。略図、下記の通り。

 

 

430第一導波器のみのSWRグラフ↑

430導波器2本取り付けた際のSWRグラフ↑

 

 ということで、LFAアンテナのオープンスリーブによるデュアル化、一応の奏功をみました。ただ、SWR的に問題ないとしても両バンドの放射パターンがどうなっているのか、などは不明です。実際に使ってみて何か気づくこともあるかもしれません。

 

 

 

 室内の三脚に設置し145MHzをワッチしたところ、タイミングよく秋田県の秣岳移動局の交信が聞こえてきました(距離約80km)。方角を合わせ51。3エレ八木に換えたところノイズが増えて41。2エレ八木では信号は確認できるもののノイズに埋もれ聞き取れませんでした。145MHzについては悪くない印象です。LFAは欧米で6mバンドを中心に人気があって、低ノイズかつFB比と利得に優れるとの評価のようです。ブーム長74cm、重さ220g。自分的には大きめなので持っていく機会は限られますが、時々使ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

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